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我が心の俳句とか徒然 〜祖谷馬関〜

♬ 懐かしい風 ♬ 〜父の故郷にて〜

十年前に亡くなった父の故郷は、四国は徳島県、南阿波市の「脇町」という処です。(^。^)

脇町は「うだつのある町並み」が観光名所となっており、没後、息子である私が、その地を訪ねた機会に、父から聞いた覚えのある地域を散策したのでした。(^-^)

四国の三郎と呼ばれる吉野川をはじめ、その畔に建つ親戚の家や神社、西洋の土木技師ヨハネス・デレーケの指導による堰堤、ハイカラな劇場兼映画館のオデオン座、、、そのような町を見守るように聳え立つ剣山など。( ; _ ; )/~~~

父の通った県立脇町高校の正門に立った折には、なぜか涙を堪え切れなくなり、足早に学舎を後にしたことを覚えています。m(._.)m

亡くなる数日前、父は、薄れゆく意識の中で看護婦さんに向かい、「うちの息子や」と僕を紹介した場面が、今も時折浮かんできます。( ^_^)/~~~

「懐かしい風」 ~父の故郷にて~

その学び舎は時の流れを見守るように
父から聞いた川のほとりに佇んでいた
あの戦の最中、剣の峰と
うだつの町並みを父は見ていた
初めて訪ねた風景なのに
懐かしい匂いがしたのは何故だろう

最期の時に僕の右手を引き寄せながら
父は誰かに囁いていた「うちの息子」と
古い校舎の脇、学生がゆく
こんな風に父もこの道を歩いた
ふるさと訛りの言葉の中に
懐かしい香りがしたのは何故だろう

四国の三郎と呼ばれた川の
深く碧い水が僕を呼んでいた
行方も知れない旅の途中で
懐かしい風が吹き抜けてゆく

その学び舎は時の流れを見守るように
父から聞いた川のほとりに佇んでいた

by  祖谷馬関

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