二つに見えて、世界はひとつ

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合一のビジョン

2024-08-18 08:27:00 | キリスト教神秘主義

 接触のヴィジョン
   

 この直観や接触は驚くばかりに魂を豊かにする。

 たったその一つだけでも魂が一生かかってそれを除こうと努力しても除けなかった或欠点を、一挙に廃止してしまい、さらに美徳をもって魂を飾り、超自然的な賜物を魂に詰め込むことができるのである。
   
 *十字架のヨハネ
  (1542年-1591年)
 16世紀のスペインのカトリック司祭、神秘思想家。アビラのテレサと共にカルメル会の改革に取り組み、『暗夜』などすぐれたキリスト教神秘主義の著作や書簡を残した。


 合一のヴィジョン

 合一の続く時間は短いのですが、その間、魂はまるで一切の感覚を失ってしまったようになりますので、何かひとつの事を考えようと思っても、考えることはできないでしょう。

 魂の知力は魂のなかでおこなわれている事柄についていくらかでも理解したいと思うのですが、もうほとんど力をもたないので、どうにも活動することができなくなっているのです。

 この合一の時間はつねに短く、そして実際よりもさらに短いようにさえ思われます。

 魂がわれに返ったとき、自分が神のなかにあり神が自分のなかにいましたことを、疑うことが全く不可能なようなふうに、神は魂の奥深くに
その身を置かれるのです。

 この真理は魂に強く強く印象されたままいつまでも残るので、この状態が繰り返されることなく長い年月が経過した後でさえも、魂は受けた恩恵を忘れることもできなければ、受けた恩恵が事実であることを疑うこともできません。

   

 *アビラの聖テレサ
 (1515年 - 1582年)

 スペインのローマ・カトリック教会の神秘家。