ベルト・バックル修理 革漉き・裁断 伊東金属製作所

革ベルトやバックルの修理、革漉き、革の型抜きその他、幅広く紹介して行きます。

トレンチコート バックル修理

2018-05-16 09:31:33 | トレンチバックル

アクアスキュータム、バーバリー、この2つはトレンチコートの2トップですね。
今日ご紹介する修理も、バーバリーとアクアスキュータムのトレンチコートのバックル修理です。
まずはアクアスキュータムのウエストバックル修理です。
こちらのお客様は、ウエスト1点のみ、バックルの取り外し、取り付けはご自身でなさるので、バックルの修理のみです。


袖はそのまま使うのでしょうから、出来るだけ色を合わせます。
革はボロボロですので、一番劣化していない芯棒の色に合わせます。
が、色によっては限界もあります。
黒であればなるべく艶感の近い黒革を使いますが、色物ですね、濃茶、茶の在庫の種類も豊富ですが、それでもなかなかピッタリとは行きません。またグリーン系のような、カーキ色のバックルもよくご依頼いただきますが、ある程度は妥協いただく場合もあるかもしれません。
ですので、気になるお客様は、セットでの修理をお勧めします。
革の在庫は変動しますので、例えばウエストだけバックル修理して、やっぱり後から袖も同じ革でというお客様が時折いらっしゃいます。
が、必ずしもその革が残っているとは限りませんし、革の切り口(コバ染めといいます)の仕上げも毎回調色することがほとんどですので、同じバックルは一緒に作業しない限り、同じものはできませんのでご注意ください。

そこは手作りの良さであり、悪さでもあります。
毎回、そのバックルに合わせて作業している分、オリジナルに近い色合いで作ることができますが、量産しているわけではなく、すべて、いわば特注、誂えの作業ですので、同じものを再度作ることができません。

量産品の作り置きであれば、試しに一個交換してみるということもできますが、受注生産ですのでそれはできません。
その代わり、毎回精一杯作業させていただいております。
そのため、バックルの修理は毎日1組様限定にて作業しております。


完成です。
一個だけですし、ベルトもないので送料も抑えられます。


こちらはバーバリーのトレンチコートです。
ウエストはまだしっかりしているので、袖バックル2つのみ修理ご希望です。
すでにウエストと袖の色が若干違っているようです。
袖の既存の色に合わせると、余計に色が遠く離れてしまうので、作業はしませんがウエストバックルも一緒に送っていただきました。
できるだけウエストのバックルに近い色で作業します。


完成です。
私としてはもう少し近い色で出来たら、という思いは残りますが、お客様からこのくらいは問題ありませんとの言葉に救われました。


続いてバーバリーの袖バックルのみの修理です。
ネットのフリマアプリで購入したそうですが、袖のバックルがボロボロなので修理してくださいとのご依頼でした。
が、届いてみると、左右で色が違いますし、良く見るとベルトも生地の色がほんの少し違います。
どこかで入れ替えられたものなのでしょうか?
ただ、ご依頼主様は気付いておらず、どちらの色で直しますか?とご連絡いたところ、「はっ?」みたいな反応でした。
「言われてみれば写真を見ると色が違いますね。」
と、仰っていました。
色の違いというのは、直す方は非常に気にしますが、持ち主様というのは、それほどでもないものなのかな?と、ちょっとびっくりしました。


お客様と相談して、濃茶の革で仕上げることになりました。


出来上がりです。
バックルはセットですが、ベルトがちょっと違うんです。


続きまして、アクアスキュータムの3点セット修理です。
バックルの取り外し、取り付け込みのフルコースですね。
一番多いご依頼です。


革を選定します。
セットですので、あまり神経質にならずに作業できます。


完成です。
ピンが錆びていたので、新しいものに交換しました。


バーバリーの3点セット、フルコース修理です。
正直、まだまだ傷みは激しくないと思います。
が、気になる方は気になるのでしょうね。
ほんとボロボロで、元の革が付いていない状態でのご依頼もあるかと思えば、このようにまだまだ使えそうな状態での修理依頼もあったり、ほんと、人っていろいろですね。

ただ、このバックルは後から染色してますね。
革が剥がれているのではなくて、顔料だけ剥がれています。
中の革はヌメっぽい色の革です。
糸もまったく同じ色になっています。
これはアパレルではよく使う手法で、まとめて薄い色で作って、後から色分けのために染色するのです。
そうすれば製造コストが抑えられますし、在庫管理も容易になります。
バックルだけ買い置きして、生産計画に合わせて染色するわけです。
ただ、数年でこういった感じに剥がれてくるので、ユーザーには優しくないです。
だいたい3年くらい(1シーズンに1回クリーニングすると想定して、3シーズン)を目処に、そこまでは品質を保つようにテストしてますが、その先は知らん。といった作りです。
メーカー側も大体3シーズン過ぎればクレームにならないラインだと知っていて、その品質設定にしています。
バーバリーのコートを3年で捨てる人っていないですよね。
お高いのですから、もうちょっとユーザーに優しくても良くないですかね。


かなり近い色がありましたでの、こちらで作業します。
真ん中の芯棒が同じ色なのが、後から染色している証拠です。
見えない部分なので、わざわざここを染色することないですからね。


まずは革をすべて剥がします。
当然ですが、中は色が付いていません。


修理して、バックルを取り付けて完成です。


修理受付は、メールかLINEで、画像送付の上、お申込みいただくようお願いしています。
お電話でのお問い合わせも受けておりますが、お電話のみでは状態が確認できませんので、お見積りは正確には出来ません。ある程度幅を持った回答となります。
お電話いただく場合でも、まず画像をお送りいただいてからのお問い合わせであればスムースにお見積もり出来ます。

大体の価格感を知りたい場合は、弊社ホームページをご覧になってみてください。
こちらは価格を記載しています。
ブログだと年数経って価格改定した際に更新しきれないので、こちらには記載しないようにしました。


持込いただく場合、留守にするときもございます。
できれば事前にご予約ください。

土日はお休みですが、LINEの場合、時間があれば可能な限り返信してます。
私もお休みなので、即答は勘弁してください。
よろしくお願いします。


クリーマ、ヤフオクにて革小物をお得な価格で販売中です。
こちらも修理同様、併せてよろしくお願いします。
もちろん、品質は修理同様、手抜きせずにしっかりしたものだけを提供しています。
直販ですので、コスパは良いはずです。
ショッピングセンターや百貨店だと、販売コストで倍くらいの値段になりますからね。
クリーマ販売リスト
ヤフオク出品リスト



伊東金属製作所
03-3886-6271
info@itokinzoku.co.jp
東京都足立区足立2-34-2
LINE ID:itokinzoku









コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 革の裁断依頼 【2018.5.15】 | トップ | PVCの抜き型での裁断 2018.5.16 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

トレンチバックル」カテゴリの最新記事