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映画でシミュレーションしておけば何処かで役立つはず

散歩する侵略者

2017年09月10日 09時26分30秒 | 映画 さ行
評価:★★★【3点】




こういう映画は決してアクションシーンを見せてはならない。
最後まで静かな流れで突き進んでもらいたかった。




日本海に面した小さな港町。
ここに暮らす加瀬鳴海のもとに、数日間行方不明となっていた夫
真治が帰ってくる。
鳴海は夫の浮気を疑うが、性格が一変してしまった夫の様子に困惑する。
やがて夫は会社を辞め、毎日散歩するようになる。
その頃、町では謎めいた一家惨殺事件が発生し、
不可思議な現象が頻発していた。
ジャーナリストの桜井は、偶然出会った奇妙な青年・天野に興味を抱き、
彼とともに事件のカギを握る女子高生・立花あきらの行方を追う。
そんな中、真治から
“自分は地球を侵略に来た宇宙人だ”と告白される鳴海だったが…。
<allcinema>



ミステリー要素としてまず気になるのが急変してしまった夫の性格。
意味不明な行動を取り始める不可解さなど
なぜなぜ解析としてグングン引っ張れる面白い部分があるのに
結果的にチープな銃撃戦や世界の終末的CG映像のお陰でイッキに冷めた!

鑑賞前、過去に『大怪獣東京に現わる』というタイトルにも関わらず
一切怪獣を登場させないユニークな映画があったことを思い出した。
これは怪獣が突如出現したときに人間はどのような行動をとるのかという
ある意味、完全なるシミュレーション型映画として確立されていた気がする。

当然この映画もそういった類のミステリー映画として期待したが
なんだかな~、無理にアクションシーンを盛り込んでくるから
心理的要素がそこで一旦途絶えてしまうのだ。
できれば、劇画調タッチは封印させ演出だけで貫き通してほしかった。

長澤まさみや松田龍平の演技が良かっただけに惜しい気がする。


【今週のツッコミ】

・テレビ中継車のレンタルというものがあったのね。
 ちなみに料金は70万円/日というサイトがありました^^;

・冒頭の一家惨殺事件の件までは期待させるものがあり良かったが
 やはり終盤でイッキにアクション映画に成り下がってしまい…。

・長澤まさみが夫にイラつく演技が素晴らしい!
 ワタシも彼女にあんな風にされてみたいわ(笑)
 
・ドローン攻撃のところは宇宙人抹殺をよそに一人の民間人に向けられる。
 国家政策のチグハグな面も失笑してしまう。

・劇中に何度も言葉にしていた「侵略」「滅亡」なのだが
 言葉からくる不安感や恐怖感などもうひとつ伝わってこない。

・にしても宇宙人に体を乗っ取られた松田龍平は素のままの雰囲気。
 こういうひょうひょうとした役は彼の十八番か(笑)
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監督:黒沢清
脚本:田中幸子/黒沢清
音楽:林祐介
出演:長澤まさみ/松田龍平/高杉真宙

『散歩する侵略者』
 


コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
侵略 (kossy)
2017-09-13 20:13:26
侵略するのが人間の概念だけの方が面白かったような気がします。
宇宙人が一斉に概念だけを攻撃して、
人類はみな若年性アルツハイマー状態のような・・・
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kossyさんへ (ituka)
2017-09-13 20:45:02
まったくもってその通りなんですよ~
チョット前の『メッセージ』のような素晴らしいSF映画を望んでいたんですけどね^^;
そういえば職場の同僚が「徘徊する侵略者」と邦題を間違えてましたが
思えばそういうのも一理あるな~でしたよ^^;
返信する
初めまして、こんにちは。 (メスメリックス)
2017-11-03 09:38:53
本作は、黒沢清監督のフィルモグラフィーから考えると、近年の作品よりも、寧ろ「勝手にしやがれ‼」シリーズの頃のテイストに近い、という事でしょうか?
返信する
メスメリックスさんへ (ituka)
2017-11-03 17:30:20
この映画の記事に関して他のブロガーさんが
そのような表現をされていたのを読んだことがあります。ただ、ワタシは黒澤清監督作をほとんど観てないので
詳しいことは分からないです。
返信する

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