評価★★★
編集局内の鬼気迫る演技合戦は見ものだったが・・・
1985年8月12日。
群馬県北関東新聞社に遊軍記者として働く
やんちゃな坊や(堤真一)がいた。
社内の登山サークル“登ろう会”の仲間で
販売局所属の親友と共に、
谷川岳の衝立岩登頂に挑もうと準備を進めていた。
そのとき
通信社のニュース速報が社内に響き渡る。
「東京発大阪行きの日航123便が
横田基地の北西数十キロの地点でレーダーから姿を消しました。
長野・群馬の県境に墜落した模様。繰り返します」
「日航123便の乗員、乗客は524人。繰り返します。
日航123便の乗員・乗客は524人」
にわかに興奮の坩堝と化す編集局。
単独の航空機事故としては人類史上最大のものである。
この未曾有の事故の全権デスクを命じられたのは
一匹狼の遊軍記者・悠木(堤真一)だった。
この事故を追いかける地元新聞記者たちの狂気と興奮の1週間を描く。
凄かったです。
地元紙の報道合戦は当然として
混乱する社内の様子や
それまでの編集部内での確執などが露骨に出てきて
悠木が全権となったことへの嫉妬で
情報など妨害工作をする。
締め切り時間まで1分1秒の世界である。
時間に追われる緊迫した空気。
舞台となる新聞社、フロアに置かれた数台のカメラが
慌ただしく動く人物を本物の臨場感で捉える。
編集局内の社会部、政経部、整理部、地域報道班など
あちらこちらで動き回り台詞の応酬合戦だ。
各部署のなかでも
社会部・部長の等々力(遠藤憲一)が悠木との確執に吠える。
いいですね~!成りきってますね。
そのデスクの田沢(堀部圭亮)の嫉妬する演技。
県警キャップ(記者クラブ)の佐山(堺雅人)。
政経部・岸(田口トモロヲ)。
整理部・亀崎(でんでん)と部員・吉井(マギー)など
この個性豊かな顔ぶれは、脇を固めるには最高の布陣だと思った。
他新聞社との報道合戦だが
地元の事故というプライドだけは全員の一致する思いだった。
部長の等々力とてそれは同じだ。
新聞作りは記事が先かスポンサーが先かで
大モメするシーンや一面の中曽根首相の靖国参拝記事と
日航事故の写真の対比にシャレを利かすレイアウトなど
普段、何気に読んでいる新聞ですが
この映画を観ると新聞作りの大変さがよく分かります。
特に今回のような各メディアが取り上げるような
大きな事件事故になればなるほどスピードと正確さが問われる。
それと、勇気!
躊躇したばっかりに他社に“抜かれる”こともある。
この映画、
新聞社局内の人間模様だけで十分にひとつの作品として成立する。
この事故に関する新聞報道だけを挙げるなら
評価は満点(★★★★★)であった。
サイドストーリーに、主人公の悠木の父子関係と
販売局員の友人・安西(高嶋政宏)が社長のスキャンダルの
フィクサー(もみ消し屋)をする理由など
いまいち中途半端な描かれ方で意味不明であったのが残念だ。
ラストでニュージーランドに出向いたところなど
息子との最後の会話となったターミナルでの
少ない会話だけで理解しろと言っているようなもの。
興奮と狂気に満ちた新聞社のすべてのカットが良かっただけに
この辺りは非常に残念でした。
----------------------------------------------------
監督:原田眞人
脚本:加藤正人/成島出/原田眞人
撮影:小林元
音楽:村松崇継
出演:堤真一/堺雅人/遠藤憲一/田口/トモロヲ/堀部圭亮/マギー/でんでん/高嶋政宏/山崎努
『クライマーズ・ハイ』
編集局内の鬼気迫る演技合戦は見ものだったが・・・
1985年8月12日。
群馬県北関東新聞社に遊軍記者として働く
やんちゃな坊や(堤真一)がいた。
社内の登山サークル“登ろう会”の仲間で
販売局所属の親友と共に、
谷川岳の衝立岩登頂に挑もうと準備を進めていた。
そのとき
通信社のニュース速報が社内に響き渡る。
「東京発大阪行きの日航123便が
横田基地の北西数十キロの地点でレーダーから姿を消しました。
長野・群馬の県境に墜落した模様。繰り返します」
「日航123便の乗員、乗客は524人。繰り返します。
日航123便の乗員・乗客は524人」
にわかに興奮の坩堝と化す編集局。
単独の航空機事故としては人類史上最大のものである。
この未曾有の事故の全権デスクを命じられたのは
一匹狼の遊軍記者・悠木(堤真一)だった。
この事故を追いかける地元新聞記者たちの狂気と興奮の1週間を描く。
凄かったです。
地元紙の報道合戦は当然として
混乱する社内の様子や
それまでの編集部内での確執などが露骨に出てきて
悠木が全権となったことへの嫉妬で
情報など妨害工作をする。
締め切り時間まで1分1秒の世界である。
時間に追われる緊迫した空気。
舞台となる新聞社、フロアに置かれた数台のカメラが
慌ただしく動く人物を本物の臨場感で捉える。
編集局内の社会部、政経部、整理部、地域報道班など
あちらこちらで動き回り台詞の応酬合戦だ。
各部署のなかでも
社会部・部長の等々力(遠藤憲一)が悠木との確執に吠える。
いいですね~!成りきってますね。
そのデスクの田沢(堀部圭亮)の嫉妬する演技。
県警キャップ(記者クラブ)の佐山(堺雅人)。
政経部・岸(田口トモロヲ)。
整理部・亀崎(でんでん)と部員・吉井(マギー)など
この個性豊かな顔ぶれは、脇を固めるには最高の布陣だと思った。
他新聞社との報道合戦だが
地元の事故というプライドだけは全員の一致する思いだった。
部長の等々力とてそれは同じだ。
新聞作りは記事が先かスポンサーが先かで
大モメするシーンや一面の中曽根首相の靖国参拝記事と
日航事故の写真の対比にシャレを利かすレイアウトなど
普段、何気に読んでいる新聞ですが
この映画を観ると新聞作りの大変さがよく分かります。
特に今回のような各メディアが取り上げるような
大きな事件事故になればなるほどスピードと正確さが問われる。
それと、勇気!
躊躇したばっかりに他社に“抜かれる”こともある。
この映画、
新聞社局内の人間模様だけで十分にひとつの作品として成立する。
この事故に関する新聞報道だけを挙げるなら
評価は満点(★★★★★)であった。
サイドストーリーに、主人公の悠木の父子関係と
販売局員の友人・安西(高嶋政宏)が社長のスキャンダルの
フィクサー(もみ消し屋)をする理由など
いまいち中途半端な描かれ方で意味不明であったのが残念だ。
ラストでニュージーランドに出向いたところなど
息子との最後の会話となったターミナルでの
少ない会話だけで理解しろと言っているようなもの。
興奮と狂気に満ちた新聞社のすべてのカットが良かっただけに
この辺りは非常に残念でした。
----------------------------------------------------
監督:原田眞人
脚本:加藤正人/成島出/原田眞人
撮影:小林元
音楽:村松崇継
出演:堤真一/堺雅人/遠藤憲一/田口/トモロヲ/堀部圭亮/マギー/でんでん/高嶋政宏/山崎努
『クライマーズ・ハイ』
こう暑さが続くとクーラーのきいた部屋でビデオを観るのが最高の楽しみ?となりそうな私です。
「クライマーズハイ」・・これはとてもおもしろそうですね。観てみましょうっと♪
長回しとか、視点の移動による自在なカメラワークとか、色々やってるんでしょうか(・ω・)
報道局ネタは、いつか三谷幸喜さんが(自作映画で)取り上げはりそうな気もしますね(もう舞台劇なんかでやったはるかも知れないが、、)
暑中お見舞いありがとうございます。
今年は、ほんとに暑いですよね~
>こう暑さが続くとクーラーのきいた部屋でビデオを観るのが最高の楽しみ?となりそうな私です。
それは言えてますね。3日間くらい仕事のことを考えずに涼しい部屋で映画三昧と行きたいところです。
>「クライマーズハイ」・・これはとてもおもしろそうですね。観てみましょうっと♪
記事にも書きましたが、編集局内の臨場感は素晴らしかったです。これ観て涙が止めどなく溢れてきたという方もいらっしゃいます。
>群像劇的な画面づくりに興味津々ですね。
この映画は85年当時の通信手段が面白いな~って思いました。
群像劇ですね。まさしくそれです。
墜落現場行きを指示された(名乗り出たともいう)堺雅人らが実に良いんです。
>長回しとか、視点の移動による自在なカメラワークとか、色々やってるんでしょうか(・ω・)
カメラワークは邦画では最近のなかでいちばん良かったと思うし、ハリウッド映画の社会派映画と比べても遜色ない出来上がりだと感じた次第です^^
>報道局ネタは、いつか三谷幸喜さんが(自作映画で)取り上げはりそうな気もしますね(もう舞台劇なんかでやったはるかも知れないが、、)
主演は佐藤浩一なのかな~。
実は、2年前に佐藤浩一主演でスペシャル番組でテレビで放送してます。
前篇後編仕立てで4時間ものだったらしいんですが・・。
これこそ三谷幸喜監督にやってもらいたいです。
そうでしたね。
堤さん自身、先行ドラマの存在には、プレッシャーも感じはったことでしょうね。
見比べてみるのも楽しいかもしれません。
今回の映画の脇役と言われる俳優さんたちが
本当の新聞社の社員に見えるから凄いな~って思いました。
県警キャップの堺雅人氏は要注目俳優です^^
友人が貸してくれたDVDで観ました。
確かに、全てをきっちりと描ききるには145分では足りなかったのかもしれません。
なので私も、本作は新聞社内での様々な人間&社会ドラマと感じながら観続けました。
その観点で観れば非常に面白く鑑賞できたと思います。
遠藤さんが凄く存在感ありました。(*^_^*)
この映画観たのが約2年前というのが嘘みたいです。
まだ、その時のいろんなシーンが蘇ってくるからです^^
こういう緊迫した空気のなかで瞬間的判断を迫られる新聞社って凄いな!と思ったものです。
なんで個人的評価が“普通”だったんだろう?と思ったら
アレでしたね^^:
ニュージーランドに行っちゃったんですね^^
遠藤さんは上手いですよね!
迫力あるキャラクターは、ほんと嵌まり役だったと思いましたよ^^