評価:★★★★【4点】
いろんな解釈のできる映画ならではの語り口の広がり。
って、言葉がクドくなにがだよ!と思われそうですが
観る者にとってこの物語りをどう捉えるか
これは十人十色となる作品ではないでしょうか。
残念ながらワタシは原作をまったく知らないので
どうこう言える立場ではありませんが
緑豊かな浮き島の全景を引きのカメラで捉えた映像が
横たわる人型に見えたところから
砂漠に見える湖のオアシスのパターン?とか。
朦朧(もうろう)とした意識のなかで徐々に死に近づいて行く彼に
神は最後の気力を与える意味で幻想を見せたのではないだろうか。
ということで、あれは実在しない浮き島で(劇中でもそう言ってた)
彼の白日夢であったというふうに思えてしまった。
◇
小説のネタを探していたカナダ人作家は、
パイ・パテルというインド人男性を訪ね、
彼の語る驚愕の冒険譚を聞くことになる――。
インドのボンディシェリで動物園を営む一家に育ったパイ少年。
やがて彼が16歳となったとき、一家はカナダに移住することになり、
パイは両親や動物たちと一緒に日本の貨物船に乗り込むことに。
しかし、途中で嵐に遭遇し、船は沈没。
運良く救命ボートに乗り移ることができたパイだったが、
彼と同じように辛くも逃げ延びたシマウマやハイエナ、
オランウータン、そしてリチャード・パーカーと名付けられた
ベンガルトラと同乗するハメに。
こうして少年パイの過酷な漂流生活がスタートするのだが…。
<allcinema>
◇
カナダ人作家に自分の過去を語りはじめ
それを回想形式で表現されていくのはクリント・イーストウッドの
『父親たちの星条旗』以来だろうか。もちろんワタシのなかで^^;
冒頭からのテンポは正直言って遅く感じてしまった。
予告編で見せるトラとの共存をいかに行ったかに興味津々で
パイやその家族の人間描写が若干クドく感じるほどだった。
少なくともこの辺りをもうすこし削っていたら
前半でダレてしまうワタシのような者もいなかったかも^^;
さて、映像ですが、これは圧巻のひとこと!
どのシーンに於いても一枚の静止画として通用するほど。
荒波、鏡面のような静かな海、蛍光色で光る海の生物
飛び魚、ミーアキャットの群れの行動など
そして最も感心したのが、あのベンガルトラを先頭に
救命ボート内の動物たちすべてをCG再生で表現してるところ。
それまでいくつかの動物モノ、あるいは恐竜など
通常の彼らの動きはスピルバーグの『ジュラシックパーク』から
始まって何度も目にしているんだけど
さすがに今回のような荒波のボート内部という不安定な場所で
動物の動きを表現できたのは凄いとしか言いようがない。
そして、イタリアの砂浜に漂着した直後
227日間、シェイクハウスしたトラが何も言わず森に消えて行く。
ココはパイじゃないけど、せめて何らかの仕草が欲しかった^^;
ワタシとしては、トラが森に入る直前に、ふっと振り向いて
2~3秒後にダッシュで戻ってきて瀕死のパイの顔を舐める。
実話じゃないんだから、それくらいやってあげてくださいよ(笑)
そうしたら、予想通りで涙腺決壊してたかもしれない^^
リチャード・パーカーがもしも
『ダンス・ウィズ・ウルブス』のような狼だったら
ラストのパイとの別れの展開も微妙に違っていたのだろうか。
ネコ科とイヌ科の違いをみるのも面白いかも(笑)
【今週のツッコミ】
・ネコ科動物に見返りを求めてはいけません。
あのラスト、リチャード・パーカーとの別れは
ある意味、硬派な展開だったのかもしれないな~。
・過去を語るパイの話が長すぎると冒頭で思ってしまったが
こんなに凄い経験、伝説化されるほどのことを茶化してはイケない。
・劇中、2回ほど飛び出してくる物体に身を避けてしまった(爆)
・浮島のミーアキャットの無防備さは可愛いが
なにも抵抗せずトラに食べられるってどうよ!
しかも、ボートにトラの餌用のお持ち帰りには引いてしまった。
・あれだけのミーアキャットが生息してるわりに糞が落ちてなかった。
・シマウマくんやオランウータン、ハイエナくんの残骸は?
227日間経ってもボートの内装が綺麗なまんま^^;
・この映画にウンチはおろか、排便するシーンがなかった。
冒険ファンタジーだから、敢えて削除なのだろうか。
・泳ぐリチャード・パーカーの顔が可愛かった。
家の猫とほとんど変わらなかったんだが
あそこでイカダの方に方向転換してきたのに吹き出した。
・個人的に、あの飛びクジラは何の意味があったのか不明。
真横から巨大なクジラが出てきたのに平静だったパイは
神経が図太くなっていた?この辺りはどんなもんでしょ(笑)
・大人になったパイと結婚したのはインドの彼女ではないのね。
・日本の貨物船保険調査員へのふたつめの物語りは
これはこれでひとつのサバイバル映画ではあったが
実際の物語りがどちらであったかは観る側の解釈次第。
ちなみにバナナは水に沈むらしいが。
・ワタシは動物たちと実際に漂流し浮島だけ幻想であったとした。
せっかくパイがあれだけ熱く語ってるんだし。
でも、ふたつめの物語りを僅か2分で語り終えたことにお口アングリ^^
------------------------------------------------------
監督:アン・リー
脚本:デヴィッド・マギー/ディーン・ジョーガリス
撮影:クラウディオ・ミランダ
音楽:マイケル・ダナ
出演:スラージ・シャルマ/イルファン・カーン/アディル・フセイン/
タブー/レイフ・スポール
『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
いろんな解釈のできる映画ならではの語り口の広がり。
って、言葉がクドくなにがだよ!と思われそうですが
観る者にとってこの物語りをどう捉えるか
これは十人十色となる作品ではないでしょうか。
残念ながらワタシは原作をまったく知らないので
どうこう言える立場ではありませんが
緑豊かな浮き島の全景を引きのカメラで捉えた映像が
横たわる人型に見えたところから
砂漠に見える湖のオアシスのパターン?とか。
朦朧(もうろう)とした意識のなかで徐々に死に近づいて行く彼に
神は最後の気力を与える意味で幻想を見せたのではないだろうか。
ということで、あれは実在しない浮き島で(劇中でもそう言ってた)
彼の白日夢であったというふうに思えてしまった。
◇
小説のネタを探していたカナダ人作家は、
パイ・パテルというインド人男性を訪ね、
彼の語る驚愕の冒険譚を聞くことになる――。
インドのボンディシェリで動物園を営む一家に育ったパイ少年。
やがて彼が16歳となったとき、一家はカナダに移住することになり、
パイは両親や動物たちと一緒に日本の貨物船に乗り込むことに。
しかし、途中で嵐に遭遇し、船は沈没。
運良く救命ボートに乗り移ることができたパイだったが、
彼と同じように辛くも逃げ延びたシマウマやハイエナ、
オランウータン、そしてリチャード・パーカーと名付けられた
ベンガルトラと同乗するハメに。
こうして少年パイの過酷な漂流生活がスタートするのだが…。
<allcinema>
◇
カナダ人作家に自分の過去を語りはじめ
それを回想形式で表現されていくのはクリント・イーストウッドの
『父親たちの星条旗』以来だろうか。もちろんワタシのなかで^^;
冒頭からのテンポは正直言って遅く感じてしまった。
予告編で見せるトラとの共存をいかに行ったかに興味津々で
パイやその家族の人間描写が若干クドく感じるほどだった。
少なくともこの辺りをもうすこし削っていたら
前半でダレてしまうワタシのような者もいなかったかも^^;
さて、映像ですが、これは圧巻のひとこと!
どのシーンに於いても一枚の静止画として通用するほど。
荒波、鏡面のような静かな海、蛍光色で光る海の生物
飛び魚、ミーアキャットの群れの行動など
そして最も感心したのが、あのベンガルトラを先頭に
救命ボート内の動物たちすべてをCG再生で表現してるところ。
それまでいくつかの動物モノ、あるいは恐竜など
通常の彼らの動きはスピルバーグの『ジュラシックパーク』から
始まって何度も目にしているんだけど
さすがに今回のような荒波のボート内部という不安定な場所で
動物の動きを表現できたのは凄いとしか言いようがない。
そして、イタリアの砂浜に漂着した直後
227日間、シェイクハウスしたトラが何も言わず森に消えて行く。
ココはパイじゃないけど、せめて何らかの仕草が欲しかった^^;
ワタシとしては、トラが森に入る直前に、ふっと振り向いて
2~3秒後にダッシュで戻ってきて瀕死のパイの顔を舐める。
実話じゃないんだから、それくらいやってあげてくださいよ(笑)
そうしたら、予想通りで涙腺決壊してたかもしれない^^
リチャード・パーカーがもしも
『ダンス・ウィズ・ウルブス』のような狼だったら
ラストのパイとの別れの展開も微妙に違っていたのだろうか。
ネコ科とイヌ科の違いをみるのも面白いかも(笑)
【今週のツッコミ】
・ネコ科動物に見返りを求めてはいけません。
あのラスト、リチャード・パーカーとの別れは
ある意味、硬派な展開だったのかもしれないな~。
・過去を語るパイの話が長すぎると冒頭で思ってしまったが
こんなに凄い経験、伝説化されるほどのことを茶化してはイケない。
・劇中、2回ほど飛び出してくる物体に身を避けてしまった(爆)
・浮島のミーアキャットの無防備さは可愛いが
なにも抵抗せずトラに食べられるってどうよ!
しかも、ボートにトラの餌用のお持ち帰りには引いてしまった。
・あれだけのミーアキャットが生息してるわりに糞が落ちてなかった。
・シマウマくんやオランウータン、ハイエナくんの残骸は?
227日間経ってもボートの内装が綺麗なまんま^^;
・この映画にウンチはおろか、排便するシーンがなかった。
冒険ファンタジーだから、敢えて削除なのだろうか。
・泳ぐリチャード・パーカーの顔が可愛かった。
家の猫とほとんど変わらなかったんだが
あそこでイカダの方に方向転換してきたのに吹き出した。
・個人的に、あの飛びクジラは何の意味があったのか不明。
真横から巨大なクジラが出てきたのに平静だったパイは
神経が図太くなっていた?この辺りはどんなもんでしょ(笑)
・大人になったパイと結婚したのはインドの彼女ではないのね。
・日本の貨物船保険調査員へのふたつめの物語りは
これはこれでひとつのサバイバル映画ではあったが
実際の物語りがどちらであったかは観る側の解釈次第。
ちなみにバナナは水に沈むらしいが。
・ワタシは動物たちと実際に漂流し浮島だけ幻想であったとした。
せっかくパイがあれだけ熱く語ってるんだし。
でも、ふたつめの物語りを僅か2分で語り終えたことにお口アングリ^^
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監督:アン・リー
脚本:デヴィッド・マギー/ディーン・ジョーガリス
撮影:クラウディオ・ミランダ
音楽:マイケル・ダナ
出演:スラージ・シャルマ/イルファン・カーン/アディル・フセイン/
タブー/レイフ・スポール
『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
IMAXで観たかいがありました!(自慢か・笑)
>ネコ科とイヌ科の違いをみるのも面白いかも
なるほど、そうきましたか(笑)
相変わらず楽しいツッコミどころがいっぱいですね(笑)
>泳ぐリチャード・パーカーの顔が可愛かった
同感!あのお顔はネコちゃんでしたよね~
思わず、かわゆい~と心の中で叫んでました(笑)
ミーアキャットは好きなので、かわいそうと思いましたが、まあCGだからいいかと(笑)
↑そういう問題じゃない?(笑)
前半の長さにちょっと退屈もしましたが(^^ゞ、アカデミーノミネート納得の素晴らしい作品だったと思います。
>個人的に、あの飛びクジラは何の意味があったのか不明
これは実際に遭難漂流した人が本作に関わっていて、その方の体験を映像化したものらしいでっせ
公式のsurvval storyに記述がありますね。
>でも、ふたつめの物語りを僅か2分で語り終えたことにお口アングリ
そうよね~、だから2回目に行きたくなる人も出てくるんじゃないでしょうか(→
ココに来て、IMAXで観るべきだったと悔やんでいます(笑)
地元のTOHOでも映像に感激出来たんだから、IMAXだったら相当だったんでしょうね。
森への入口でしばらくじっとしてたのは何か意味ありげでした(笑)
なんだか『シェーン』のオッちゃん思い出したわ(爆)
ミーアキャットって可愛いですね~^^
あれだけの数がいれば1年は普通に食糧難にはならなそう^^;
でも、栄養偏りそうで、、、ってトラにとっては関係ないかな^^
こんな映像見せられたら目が肥えちゃって他の映画が観られなくなりそうです(笑)
は~い、お久です~(笑)
>その方の体験を映像化したものらしいでっせ
へ~!そうだったんですか~(笑)
ワタシは監督のチョットしたサプライズかと思ってましたよ^^;
でも、イルカショーのクジラ版のようで迫力ありました(爆)
公式サイトにはいろんなマル秘記事が多いですよね。
あのリチャード・パーカーという名にまつわる偶然も興味深かった。
kiraさんももう一回行っちゃうんですね^^
それまでにIMAX行こうかな~と思ってます^^
シマウマとかいつの間にか水葬したんだ~って思ったけど、アナザーストーリーでは、サメが、、、って言ってし、結局、糞や残骸がないのも虚構(動物たちではなかった)だからなんだと解釈しましたよ。
島の形は、退屈な前半で出て来た口が池みたいなお釈迦(?)のような形で、歯が出てきたのは蓮の花みたく、インドの彼女が別れに巻いてくれた紐(?)みたいなのも、木の根(?)に結び付けましたよね。
あそこはパイの理性と本能をあらわしてたシーンなのかな~生きるために、おそらくコックの肉も食べたのでは…。
トラが何も言わずに去ったのは、生きるために野生(本能)的になったパイが、そんな自分と決別した姿なんだと思いました。
πのごとく、割り切れず永遠と続くこと…。
トラは自分であり守護神であり神であり、美しいファンタジー映像と語りで描かれる作品に、何をどう信じるか信じないかは、観客次第ということですね。
それでもトラと漂流したと思いたいです!
あっ、イタリアの砂浜ではなく、メキシコじゃなかったですか?
平日のレディーズでご覧になるのね。
ワタシもリピしたいわ~!と言いつつ平日に行けないので『アウトロー』の後になるかも^^;
オリーブリーさんの見解は説得力あるわ~。
確かに考えれば考えるほど奥の深さを感じます。
アン・リーはやっぱり凄い監督さんですね。
この映画って観た後に語り合えるという意味では、過去映画の『ダイアナの選択』に近いモノを感じました(笑)
でも、こちらの方が心を揺さぶられるような心地よさがありますね。
トラは自分の幻影だったという見方には、お~!でした(笑)
そうね、そうだとすればすべての流れが辻褄合いますよ。
>それでもトラと漂流したと思いたいです!
ワタシは後のDVD特典映像か何かでコックや母、船員らのサバイバル映像を見せてもらうまでは
トラとの漂流の方が好きです(笑)
あの作家と同じ気持ちってことですね(爆)
>あっ、イタリアの砂浜ではなく、メキシコじゃなかったですか?
あら~、そうでしたっけ?吹替え鑑賞だったのでまちがえちゃったかも^^;
オーちゃん、流石だわ。大西洋横断っていうか、ヨーロッパまで海流的に見て漂流する訳ないもんね~(恥)^^
リチャード・パーカーの去り方もあれで良かったと思いました。
他の方も仰っていますが、私もリチャード・パーカーはパイが生き残る為の本能の象徴で、パイが助かったことで静かに消えて行ったのだととらえました。
お~!あみさんもそういう方向的見地で捉えたのですね^^
あのトラの存在はパイの本能的部分の象徴でありパイの心の奥底にある理性があのような形になって現れたってことですか。
やはり、この映画は語り始めると奥が深いことに気付かされます。
ワタシ的に冗長に感じてしまった前半こそが実は伏線の宝庫であったということなんでしょうね^^
リチャード・パーカーとの最後の別れの切なさが、これで納得できそうです。
なんか、今さらだけどちょっとスッキリしちゃいましたよ^^
なんて表現もあったでしょうが、そんなことにトラわれないで無愛想に去っていく方が好いです。
3D映像に、虎肌が立ちました。(^^ゞ
鳥肌ならぬ虎肌でしたか~(笑)
虎は去る!下手に顔なんか舐めてくれたら、そのままガブリ!かと緊張しちゃいますもんね(笑)
あそこの場面はアレが正解でしょうか^^
3D映像に関しては過去最高の完成度でした。