沖縄・台湾友の会

《台湾に興味のある方》《台湾を愛する方》《不治の病・台湾病を患ってしまった方》皆んなで色々語り合いたいものです。

ウクライナ情勢の緊迫を中国は台湾侵攻の絶好のチャンスと見ているか?   米国サリバン補佐官と中国の楊潔チ国務委員が近く会談へ

2022-01-21 21:44:02 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月21日(金曜日)弐
     通巻7194号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(休刊のお知らせ)明日22日(土曜日)と23日(日曜)、小誌は休刊です
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ウクライナ情勢の緊迫を中国は台湾侵攻の絶好のチャンスと見ているか?
  米国サリバン補佐官と中国の楊潔チ国務委員が近く会談へ
***************************************

 ブリンケン国務長官はウクライナ問題にかかりっきりになった。
 バイデン大統領も異例の警告を発して「もしロシア軍のウクライナ侵攻があれば、深甚なる経済制裁をかす」とした。

 世界の目がキエフとモスクワに注がれると、北京と台北の緊迫した情勢監視がおろそかになりやすい。
 そこで中国との懸案の対話は、ジューク・サリバン大統領安全保障担当補佐官に役割が廻って、近く楊潔ち国務委員との間で米中対話が行われると発表された。

 トラファルガー・グループが実施した直近の世論調査では民主・共和を問わず、台湾防衛に米国が積極的になるべきとした回答が過半を超えた。
因みに民主党支持の56・2%が台湾を防衛するべきと回答し、共和党支持者の60・8%とほぼ並んでいることが分かった。

 米国は台湾防衛を「曖昧戦略」として土壇場で決めるという態度をクリントン、オバマ政権まで取り続けてきたが、トランプ政権以後、明白に台湾支持に転換させ、在台湾代表所(事実上の大使館)は海兵隊が守備し、また台湾軍の訓練にあたっていることを認めた。
 最新鋭ジェット戦闘機F16も台湾への配備が始まった。そのうえ米海軍は空母打撃群をたびたび台湾海峡を通過させて中国を牽制しているが、1月20日には西砂(スプラトリー群島)の海域にもはいった。

 フィリップ・ディビットソン前米国インド太平洋司令官は「六年以内に中国の台湾攻撃が行われる可能性が高い」と議会証言し注目された提督である。

提督が言うには「インド太平洋諸国は世界GDPの60%を占め躍動している。このダイナミックな地域での貿易と投資は、米国の安全と繁栄に不可欠である。『自由で開かれたインド太平洋』における平和と繁栄に対する米国のビジョンは、公正な貿易、世界市場への共有されたアクセス、優れた統治、そして人権と市民の自由に引き続きコミットし、この地域の経済的繁栄と安全保障は密接に関連する。
しかし最大の危険は、(中国の)抑止力への侵食である。紛争を防ぎ、米国の利益を保護し、我々の同盟国とパートナーを保証するためには、戦闘で信頼できる従来の抑止態勢が必要である。中国は国際秩序と価値観を損なう行動を大胆にエスカレートさせている」

 米国の要人達の発言も、徐々にエスカレートしていることが分かる。


ロシア黒海艦隊、六隻の強襲艦をウクライナへ   海軍は140隻、60機を動員して「軍事演習」

2022-01-21 21:40:00 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月21日(金曜日)
     通巻7193号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(休刊のお知らせ)明日22日(土曜日)と23日(日曜)、小誌は休刊です
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ロシア黒海艦隊、六隻の強襲艦をウクライナへ
  海軍は140隻、60機を動員して「軍事演習」
***************************************

 ウクライナに嘗てない軍事緊張が高まっている。
 バイデン大統領は1月20日に「もしウクライナ侵略がなされたら、ドルとの通貨交換停止を含む強力な制裁措置をとる」とし、EU議会も同様な強硬発言をなした。
 NATOも警戒態勢を敷いている。

 ウクライナ周辺に駐屯するロシア軍は、1月20日現在およそ12万7000人。
 くわえてロシアは黒海艦隊所属の六隻の強襲艦(ミンスク、カリニングラード等)をウクライナ方面へ向かわせている。兵力は一万。またロシア海軍は、近く軍艦140隻、航空機60機を動員して「軍事演習」を行うと発表した。

 一気に戦雲が広がり、トルコのエルドアン大統領もプーチンに冷静を呼びかけた。
 ロシアの論調を見ると「緊張を造りだしたのは西側であり、英国は武器供与を行ったし、ロシアの『生存圏』を脅かしているのはヌーランド国務次官等の策謀によるものだ」としている。

 この『生存圏』(レーベンスラウム)はナチスドイツの愛用した地政学用語。国家が自給自足体制を確保するために政治的支配が及ぶ領土、領海を指す。
戦前の日本でも嘗て『満州は日本の生命線』という標語があったように、ロシアにとって、ウクライナは生存圏という解釈をしていることになる。

ブリンケン国務長官、急きょ、ウクライナ訪問   ロシアの侵攻態勢が整った? ベラルーシにもロシア軍

2022-01-21 21:38:28 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月20日(木曜日)
     通巻7192号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ブリンケン国務長官、急きょ、ウクライナ訪問
  ロシアの侵攻態勢が整った? ベラルーシにもロシア軍
***************************************

 ホワイトハウスのサキ報道官は1月18日の記者会見で、ロシア軍がウクライナへ侵攻する可能性が高まっていると警告した。
 いったんロシア軍は一万の部隊を撤収させたが、現在まだ十万近いロシア軍がウクライナ国境の四方八方に駐屯し、しかもベラルーシにロシア軍が入って軍事演習を開始する。絶妙のタイミングである。

 ベラルーシ南部は広範囲にウクライナと国境を接し、しかもプーチンより遙かに独裁的なルカシェンコが統治する物騒な国、警察国家である。ベラルーシはロシアのほかに味方がおらず、ロシアと行動をともにせざるを得ないのである。

 ベラルーシの首都ミンスクは不気味な町で、だれかに歩いていても監視されているような目を感じた。ただし庶民は意外に屈託がなく、レストランはどこも満員で料理もうまく、とくにワインは絶品が多い。若者はスマホとゲームに夢中だった。
 筆者は北部のロシアとの国境へも行ったことがあるが、焼けただれた古いシナゴーグや、戦争の残骸の戦車や飛行機を野外に陳列してあった。

 プーチンがウクライナ東部に執着するのは、この地区が歴史的にロシア正教の信者が多いからであり、ウクライナ西部は反ロシア正教である。とくに西南に位置し、黒海に面したオデッサは風光明媚、西側の都市と変わらない。オデッサが代表するウクライナの国民はカソリックで精神の紐帯がつよい西側と共通の価値かを持ち、可能ならNATOに加わりたいと念願している。
 オデッサには三十万人とも言われるユダヤ人がいたが、殆どがイスラエルと欧米に逃げ出したため、ユダヤ人街区だけは閑散としていた。

 しかしモスクワの目から見ればウクライナがNATOに加わろうというのは悪夢のシナリオであり、プーチンは必死にNATOの東方拡大を阻止する政治を行ってきた。

 オバマ政権時代に米国はリベラル外交を展開し、民主化運動に深く関与した。その張本人であるヌーランド国務次官はクレムリンが蛇蝎のように嫌う外交官である。
米国やNATOの支援がなくとも、ウクライナはロシアに対し敵対的な姿勢をとり続けるだろう。


 ▼ウクライナ侵攻は本当に近いのか?

 ブリンケン国務長官は1月19日、急きょ、ウクライナ訪問しゼレンスキー大統領と話し合った。

 ドナルド・トランプ大統領とプーチンは妙に馬があった。
バイデンとプーチンは最初から化学反応がない。バイデンは36年間ワシントンの政界で過ごし、そのメンタイティは古い冷戦時代感覚である。東西冷戦でソ連が崩壊して、プーチンがロシアの栄光と回復させようとする試みにはすべて反対である。

 プーチンは中国の独裁者、イランの狂信的宗教指導者と同様にアメリカが決めたルールに従う積もりはない。米国一極の秩序体制は終わったと考えている。
 プーチンは、ロシアの近くに中距離ミサイルを配備せず、東欧で大規模な戦争ゲームを行わないようアメリカ人を説得してきた。

 アメリカはロシアに経済制裁を課してきた。
具体的には2014年のクリミア侵攻以来実施され輸出規制ならびにプーチン側近等の在米資産凍結などである。

 米国の有効な制裁手段はSWIFTからロシアを除名することだ。
国際決済の情報処理をなす送受信プラットフォームで、毎日約5兆ドルを処理する。ロシアは対抗上、旧ソ連共和国に400の加盟銀行を持つ独自の金融情報移転システムSPFSを構築したうえ、外貨準備の主力をゴールドに置きかえた。
そのうえで、中国とは通貨スワップを結び、インドとも再度梃子入れをして米国との関係に亀裂を入れた。