沖縄・台湾友の会

《台湾に興味のある方》《台湾を愛する方》《不治の病・台湾病を患ってしまった方》皆んなで色々語り合いたいものです。

「気の抜けたサイダー」。バイデンのキエフ電撃訪問に白けた反応    対戦車ミサイルも大口径弾丸も在庫切れ。補填に数年かかる

2023-02-21 23:21:52 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)2月22日(水曜日)
      通巻第7648号  <前日発行>
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 「気の抜けたサイダー」。バイデンのキエフ電撃訪問に白けた反応
   対戦車ミサイルも大口径弾丸も在庫切れ。補填に数年かかる
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 2月20日早朝、バイデン大統領は突如、キエフへ現れてゼレンスキーと抱き合った。そのうえで追加五億ドルの武器支援を約束した。

 米国は已に虎の子のジャベリン(対戦車携行ミサイル)、ハイマースや155ミリ榴弾砲を供与した。加えてエイブラハム戦車の供与を決めている。合計520億ドル。共和党の40%は、はっきりとウクライナ援助は「やり過ぎ」としている。「ウクライナにかまけるな。中国という本物の敵との対決がもっと重要だ」と唱える議員集団がある。

 対戦車ミサイル「ジャベリン」は緒線でロシア戦車軍を大破させ、華々しかったが、ほぼ使い切ったようで、残余はウクライナ・マフィアが横流しした可能性もある。
 ジャベリンの補給、つまりアメリカの在庫は最低の水準となっており、元の数に補填可能となるのは数年先である。大口径砲弾は十年かかるという計算もある。

 ゼレンスキー大統領はF16ジェット戦闘機の供与をねだった。しかしパイロット養成に一年以上はかかるけど? ようするに欧米の志願兵で空中戦をたたかって貰いたいと言っているのである。

中国はロシアが疲れ切るのを待って属国化する腹づもりだ。また習近平は米国の疲れを待っている。バイデン政権の暴走で米軍の武器弾薬が底をついたら、中国にとって台湾侵攻の最大のチャンスとなる。
 バイデンのキエフ訪問は劇的な政治演出を狙ったパフォーマンスだろうが、どうみても「気の抜けたサイダー」である。

中国警察の海外派出所が国際問題に   それは2014年「狐狩り作戦」から始まった

2023-02-21 23:20:35 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)2月21日(火曜日)
        通巻第7647号  
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 中国警察の海外派出所が国際問題に
  それは2014年「狐狩り作戦」から始まった
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 スペインの人権団体が報告書を発表し、国際的なイッシューとなったのが、中国の海外警察派出所である。直近のデータでは危険視される中国警察の「海外派出所」は世界45ヶ国で確認され、ほかに14の拠点と推定される「派出所」があるという。

 いずれも当該国で中国が危険視する民主活動家、反体制派知識人、二重スパイ、学生、研修生らを「監視」している。
 改革開放以来、海外に散った華人、華僑、新移民、亡命あるいは逃亡者など、どうみても三千万人に達したようである。世界各地のチャイナタウンが急激な増殖を続け、シドニーもバンクーバーもいまや「シナの植民地」のごときである。アムステルダムの「飾り窓」で有名な公娼窟の裏側もチャイナタウンとなった。

 海外移住はともかく、逃亡者の多くは犯罪にからむ。とくに多いのが金銭の持ち逃げである。中国がこれら「犯罪者」の帰国をうながし、それでもダメなら当該国へ秘密工作員を送って拉致する。げんにタイのリゾートにいた銅鑼湾書店社長は拉致され、香港の豪華ホテルにいた明天証券CEOも拉致された。いまはルネサンスホールディングCEOの包凡が行方不明だ。

過去十年でおよそ一万人が「帰国」させられた。なかには逃亡に疲れはて、カネも使い果たして自首した者もあった。
 この作戦は2014年に開始され、最初は「狐狩り作戦」と呼ばれた。逃亡犯たちの家族を脅し、帰国をうながす方法をとった。ついで2015年からは「スカイネット作戦」と呼ばれ、犯人や逃亡者、亡命組の家族、友人、取引先との交信(電話、ネット)を調べ上げて、逃亡先を突き止めた。拉致など厳格な、あるいは乱暴な手段も取られた。

 経済犯がとくに逃亡した先はタイだった。
 オランダとアイルランドは、中国のこうした行為は独立権国家の主権を侵害していると問題視し、カナダ、豪州などでも問題化した。米国はFBIが疑わしいオフィスに手入れを行った。

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル (2023年2月20日号) *気球と地震と戦争と

2023-02-21 23:19:11 | 日記
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
(2023年2月20日号)
*気球と地震と戦争と
 4日に、米軍は中国のスパイ気球をサウスカロライナ沖で撃墜したが、この影響は驚くほど大きい。そもそも米軍は気球撃墜に乗り気でなかった。スパイが米国に入国した場合を考えれば、この理由は明らかだろう。
 スパイが入国しても、情報当局は直ちに逮捕したりはしない。監視下に置いて泳がせて、誰と接触し、どこと連絡を取るかを探れば、敵の情報網の全貌を把握できるからである。スパイ気球も同じこと、中国が幾度も送り込んでいるのを、米軍は気付かぬふりをして監視していたのである。

 ところが民間の研究者がこれに気が付き公表したため、米国内で大騒ぎになって、米軍は撃墜せざるを得なくなったのだ。撃墜のシーンは、気球が爆発する瞬間の映像が日本のテレビではカットされているが、海外では堂々と公開されている。
 米国の勝利、中国の敗北を印象付ける映像であり、中国共産党は屈辱のあまり、対話の扉を閉ざしたばかりか、明確にロシア側に付いてしまった。これに呼応したのが北朝鮮である。中国は北朝鮮を抑えていたのだが、その抑制をはずして、ICBM発射となったわけだ。

 さらに間の悪いことに6日にトルコ南部で大地震が発生した。トルコはウクライナとロシアを仲介できる唯一の国であったが、この大地震への対応でエルドアン政権はもはや仲介する余裕を失ってしまった。
 従ってウクライナでの停戦の見込みはなくなり、中国の支援でロシアは長期戦が可能になり、北朝鮮対応でバイデン政権は足を取られることになる。

 第2次世界大戦は1939年に欧州で始まったが、1941年末にアジア太平洋に拡大した。現状との酷似は明らかだろう。欧州での戦争がアジア太平洋に拡大しようとしている。一口で言うなら第3次世界大戦に近づきつつあるのである。

イスラエルがガス輸出国になっていた! 原油埋蔵も確認、発掘がつづく    「アブラハム合意」に匹敵する「海上国境協定」をレバノンと締結

2023-02-21 23:18:21 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)2月20日(月曜日)
        通巻第7646号  
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 イスラエルがガス輸出国になっていた! 原油埋蔵も確認、発掘がつづく
   「アブラハム合意」に匹敵する「海上国境協定」をレバノンと締結
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 イスラエルには資源がないとされた。
 2009年ごろから地中海の海底油田の試掘が米国企業を中心に進み、タマル油田、タニン油田、カリシェ油田。そして最大620億バーレルの埋蔵が予測されるリバイアサン油田の稼働が本格化してきた。

 イスラエルはエネルギーの自給が可能となった。これにより産油国との関係が劇的に変わった。2020年8月にトランプ大統領の仲介で「アブラハム合意」をUAEと締結、バーレーンも加わった。エジプト、ヨルダンとの和平合意はそれ以前に成立しており、22年10月26日にレバノンとの間で海上国境協定が締結された。

 イスラエル沖合の海底油田からは三本のパイプラインが敷設されており、一部はエジプトへ輸出され、さらにヨーロッパへ再輸出される。
 近未来に、この欧州への輸出が軌道に乗ると、エネルギー貿易が黒字化する。

 ほかにイスラエルに陸揚げされる石油とガスは南のエイラートへ既存のパイプラインを修理すれば運送が可能になり、35万トン級のタンカーで将来的にはスエズ運河を越えて南アジアへのルートも検討されているという。

 イスラエル国内ではネゲブ砂漠の北に膨大なシェールガス埋蔵も確認されている。かくしてイスラエルがガス輸出国に。追加の原油埋蔵も確認、発掘がつづく。地中海の海域はEEZが入り組んでおり関与国は、エジプト、レバノン、トルコ、そしてキプロスとの海の鉱区の区割りが政治課題だった。