「馬をさへながむる雪の朝哉」 芭蕉
美しい雪の朝の情景が浮かび上がるような句ですね、、、人ではなく、お馬さんを引き出すあたり、お見事な技巧です。(^-^)
この句の場合、「雪の朝」は「ゆきのあした」と読ませています。( ; _ ; )/~~~
冬の朝、街道筋は、夜中のうちに降った雪で真っ白に染められています。
駒寄せに繋がれた馬の吐く息も白い湯気のようで、その馬さえも、美しい雪の朝を眺めて目を細めています、、、知らんけど。(^_^)
「雪の朝」と言えば、尊敬するさだまさしさんが、まだグレープというデュオで歌っていた頃、、、昭和47年のデビュー曲のタイトルが、まさに「雪の朝」m(__)m
地味な曲で、売れなかったそうですが、芭蕉の句と同様、情景が浮かび上がる歌詞となっています。
ただし、登場するのは、馬ではなく、恋人の女性、、、これまた、知らんけど。!(◎_◎;)
「雪の朝」 グレープ
表は雪が降ってる、一面の薄化粧
君はまだ眠ったままで、夢でも見てるのかしら
辺りに人影はなく、街もまだ目覚める前
僕は横になったままで、煙草に火を点ける
窓の外には遠く、水鳥が飛び交い
雲は低く流れて、雪は降り続く
表通りを荷馬車が通り過ぎてゆく
僕が少し微睡むと、もう君は起きていて
ねえ見てごらん、雪だわと、君は幸せな人だ
曇りかけた硝子を、君はその手で拭い
まるで子供みたいに、目を輝かせた
またいつもの生活が、始まるだけの朝なのに、、、
にゃるへそ!🐈⬛
さださんの「雪の朝」、なぜか明治から大正期の純文学の香りを感じます。
つまり、情景を描写しながら、そこに心理や真実を織り込んでいく手法。
森鴎外、夏目漱石、芥川龍之介、志賀直哉など、、、なかでも、芥川の「蜜柑」は、鮮やかな蜜柑のオレンジ色が印象的な小作品です。
また、文化勲章受賞者の永井龍男氏が同じタイトルの「蜜柑」という作品を残しており、これはまた、芥川のそれとは異なるストーリーですが、共通しているのは、鮮やかなオレンジ、、、不思議な邂逅です。(^。^)
というわけで、雪のホワイトから、蜜柑のオレンジに色が移りましたが、カラフルな返句をひとつ。( ^_^)/~~~
「夏の恋紅き柘榴の花のごと」 祖谷馬関