ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

Mary Balogh: The Proposal & The Secret Mistress

2013年08月31日 | B

お久しぶりー!のレビューです!

ワンパターン化してきたような気がして避けていたMary Baloghの作品ですが、
やっぱり新シリーズはムシできないでしょ!


コテコテのリージェンシーの世界を与え続けてくれるM.バローグ。
勢いは衰えてないとは思うんだけど、Slightlyシリーズのようなスパークが弱くなったような。

今回の新シリーズはヒーロー/ヒロインがなんらかの障害を持っていますが、こういう設定に抵抗感を持つ読者もいるようです。


 The Proposal (2012) 

新シリーズThe Survivors' Clubの1作目。


ヒロインとヒーローがお互い最悪な第一印象から、徐々に愛の気持ちへと変わっていく使い古されたパターン。
ここでバローグなら彼女独特のツイストを加えてくれる…と期待するところですが、イマイチ盛り上がりに欠けました。

Gwendoline(Lady Muir)は、若くして夫を亡くして以来7年間、浮き沈みのない平穏な日々をすごしてきましたが、ある日社交界デビューした当時の知り合いから、夫を亡くして寂しいと手紙が届き、しばらく彼女のところに滞在することになりました。

全く再婚する意思などなかったGwenですが、滞在先の近くのビーチを散歩中に、岩場で足をくじいてしまい、Lord Trenthamに助けられます。
彼とのこの劇的な出会いがきっかけで、Gwenの短かった結婚生活やその後の"平凡"な生活からは感じえなかった感情が彼女の中に沸き起こります。

一方、Hugo(Lord Trentham)はLady Muirのことを、美しいが甘やかされて中身のない貴族令嬢だろうと決め付け、彼女の魅力に惹かれながらも近づく気はありません。
というのも、Hugoの貴族称号は代々世襲されてきたものではなく、お金持ち商人の息子が戦争で手柄を立てたのでもらったもので、貴族には偏見があったのです。
が、貴族になったからには花嫁をもらい跡継ぎを生むようにと周りからプレッシャーがかかっていました。
Lady Muirの住む上流社会を毛嫌いするHugoは、彼女と交際するなんてありえないと思う一方、こんなにもこの女性を自分のものにしたいと思ったこともありません。

結婚に関してはとても用心深くなっているGwenと、女性に対してとても不器用なHugo。
それに加え、社会層の違いというのが二人の溝を深めていますが、お互い話し合い譲歩しあってその溝を埋めていきます。
BaloghならではのH/Hのダイアログが冴えていましたが、ロマンスはドキドキ感に欠けます。
                              
                             


 The Secret Mistress
 (2011) 

こちらはミストレストリロジーの1作目です。
(上のSurvivors' Clubとは関係ありません。)

More Than a Mistress と No Man's MistressはこのブログのSpotlight on Mary Baloghで簡単に紹介してあります。
 

*Spotlight on Mary Balogh記事中に、More than a mistressのカットされたエンディングへのリンクがありますが、リンク先のバローグのウェブサイトから削除されておりもう読めません。*

今回のこのThe Secret Mistressは短編でもよかったんじゃないかと思うほど単調で、変化のないお話でした。

Lady Angeline Dudleyは由緒正しい家系の出身のため、結婚相手もそれ相応でないといけないというのは物心ついた頃から意識していました。
しかし自分の兄弟達のようなワイルドな男性には辟易しているので、Angelneは心の奥底では実はやさしくて穏やかな男性と平凡な結婚を望んでいます。
運よく(?)、Angelineは嫌な男から迫られているところをHeyward伯爵(Edward Ailsbury)に助けられます。
伯爵はAngelineがまさしく理想とする実直な紳士。
Angelineはこの人に決めた!となりますが、果たして伯爵を振り向かせることができるでしょうか…。

Edwardも自分の家系を受け継いで子孫を残すためには、伯爵家に相当するきちんとした家柄の貴婦人と結婚しなければいけないと思っています。
忠実で人を尊重し、礼儀作法が成っているとてもよくできた貴婦人と。

が、ロンドンに到着するや否や、Angelineに出くわします。
とても美しく華麗なAngelineに魅惑されますが、彼の穏やかな生活を脅かしかねない存在でもあります。

Angelineはのファッションは派手で立ち居振る舞いはおてんばそのもの。
こんな女性とは結婚できないと思うEdwardですが、ある月夜の晩に交わしたキスでEdwardの中で何か変化が起こります…。
なんにせよ、女性にキスをしたからには紳士としては結婚しないといけない、ということで、Angelineに結婚を申し込みますが…。

                           

このThe Secret Mistressは随分前に読みましたが、あまり印象に残っていません。
愛人というよりは、結婚後「愛人のように情熱的に振舞って夫の心を奪う」というような筋だったと思います。
Mistressシリーズなのに厳密にはMistressではないんですよね。

今思うと、このトリロジーの中で一番私が気に入っているのはNo Man's Mistressです。
ハートマーク3つではなくて、4つか5つでもよかったんじゃないかと思うほど印象に残ってます。


The Huxtable Quintet 1,2,3

2011年09月28日 | B

Mary Balogh.
Dell Historical Romance.

Huxtable5連作のうち1、2、3作をまとめて。
Huxtable家の姉妹と弟、そしていとこのシリーズです。

どこかのレビューサイトで「ロマンス小説の女王」とまでうたわれるM.Baloghですが、今回の5連作はBedwynシリーズほどではありません。


1.First Comes Marriage.
第一弾は、Balogh大ファンの私の期待度をちょっと裏切って「ふぅ~ん」って感じのハートマーク3つ。

Elliott Wallace, Lyngate子爵, は親戚の遺言でまだ若く思いがけずもMerton伯爵領を継ぐことになったStephen Huxtableの後見人になってしまいます。
そこで、もしStephenの一番上の姉が自分と結婚すれば、その妹達を社交界デビューさせることができるし、自分もそろそろ結婚しなければいけないしと色々と考えを巡らせた結果、早速Huxtable姉妹と弟が住む田舎へと赴きます。
未亡人である次女Vanessaは、すぐにLyngate子爵の意図を察します。ですが失恋して心を痛めている姉を気遣い、なんと自ら子爵に結婚を申し出ます。

一度目の結婚も自分の人生を犠牲にするような部分もあった優しいVanessaと、無愛想で厳しいLyngate子爵のお話は、あらすじは「おっ」と思ったけど、情熱に欠けます。
BaloghらしいH/Hの会話はたっぷりだけど、二人のロマンスは記憶に残りません。
あと、Vanessaが姉と妹に比べると美人ではないということを強調しすぎなので、一体どんな醜い風貌なのかと思うほどです。(実は「普通」と言いたい?)


2.Then Comes Seduction.
               

Jasper Finley(Montford男爵)は自他共に認めるロンドン一の放蕩者。そんな25歳の時、友人同士の賭けのために、社交界でも一番純粋で誠実でしかも美しいKatherine Huxtableを誘惑しようとします。
が、Jasperは賭けに負け、ロンドンを去ります。
3年後、JasperとKatherineは再会するや否や、またこの二人をめぐって高額の賭けがあちこちで始まり、Katherineにとっては最も避けたいスキャンダルに巻き込まれるのも時間の問題に。 
スキャンダルを避けるには結婚しかない二人だけど…。

1作目よりもH/Hのロマンスは読みがいがあります。
賭けに負けたことがないことが自慢だったJasperと、いつもいつも「ちゃんとしている」KatherineがJasperの魅力の虜になりそうになったことが、お互いの後々の人生にすごく影響を与えているところが、全体を通して、私の中では印象に残っています。



3.At Last Comes Love.
               

Margaret Huxtableは30歳。妹達は結婚したし、自分も昔のことは忘れ、やっと結婚しようという決心をします。
毎年求婚をしてくれていた紳士がいたので、今年の社交界シーズンでは絶対に受け入れようと、期待満々でロンドンに到着。が、そこでまず会ったのは、昔自分を裏切って他の人と結婚し、今ややもめとなっていたCrispin Dew。さらに悪いニュースは続き、今年も求婚してくれると思っていた紳士は別の女性と婚約。
動揺していたMargaretはある舞踏会で、よく前をみずにいたらSheringford伯爵にぶつかります。
Sheringford伯爵は5年前、自分の花嫁を結婚式当日に教会に残し、花嫁の兄の妻と海外逃亡したという過去の持ち主。そんな大スキャンダルを起こした彼は社交界ではもちろんうけいれらていません。
が、ある理由からSheringfordはどうしても早く花嫁を見つけて結婚しなければいけません。
少し酔っ払っていた勢いから、自分の胸に飛び込んできたMargaretに求婚。
そして驚いたことにMargaretはOKします。

実はその後、Margaretはあまりにもやりすぎたと考え直し、伯爵に事情を説明しますが、とにかく伯爵は結婚しなければいけません。
短期間だけど、Margaretと伯爵は二人の関係がどうなるかと交際を始めます。

私はこの3作目でやっとBaloghらしいロマンスを読むことができたと思いました。
伯爵が素敵です。彼の人柄ゆえに起こった過去の大スキャンダルの原因が少しずつ明らかになっていきますが、すべて分かった時には泣きました。
初恋の相手Crispin Dewも結構しつこくて期待を裏切りません。(笑

                             

Bedwynシリーズと比べると、最近のBaloghのお話にはパンチがないのですが、ロマンス小説専門店のお姉さんのお話では5作目"A Secret Affair"は良かったとのこと。
じゃ、私もこのまま読み続けていこうかと思います…。

Huxtableシリーズ:4作目は弟Stephenのお話。5作目はいとこで、Stephenがいなければ伯爵領を継いでいたConstantineのお話。1,2,3作にStephenもConstantineももちろんチョロチョロ出ていたのですが、私はConstantineのほうが興味を惹かれます…。

4.Seducing an Angel
5.A Secret Affair


Chivalrous Rake, Scandalous Lady

2011年09月01日 | B

Mary Brendan. 2010. Chivalrous Rake, Scandalous Lady. Harlequin Mills and Boon.

            




美しいMiss Jemma Baileyは過去のスキャンダルから、上流社会を避け静かな生活を送っていました。
が、後見人でもあるいとこが、数年前のJemmaの社交界デビュー時に求婚したけど断られた紳士達(で未だ未婚)に手紙を出します。
その内容とは、もう一度Jemmaに求婚するよう願うものでした。

Marcus Speerもその手紙を受け取った紳士のうちの一人。
Jemmaとはかなり熱心に交際をしたけど、最後の最後で断られ、心もプライドも傷ついていました。
あれから数年たち、この手紙を受け取った頃には婚約者も決まっていました。
手紙を読んで、今さら、と怒りがこみ上げます。あの男をもてあそぶJemmaは一体何をたくらんでいるんだろう、とJemmaの後見人の屋敷へ向かいます。

再会した二人は過去の気持ちが甦りますが、Marcusのプライドはあまりにも傷ついており、彼女を誘惑した後に捨てて過去の復讐をしてやろうと心に決めます。

                     

聞き覚えのあるタイトルで「これ、読みたかったっけ?」と思い、安かったのもあったので、即買い。
でもやっぱりMills&Boonは物足りないなぁ。
安かったけど、お金返して欲しい。

結構使い古されてるこのお話のパターン、私は好きです。
でもハーレクインの多くがそうであるように、話に深みがない。
会話もキャラクターも記憶に残らず、何度も裏表紙のあらすじを読んで「あ、こんな話だった」とかろうじて覚えている程度。
読者をがっかりさせない、シンデレラストーリー的なことを重視しすぎてるからかと。


The Heir

2011年02月27日 | B

Grace Burrows. 2010. The Heir. Sourcebooks, Casablanca.

デビュー作にして受賞作!すでに映画化のお話もあるという話題の作品。
最近物足りなさが否めないMary Baloghにかなりのパンチを効かせた感じのこの1作。
オススメです。
Story:          
Dialogue:   
Hero:         
Heroine:      
Sensuality:  

The Duke's Obsession Trilogy(三連作)の1作目。
Westhaven伯爵(公爵家の跡継ぎ)は早く結婚しろと父親にいつもうるさくせまられうんざりなのに、終いにはもう少しで父親の罠にはめられそうになりがまんの限界に。
ロンドンの社交シーズンも終わり誰もが田舎へ去っていく中、Westhavenはわざと真夏のロンドンに残ることで、家族からも身を隠します。

Westhavenが嬉しいことに、このロンドンの屋敷には有能なハウスキーパーがいて、彼の暮らしを大変心地よくしてくれていました。

が、ある日そのハウスキーパーであるAnna Seatonは、伯爵がメイドに卑猥なことをしていると勘違いし、暖炉の火かき棒で後頭部から背中にかけて力いっぱい殴りかかり、気絶させてしまいます…。

これがきっかけで二人が話をするようになってくると、伯爵はAnnaが召使のような身分の者にしては教養があり上品すぎ、上流の生まれだと気づきます。

二人の距離が縮まるにつれ、WesthavenはAnnaこそが、自分だけでなく公爵である父も満足のいく花嫁になるのではと思い始めます。

しかしAnnaには誰にも言えない秘密がありました。
どれだけ伯爵を愛していても、Annaは誰とも結婚できないのです…。

             

召使の身分(ではないんだろうとはみんな思ってたけど^^;)の女性を、公爵家の跡継ぎの花嫁にふさわしいと誰もが歓迎するところとか、ラブシーンは「え?」なところもあったりと、ところどころ気になる細かい点はあるのだけど、そんなところも吹き飛ばしてしまうほどの情熱の一冊。

後半、伯爵のAnnaに対する猛アタック、いいっす。

様々な分野の作家達が集まり記事を掲載している"Suite101.comというブログでG.Burrowsがインタビューを受けてます。

作者自身はTVもDVDプレーヤーも持っていないので、映画や俳優のことには詳しくないとはいいながらも、ヒロインにはアン・ハサウェイのようなケバさのない美しさがあり笑顔が魅力的で、活気あふれる子を、そしてヒーローにはマシュー・マコノヒーのような存在感あって印象が強い人がいいかも…なんて言っています。

どんな人がいいか気持ちははよく分かったけど、その俳優・女優の選択に作家さんの浮世離れが見て取れるような…。
配役にはその道のプロとじっくり話し合いをしてほしいところです…。


今回の作品でもいい感じで出てきてる伯爵の腹違いの兄がヒーローの"The Soldier"がG.Burrowsの次の作品。2011年6月頃に出版予定。
3作目は伯爵の弟でピアノの天才、Valentineのお話"The Virtuoso"(予定)だそうです。
楽しみ~


How to Enjoy a Scandal

2009年11月11日 | B
Adrienne Basso. 2008. How to Enjoy a Scandal. Zebra.



双子JasonとJasper Barringtonの連作で、How to enjoy a scandalは2作目、弟Jasonのロマンス。

JasonとJasperは何でもやらかすワイルドな双子として有名だったけど、Jasperは爵位を継承して以来大人に…。
Jasonもそれに触発され、自分も何かに役立つ大人になりたいと、兄のふりをして家族の邸宅内で起こる怪しい出来事を捜索しに行きます。

兄Jasperが結婚したニュースは田舎まで届いておらず、邸宅周辺のお嬢様方が我先にとわんさかJasperのふりをしたJasonに群がります。
ある晩、Jasonと同じベッドにいるところを見つかれば(強制)結婚できると謀った女の子が彼のベッドに忍び込みます。

びっくりしたJasonは目が覚めると、その女の子だけではなく、ちょうど彼女を連れ戻しに来た姉も部屋にいることに気づきます。
その時からJasonはその姉のほうGwendolyn Ellinghamに片思いし始めます。

あるスキャンダルによってGwendolynは社交界では受け入れてもらえません。
でもそんな運命がかわいい(けど突発的に行動する)妹たちに降ってかからないように面倒を見るのが彼女の役目。

妹の一人がFairhurst子爵に身を投げたかと思いきや、もう一人の妹はその邸宅内の怪しい出来事と絡んでいると分かり、妹達をトラブルから守るには自分もJasonの側に身を置くしかありません。

自分の良い面を引き出してくれるGwenに近づきたいJasonに対し、Jasonの魅力のせいで自分を社交から追放したスキャンダラスなうわさどおりの事をしてしまいそうなGwen。それに彼女の隠された孤独な心もJasonを求めてしまいます…。

                      

双子が入れ替わって…、というお話はありきたりに聞こえるけど、ロマ小で出会ったのはこれでほんの2度目か3度目。バレた時の「裏切られたワ!」という時限爆弾付き。
ホントありきたりの筋書きだったけど、充分楽しめる1冊!

So Enchanting

2009年10月16日 | B

Connie Brockway. 2009. So Enchanting. Oynx.

オンラインでは好評で結構話題になってたので。
ビクトリア期もの。




Greyson Sheffield(侯爵だったっけか?)は霊媒師と呼ばれる人たちの種明かしをしロンドン社交界からの追放に力を注いでいます。

夫が霊媒師であったFrancesca Brownの人生も彼のおかげで台無しにされました。
Francescaはその後、超能力があると思われるAmelie Chaseという少女の家庭教師となり、スコットランドへ姿を消します。

それから6年後、Greysonはスコットランドのとある町に魔女がいるとのうわさを聞き、Francescaの住む町へやってきます。
Greysonが驚いたことには、魔女だとうわさされる少女の家庭教師があのFrancesca Brownだったのです。

インチキ霊媒師の夫を追放して以来、実はずっとFrancescaの妖精のようなイメージを忘れられずにいたGreyson。
Francescaもカリスマ性あふれるGreysonを覚えていました。

Amelieの命を狙うことを示唆した謎のメモが見つかるなど、ミステリーでお話を盛り上げています。

Wallpaperヒストリカルで最後はドタバタだったけど、十分楽しめました。


First Comes Marriage

2009年05月14日 | B
Mary Balogh. 2009. First Comes Marriage. Dell.

以前どこかで「3連作、+新刊」と言ったんだけど、Huxtable家の3姉妹と弟のお話、4連作です。
First Comes Marriageは1作目、次女Vanessaのお話。

Story:      
Dialogue: 
Hero:        
Heroine:   
Sensuality:


今回のバログは、ちょっと勢い落ちてます。
なんだかロマンス読者向けというよりは、高齢者向けのちょっと恋愛アリのヒストリカルドラマを見ているようでした。
情熱的なロマンスとか、ものすごくロマンチックなお話を求めるならこのお話は満足がいかない読者もいると思いますヨ。

H/Hは最近使い古されてきた「第一印象最悪」から始まります。

未亡人Vanessa Huxtable Dewが暮らす静かな田舎ThrockbridgeにElliot Wallace(Lyngate子爵)が突然訪れます。
位の高い貴族にはお目にかかったことがない村の人たちは大騒ぎ。子爵はしかも花婿候補No1のハンサム。

ここから本の裏表紙に書いてあるようにElliotがVavessaの姉にプロポーズするのを阻止するためにVanessa自身が彼にプロポーズするという展開に至るまでかなりあります。

連作の1作目のせいか、Huxtable家の人物紹介、どんな環境で暮らしているかなど、なかなか本題に入らず、どこからロマンス小説になるんだろうと思うほど。

Elliotが村を訪れた理由からはじまり、どうしてVanessaが彼にプロポーズするに至ったかはネタばらしになってしまうかもしれないので、お話を読んで下さいね。
                    

後半やっと本題に入っていきますが、今回はヒーローにあまり魅力を感じなかったので、ドキドキ感も希薄。
Elliotの性格や心情をもっと詳しく出してくれないと、なんでこんなにもVanessaのことを悪く思うのか読者がうんと想像力を働かせないと、なんでElliotが最終的にはVanessaのことを好きになったのかわからない程でした。

それでもこのお話にハートマーク3つあげたのは、先にも書いたように、「ロマンスありの質のいいヒストリカルドラマ」を見ているようだったから。

もう一つ良い点。
Vanessaは美人姉妹にはさまれ、親まで『親しみをこめて』"Plane Jane"と呼ぶほど美人でもなければブスでもない、でもこれといって印象的でもない、というあまり自覚はないけどコンプレックスを持っています。
「救われた」と感じた瞬間は、そんなVanessaのコンプレックスを打ち破り、内から湧き出る彼女の魅力を見出したElliotのセリフでした。


やたらめったら「幸福とは何か」、「人を愛すること」と「異性を愛すること」の違いとか哲学的な話が多くて、良いは良いんだけど、ロマンス小説ではなく人生について考えさせられる一冊でした。

Book2: Then Comes Seduction (三女Katherineのお話)
Book3: At Last Comes Love (長女Margaretのお話)
Book4: Seducing an Angel (弟Stephenのお話)

A Rogue's Game

2009年02月03日 | B
Renee Bernard. 2008. A Rogue's Game. Pocket Books Romance.

Mistress Trilogy(だと知らなかったけど)3作目。

Story:       
Dialogue:   
Hero:        
Heroine:    
Sensuality: 

愛らしいEve Reynoldsは表向きは社交界にデビューしたての若いレディー。
でも実はカードギャンブルの才能があり、ロンドン社交界のお金持ち貴族達からお金を巻き上げるために腹黒い叔父から利用される生活を送っていました。

そんなナイーブな振りをしてお金を巻き上げるEveのことを見抜いたのは、社交界でも有名な遊び人で自身もギャンブラーであるJulian Clay(1作目では悪者のWestleigh伯爵)でした。

Eveの美しくも激しい性格が映し出されたまなざしに惹かれ、Julianは彼女を自分のものにしたくなり、彼女を勝ち得るためならどんなことでもためらわない覚悟。

Eveの叔父はEveをお金持ちの貴族と結婚させようと画策する一方で、実はEveは巻き上げた賞金から少しずつ自分のお金を貯めていました。
叔父の元から離れ、一人でひっそりと暮らすのがEveの夢だったんです。

                

何ヶ月も前に読んだので何を思ったかは覚えてません。
それだけ印象に残っていないってことなんでしょうね。

でもアマゾンでは自分の評価は☆☆☆となっているし、これを読んで損したとは思ってないので、そこそこ楽しめたんだと思います。


Mistress Trilogy
Book1: A Lady's Pleasure (←ホットで、オススメ)
Book2: Madam's Deception


Under the Mistletoe

2009年01月23日 | B
Mary Balogh. 2008. Under the Mistletoe. Signet Eclipse Historical Romance.

5話入った短編集。

クリスマス休暇中にちょうどいいやと思って買って、クリスマス前に読み始めたんですけど、これでもか!という程「クリスマスだからこそ愛という奇跡が起こる」みたいなメッセージが前面に出てて、かなりくどい…。

途中でやめて他のものを読んでたんですが、クリスマスも終わり、せめて周りの雰囲気だけでもくどさがなくなったので、つい最近残りを読み終わりました。

評価は、一気に読もうとするとくどいので最初はかなと思ったけど、それでもやっぱり、短編と言えどもBaloghの泣かせる純粋なロマンスには圧巻。
ということで、


1.A Family Christmas
親同士が決めた結婚をした夫婦のお話。子供までいるのにかなりの距離がある2人ですが、結婚1年後のクリスマスをきっかけに、本当の愛を見つけます。

2.The Star of Bethlehem
これも冷え切った夫婦関係のお話。クリスマスの時期に起こった一連の出来事をきっかけに愛を取り戻します。

3.The Best Gift
家族のぬくもりを知らない孤児として育ったある若い女教師が、生徒のシャペロンとしてこの生徒と生徒の叔父のクリスマスに加わることに。

4.Playing House
孤独な侯爵とその幼い娘がクリスマスを過ごしに久しぶりに田舎に帰ってきます。
そこで出会ったのは幼なじみだった村の教会の娘。貧困のため家族がばらばらになる前に、彼女が幼い妹や弟と最後の特別なクリスマスを計画するのに侯爵と娘は惹かれていきます。

5.No Room at the Inn
夫婦関係が冷めた貴族夫婦、若い女性、若い貴族紳士などなど、色々な人がクリスマスイブに悪天候のため小さな旅館に閉じ込められてしまいます。
そこにもうすぐ赤ん坊が生まれそうな若い夫婦が現れ、宿の滞在者達はてんやわんやで出産の手助けをするはめに。そうするうちにそれぞれがクリスマスの本当の意味を学び、愛を見つけます。


これともう一つ、Baloghの短編が入った短編集もあります。
Baloghがホームページで「こういうことをやりたい」と触れた時からずっと楽しみにしていた短編集、"It Happened One Night"。
                    
Stephanie Laurens、Jacquie D'Alessandro、Candice Hernの3人も筆を寄せるこの短編集の基本プロットは全て同じという決まり。

なにかの理由でヒロインが何もない田舎の宿で足止めされ、そこで長年会っていなくてしかも過去にナニかあった紳士と偶然再会する、というのが基本プロット。

基本プロットほとんど無視してロマンス要素ほとんどナシの1話目のS.Laurens以外は、これも短編ながらも満足度高し
私からはです。


さらにさらに、嬉しいBaloghの新刊が続々と出版されるようです!
1作目は2月発売、Huxtable家の人々のお話3連作:
1.First Comes Marriage
2.Then Comes Seduction
3.At Last Comes Love

5月には"Seducing an Angel"も発売だそうで、今年前半はたっぷりBaloghが楽しめそうですね。

>>Spotlight on Mary Balogh 2

A Lady's Secret

2008年11月14日 | B
Jo Beverley. 2008. A Lady's Secret. Signet Book.

Mallorenシリーズ。
侯爵のファンにはちょっとショックな秘密が明かされます…。

Story:        
Dialogue:    
Hero:         
Heroine:     
Sensuality:  

楽しいことや冒険大好きなRobin Fitzvitry、Huntersdown伯爵は、ベルサイユでちょっとつまんない仕事をした帰り道、とある小さな宿で、言葉汚く悪態をついている修道女とであいます。
どうやらわけありで誰かに追われているこの修道女に大変興味を引かれ、英国まで行かなければいけないという彼女を伯爵はエスコートすることにします。

Petra D'Avernioは、修道院で何年も過ごしたは過ごしたけど、本当は修道女ではありません。
母親が亡くなると自分の身に危険が迫り始めたので、英国に住む実の父親に会いに行く旅路でした。

Huntersdown伯爵のことは何も知らないので自分の秘密は決して明かせないけど、彼と旅すればある程度は身の安全は確保できるのではと思い、不安ながら彼のエスコートに同意します。
が、Petraは敵から身を守るだけではなく、魅力的な伯爵のとりこになってしまわないよう心をガードすることも必要となってくるのです…。

                    

ファンには嬉しいマロレンものが続々。
今回のお話は大満足というわけではなかったけど、十分楽しめました。

私はビバリーファンだけど、このブログではあんまりレビューしてないですね…。
でも、このシリーズの"Winter Fire"も読んだので、またレビューしようと思います。

次は09年4月出版予定の"The Secret Wedding"だそうです。

Jo Beverleyのジョージア期ロマンス>>Mallorenシリーズ

The Ideal Wife

2008年07月21日 | B
Mary Balogh. 1991/2008. The Ideal Wife. Signet/Dell.

初版は1991年にSignetから。今年7月にDellから再版されました。
Bedwynシリーズなど最近のもののほうがもっとお話に深みがあります。

Story:          
Dialogue:     
Hero:            
Heroine:       
Sensuality:    


お金持ちの婦人のコンパニオンとして働いていたAbigail Gardinerは、同じ家で働く家庭教師であり友人の女の子をかばったために、紹介状なしでクビにされます。
Abbyは紹介状を書いてもらうため、遠縁にあたるMiles Ripley、Severn伯爵を訪ねますが、受けたのは紹介状ではなく、結婚の申し込みでした。

Milesは最近思いもかけず伯爵領を継いだばかり。急にロンドン社交界で花婿候補No1になってしまっただけでなく、昔からMilesに口を挟ませず彼の人生を取り仕切ってきた母親が選んだ相手との結婚の話が、Milesの知らないところでいよいよ本格的になってきてしまいます。
今年社交界デビューするこのFrancisという女の子は、社交界の華になること間違いなしと言われるほどの美しさですが、高飛車で頭の中はファッションのことだけ。
この先もずっと母親に人生を仕切られたままなうえに、こんな女の子と一生を過ごすのかと思うと、本気で明日の朝一番の船でアメリカに逃亡したくなるMiles。

おとなしくて地味でよく言うことをきく、そんな女性が現われたらその人と真っ先に結婚すると冗談からぬ調子で宣言した次の日、彼の家にAbbyが現われ、本当に結婚を申し込みます。

実は物事考えずに行動してしまうところがあるAbby。これ以上いい申し出はないだろうし、なんといったってMilesの青い目に参ってしまわない女性なんていないだろうと"Yes"と承諾します。


ちょっとコミカル仕立てのこのお話。
Yesと承諾する直前のAbbyの心情はこんな感じでした:
 In addition to being young and fashionable and handsome, in addition to those knee-weakening blue eyes, the man was mad. And was she to pity him or take advantage of him? Abigail wondered.

                                 

"Irresistible"のプロットとよく似ている部分もあったし、Baloghの最近のお話ばかり先に読んでしまっている私にはこのお話には新鮮味は感じられませんでした。
でも、前半は特にコミカルで声を出して笑ってしまうセリフがたくさんあるし、後半は後半で、二人がどんどん恋に落ちていく様子が楽しめました。

Simply Perfect

2008年04月14日 | B

Mary Balogh. 2008. Simply Perfect. Delacorte Press.

あ~、読み終わっちゃった。
Perfectな最終回だったけど、このシリーズが終わっちゃうのは寂しいデス。

Story:        
Dialogue:   
Hero:         
Heroine:     
Sensuality:  

現われるだけで生徒達がシンと静まるほどの威厳を持ち合わせる女学校の校長Miss Claudia Martinと、黒い髪と真っ青な目と笑顔が印象的でよく気が利き誰からも好かれる公爵家の跡継ぎAttingsborough侯爵が出会い、二人の人生はがらりと変わります。

とっても忙しかった一日の終わりにClaudiaは、予告無しに現われた人というのが忌み嫌う貴族 ‐しかも侯爵‐ が待っていると聞いてムシャクシャした気持ちに。
友人の手紙を届けに来てくれたAttingsborough侯爵(Joseph Fawcitt)はとってもフレンドリーで、なんだか余計に腹が立ちます。
そして驚いたことに学校を案内して欲しいと言うので、断る理由もなかったClaudiaはしぶしぶ案内をします。貴族は嫌いだしJosephの人の良さもなんだか薄っぺらに見えてイライラするのに、彼の笑顔や男性としての魅力を無視することができない自分にもさらにイライラがつのります。

Josephが学校に興味を示したのには彼なりの理由があったのですが、彼女の背筋をピンと伸ばした姿と校長としての表情がなんだか忘れられなくなります。

2日後、JosephはClaudiaと彼女の学校の卒業生2人をロンドンへ送り届けますが、そこから二人の人生が複雑に交錯していきます。

でも、二人の絆が深まれば深まっていくほど、Josephの家族が決めた結婚の話が進み、Claudiaの過去の男性も現われたり、上流社会が驚愕するスキャンダルも明らかになったりと、JosephとClaudiaの将来に希望はなくなっていきます…。

                              

Bedwynシリーズ"Slightly Dangerous"のWulfとChristineの立場・キャラを逆にしたようだというコメントをアマゾンで見て、読む前に今回のH/Hのキャラのイメージがなんとなく出来上がってしまってたのですが、読んでみたら今回のH/Hもそれぞれ独特で印象深い人物像が出来上がっていたように思います。

Slightly DangerousのWulfはとっても厳格で冷酷。
実際Christineに心を開いてからも彼の態度は表向きはそんなに変わりません。
家族を思う長兄としてのプライベートの自分も、公爵としての立場と義務を果たす自分(この部分が「冷酷」と勘違いされやすい)もきっぱりと区別がつかないけど全てそれも自分のアイデンティティーの一部なんだ、兄であり公爵なんだということをChristineに理解してもらいたいという部分が印象に残っています。

一方、Wulfの女性版に例えられた威厳のある校長Claudiaですが、私の中ではほとんどイメージは重なりませんでした。
Claudiaが自立したビジネスマン兼教師として過去13年間成功してきた努力の裏には、「女性らしさ」を捨てなければいけなかったんだと告白している場面があります。Josephに何度も「彼女も自分のように実は孤独なんじゃないか」と感じさせたのは、Claudiaは自分のアイデンティティーの一部、女性である部分を押し殺してこなければいけなかったことにあるんです。
そして、Josephとの出会いと彼と過ごした"Simply Perfect"な時間により、女性として愛する人に愛情を注いで愛を育むことが可能な自分をもう一度思い出し取り戻すんです。

Claudiaのお話は、今までのBaloghのヒロインの中で一番共感しました。
教師という立場が重なるせいか、彼女の一言一言から学べることがたくさん。
彼女の人生観や生徒を思う気持ち、そして教育信念などは、昔は教師であり経験豊かなバログの信念や人生観を垣間見ることでもあるんですよね。
それにしても今回のClaudiaの言葉には感動するものがたくさんあったので、ハートマークをもう一つ二つ増やしたいところです。
自分自身が教師としてやっていることや思っていることを振り返ると、バログかClaudiaの爪のあかをいただかねば、ですよ。
他にも、婚外子に対する世間の偏見などが『母子家庭育ち』という世間の偏見を常に意識していた私の子供時代を思い起こさせたのですが、それに対するClaudiaの賢い言葉の数々が枯渇した土地に水が吸収されるような勢いで私の胸にしみました。どうしてこんな人が私のまわりにもいなかったんだろうとClaudiaの生徒達にちょっとジェラシーでしたよ。


このシリーズでは、個人的には1作目Simply Unforgettableのほうがロマンチック要素が強い印象があるので、このSimply Perfectは最初はハートマーク4つ半にしようと思ったんです。
でも、これはこれで、人生経験豊かなH/Hと静寂さと強さを持ち合わせた二人の愛情が築かれる、Baloghならではの苦境を乗り切る底力を見せつける純愛のお話で、終わりを飾るのにふさわしいんじゃないでしょうか。
ということで満点にしました

>>Spotlight on Mary Balogh
>>Spotlight on Mary Balogh2 (Simplyシリーズのレビューのリンクも含む)


Irresistible

2008年03月10日 | B
Mary Balogh. 1998/2007. Irresistible. Berkley Sensation Historical Romance.

何もかもそっちのけで一日で一気に読んでしまったほど!
バロ~グ様のを読み始めると家の中が散らかって食事もテーブルに並びません…。

Story:       
Dialogue:  
Hero:        
Heroine:    
Sensuality: 

Sophia Armitageは夫が戦死した後ロンドンで生活していました。
夫の栄誉が称えられ政府から家と生活手当てをもらう、決して裕福とはいえないけど、表面的には十分幸せな生活を送っていけるかのように見えました。
夫の業績のおかげでプチセレブのような存在でもあり、どこにでも招待されるSophie。でも実は誰にも言えない秘密をかかえていたんです。

ある朝、戦友だったSir Nathaniel Gascoigneと彼の兵役時代からの親友3人とロンドンでばったり再会します。

Natは、妹とブルーストッキングのいとこLaviniaに結婚相手を見つけるためにロンドンに来ていました。

このLaviniaの毒舌、ホントにNatがかわいそうになるほどでしたが、一旦Sophieと友達になると彼女の心のうちが分かってきます。
女性に何も権利がない世の中で一人立ちしようと奮闘する一方、気になる男性も表れます。そのNatの友人でもあるお相手の男性とのロマンスも楽しめます。
(途中で「いとこ」が「姪」に変わってたところがあり「???」でしたが。)


Natは、戦場ではかよわい女性というよりは同士・友人としてみていたSophieと再会して以来、当時はあまり考えないようにしていた彼女の女性である部分が見えてきて驚くと同時に、そんな彼女の中に無意識に安らぎを見出します。
そして自分でも驚いたことに、友人宅での夕食後Sophieを家に送り届けると、そのまま一夜を共にします。

一方、実は夫が生きていた頃からNatにだけは特別な気持ちがあったSophie。
迫り来る危機(秘密の暴露)に怯えながら一日一日を生き延びていたかのような彼女は、Natとの一夜を特別なものにしたかったのです。

このことによって、昔に築かれた友情にヒビが入ってしまったのではと二人は恐れながらも、密会することに同意します。


このお話は、Natの友情が愛情へと変わっていく様子が最高でした。
Sophieの夫婦関係のことや、彼女のNatへの気持ちが少しずつ明らかにされていくのですが、「あー、そうだったのか~」と彼女への同情の気持ちも深まります。
Sophieのこの秘密/困難に関してですが、お話の3分の2ほどSophieは何もできなかったというよりは、どうしても何もせずに困難に屈していたように見えてしまい、Baloghにしては頭の悪いヒロインだなと思いました。
でも、後からちゃんとSophieの言動の理由も分かります。完璧ではないヒロインだけど、そこがポイントでもあるんですよね。


最初はハートマーク4個半にしたのですが、理由はお話全体が暗かったというだけなんですよね。
Sophieの秘密のことが影響していたから仕方ないし、「暗い」というだけでお話の面白味には影響してないし、Baloghの昔の作品は重たい感じもあってそれも影響したのかな。
でも、やっぱり印象深いお話に変わりはナシ。大満足のハートマーク5つになりました!
前々から読みたかった一冊だったのですが、以前、結構ネガティブなコメントを見て以来躊躇していたんです。
でもこのブログで「ゼヒ」とおすすめしてくださったはなさんの一言(感謝)で、未読の山のてっぺんに。そして1日で読了!
バログファンなら特にオススメの1冊ですね。

>>Spotlight on Mary Balogh
>>Spotlight on Mary Balogh 2


Sara Bennet A Greentree Sisters Novel

2008年02月14日 | B
Sara Bennett
この作家さんはたくさんペンネームがあります。
Mills and BoonではDebora Milesで、その他豪州内での出版物ではLilly Sommers、パラノーマルではSara Mackenzieの名前で出しているそうです。

今回読んだのは、たまたま図書館にあった2冊。 
Avon出版のGreentree Sistersシリーズの2、3作目です。M&B/HQのような雰囲気のお話でした。


実の母はAphroditeというロンドンを一世風靡した娼婦の3人娘が最初の3冊のヒロイン。この3人の女の子達は子供・赤ちゃんの時に母親の元から誘拐され、Lady Greentreeに育てられました。

               
Book1: Lessons in Seduction (2005)
一作目は長女Vivianaのお話。(未読)

               
Book2: Rules of Passion (2005) 
2番目のMariettaのお話。お姉ちゃんや妹とは違い、どちらかというと出るところは豊富に出た体の線の持ち主。スレンダーな線に憧れているのでコルセットでギュウギュウ…。結果、よく気絶してました。
Mariettaは昔とんでもない悪漢と恋に落ちたと思い込み、駆け落ち。でも見事にだまれ人里はなれた宿で一夜を過ごし、捨てられます。運悪くこの話はすぐに広まり、Mariettaがきちんとした結婚をできるチャンスはゼロに。
どこへ行っても伝染病患者のように避けられるMariettaは、いっそのこと母のように娼婦になったほうが自由な人生を送られるのではないかと思い、娼婦になる決心をします。
ロンドンに出てきたそんなMariettaと出あったのは、ただMaxとだけ名乗る寡黙な紳士。実は公爵家の跡取りのLord Rosebyだったのですが、浮気相手の子供だということが明らかにされ、公爵から全ての縁を切られた後でした。


               
Book3: Mistress of Scandal (2007) 
実の母親のようにはなりたくないと、四角四面に振舞うことをモットーとしているFrancesca Greentree。性に目覚めることを恐れ、自分は結婚するタイプではないと自分に言い聞かせ、ヨークシャーの田舎で静かに過ごしていました。
ある日いつものように荒野を散歩していると、底なしの泥沼にはまってしまったSebastian Thorneを発見、救出します。
探偵のような仕事をしていたSebastianは、実はAphroditeの頼みで過去に起こった3人娘の誘拐の真犯人を探り出す以来を引き受けていたのでした。
Francescaと出あった瞬間、「この人だ…」と一目ぼれ。

               
Book4: Seduction in Scarlet (2008) 
Sebastianの弟Marcusと、位の高い貴婦人Lady Portia Ellerslieのお話。

Beauty in Black

2008年02月05日 | B
Nicole Byrd. 2004. Beauty in Black. Berkeley Sensation Historical Romance.

RWA Greater Detroit Booksellers Best Awardとやらをもらった作品。
でも、私はちょっと物足りなさを感じました。

Story:        
Dialogue:   
Hero:         
Heroine:     
Sensuality:  


以前読んだのをすっかり忘れてたので、また借りてきたこの一冊。

謎めいていて顔に醜い痘瘡の痕が残っているためみんなから恐れられているヒーロー、Gillingham侯爵。
侯爵はこの病気の痕のため、ロンドン社交界には一切顔を出しもしなかったのですが、そろそろ結婚して跡継ぎを確保する時が来たと、腹をくくり上京(←?)します。

そして、心優しくて大人の雰囲気たっぷりのヒロインMrs.Marianne Hughesと出会います。
が、彼が親切で言った一言が、Marianneがシャペロンをしていた姪のLouisaに結婚のプロポーズと勘違いされ、侯爵とLouisaは婚約してしまうはめに。

                 

Marinneが表面の醜さなどは気づいてもいないかのように、心を閉ざした侯爵の誠実さに惹かれていく様子が印象的でずっと覚えていたんです。
でもあのお話の題名は何だったかなーって。
そしてたまたま図書館の本棚で見つけ、「そういえば、どっかのロマンス本カタログで見かけたなぁ」と思いながら、もう一度手に取ることに。

数年前、自分がアマゾンに記録した評価を見てみると、星の数はたったの2個。
でも、今回はやっぱり何年も記憶に残っていたということで、ハートマーク評価は3つ半に増えました。

でもこれ以上ハートマークをあげられないのは、このお話にはなんだか無駄でじれったい部分が多いからです。
お茶の様子やおしゃべりなど、のどかな雰囲気を楽しめばいいと言えばそうかもしれませんが、本筋と絡んでこないので、「何でこの部分は必要なんだろう、この部分は読む必要あるのかな」と思いはじめ、イライラ。

でもでも、(夫の)姪っ子Louisaの恋愛の様子や、侯爵と弟の関係修復の過程などもずっと記憶に残っていたほどなので、受賞したのも分かるといえば分かるかな。

>>Nicole Byrdの本リスト