「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和四年(2022)1月21日(金曜日)弐
通巻7194号
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(休刊のお知らせ)明日22日(土曜日)と23日(日曜)、小誌は休刊です
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ウクライナ情勢の緊迫を中国は台湾侵攻の絶好のチャンスと見ているか?
米国サリバン補佐官と中国の楊潔チ国務委員が近く会談へ
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ブリンケン国務長官はウクライナ問題にかかりっきりになった。
バイデン大統領も異例の警告を発して「もしロシア軍のウクライナ侵攻があれば、深甚なる経済制裁をかす」とした。
世界の目がキエフとモスクワに注がれると、北京と台北の緊迫した情勢監視がおろそかになりやすい。
そこで中国との懸案の対話は、ジューク・サリバン大統領安全保障担当補佐官に役割が廻って、近く楊潔ち国務委員との間で米中対話が行われると発表された。
トラファルガー・グループが実施した直近の世論調査では民主・共和を問わず、台湾防衛に米国が積極的になるべきとした回答が過半を超えた。
因みに民主党支持の56・2%が台湾を防衛するべきと回答し、共和党支持者の60・8%とほぼ並んでいることが分かった。
米国は台湾防衛を「曖昧戦略」として土壇場で決めるという態度をクリントン、オバマ政権まで取り続けてきたが、トランプ政権以後、明白に台湾支持に転換させ、在台湾代表所(事実上の大使館)は海兵隊が守備し、また台湾軍の訓練にあたっていることを認めた。
最新鋭ジェット戦闘機F16も台湾への配備が始まった。そのうえ米海軍は空母打撃群をたびたび台湾海峡を通過させて中国を牽制しているが、1月20日には西砂(スプラトリー群島)の海域にもはいった。
フィリップ・ディビットソン前米国インド太平洋司令官は「六年以内に中国の台湾攻撃が行われる可能性が高い」と議会証言し注目された提督である。
提督が言うには「インド太平洋諸国は世界GDPの60%を占め躍動している。このダイナミックな地域での貿易と投資は、米国の安全と繁栄に不可欠である。『自由で開かれたインド太平洋』における平和と繁栄に対する米国のビジョンは、公正な貿易、世界市場への共有されたアクセス、優れた統治、そして人権と市民の自由に引き続きコミットし、この地域の経済的繁栄と安全保障は密接に関連する。
しかし最大の危険は、(中国の)抑止力への侵食である。紛争を防ぎ、米国の利益を保護し、我々の同盟国とパートナーを保証するためには、戦闘で信頼できる従来の抑止態勢が必要である。中国は国際秩序と価値観を損なう行動を大胆にエスカレートさせている」
米国の要人達の発言も、徐々にエスカレートしていることが分かる。
令和四年(2022)1月21日(金曜日)弐
通巻7194号
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(休刊のお知らせ)明日22日(土曜日)と23日(日曜)、小誌は休刊です
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ウクライナ情勢の緊迫を中国は台湾侵攻の絶好のチャンスと見ているか?
米国サリバン補佐官と中国の楊潔チ国務委員が近く会談へ
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ブリンケン国務長官はウクライナ問題にかかりっきりになった。
バイデン大統領も異例の警告を発して「もしロシア軍のウクライナ侵攻があれば、深甚なる経済制裁をかす」とした。
世界の目がキエフとモスクワに注がれると、北京と台北の緊迫した情勢監視がおろそかになりやすい。
そこで中国との懸案の対話は、ジューク・サリバン大統領安全保障担当補佐官に役割が廻って、近く楊潔ち国務委員との間で米中対話が行われると発表された。
トラファルガー・グループが実施した直近の世論調査では民主・共和を問わず、台湾防衛に米国が積極的になるべきとした回答が過半を超えた。
因みに民主党支持の56・2%が台湾を防衛するべきと回答し、共和党支持者の60・8%とほぼ並んでいることが分かった。
米国は台湾防衛を「曖昧戦略」として土壇場で決めるという態度をクリントン、オバマ政権まで取り続けてきたが、トランプ政権以後、明白に台湾支持に転換させ、在台湾代表所(事実上の大使館)は海兵隊が守備し、また台湾軍の訓練にあたっていることを認めた。
最新鋭ジェット戦闘機F16も台湾への配備が始まった。そのうえ米海軍は空母打撃群をたびたび台湾海峡を通過させて中国を牽制しているが、1月20日には西砂(スプラトリー群島)の海域にもはいった。
フィリップ・ディビットソン前米国インド太平洋司令官は「六年以内に中国の台湾攻撃が行われる可能性が高い」と議会証言し注目された提督である。
提督が言うには「インド太平洋諸国は世界GDPの60%を占め躍動している。このダイナミックな地域での貿易と投資は、米国の安全と繁栄に不可欠である。『自由で開かれたインド太平洋』における平和と繁栄に対する米国のビジョンは、公正な貿易、世界市場への共有されたアクセス、優れた統治、そして人権と市民の自由に引き続きコミットし、この地域の経済的繁栄と安全保障は密接に関連する。
しかし最大の危険は、(中国の)抑止力への侵食である。紛争を防ぎ、米国の利益を保護し、我々の同盟国とパートナーを保証するためには、戦闘で信頼できる従来の抑止態勢が必要である。中国は国際秩序と価値観を損なう行動を大胆にエスカレートさせている」
米国の要人達の発言も、徐々にエスカレートしていることが分かる。