お父さんはとても優しそうなんだけど
まだ、ティナにはどんな人なのか、あんまり良くわからない。
「ティナちゃ~ん」って呼んでくれる時もあるけれど
何にも言わないで、突然立ち上がったりするときもある
そんな時は、ティナは少しビックリする
お父さんが、次にどんな行動をするのか
それが、全くわからないから
いつも、ビックリする時が多い
でも、今日は一緒に散歩に行ったの



お母さんも居たから、少し安心だったよ
初めは、お父さんがお散歩紐を持ってくれたけれど
黙って、引っ張るから、ティナはどうして良いのかわからなかったの

お母さんやお兄ちゃんは
「ティナちゃん、あっちに行こうね」とか
「そこは、気をつけてね」とか
「ここは、お家じゃないよ!良く見てごらん」とか
言ってくれる
そう言ってくれても、ティナは知らん振りして、無視するときもあるけれど
話してくれるだけで安心するの
お父さんも、もう少し、話してくれると

でも、お父さんと
「ヨーイ・・・」
「ワン

ってしたよ!
とっても楽しかった。
きっと、お父さんもティナのことが
まだ、あんまりわかっていないんだと思う
これから、だんだん仲良しになっていくのが楽しみだな~

だって、この家に来た頃に比べたら
どんどんお父さんが好きになっていってる気がするんだもの

それから、夕方お母さんが、
「そうだ!いい事を思いついたわ」と言って
押入れの中に顔を突っ込んだ
「なんだろう・・?」と思って
ティナは首をかしげながら、お母さんをじっと見ていたの
「ほーら!ティナちゃ~ん・・・これはどう??」と
小さなボールを


「面白い!」と思って飛びついてみた
ころころ転がって、くわえようとしても口に入らない
「ワンワン」って言って追いかけた
「こんなのもどう??」
今度は布に何かが入って”ジャリジャリ”音のするものを投げた
「お手玉って言うのよ!お母さんが作ったの。じょうずねぇ・・・」
1人で感心しているみたいだ。
これも、噛んでみると不思議な感触で、首を振るとパーンと飛んでいって、面白かった。
「アツ!いいものがあった!」
”チャリンチャリン”って音がして、ころころ転がるきれいな色のおもちゃが
ティナの方に転がってきた。
「これはなあに?」
聞くよりも先に、お母さんが言った
「すごいわ~!お兄ちゃんがあかちゃんの時に転がして遊んだおもちゃよ」
「これなら、ティナちゃんにも、危なくないわね」
何だか満足そうだ。
そんな風にどんどん、ティナにおもちゃを探してくれた。
初めは珍しいから面白かったんだけど
沢山だしてきたから、お母さんの相手にチョット疲れた
もう、おもちゃは要らないから、早くごはんにして~~
