『世界ダウン症の日写真展』が行われている
大阪・梅田スカイビルの会場では、
3月20日午後、
世界ダウン症の日を記念する式典と
ミニコンサートが行われました。
演奏に先立ち、JDS日本ダウン症協会大阪支部の玉井浩支部長が、
開会のあいさつにたち、
JDSからのアピール
「だれもがその人らしく、安心して暮らしていける社会に」を紹介しました。
障害者基本法が改正され、
自立支援法に代わる立法作業の努力が続けられるなかで、
ダウン症児者にとって、
特に必要と考えることが書かれたアピール文が、
会場に配られました。
このアピール文は
東京や奈良の「世界ダウン症の日」行事でも
発表されました。
その全文を掲載します。
日本ダウン症協会からのアピール
「だれもがその人らしく、安心して暮らしていける社会に」
3月21日「世界ダウン症の日」が
国連によって正式に認定されたことを、
皆様ととも に心から喜びたいと思います。
私たちは、ここに、ダウン症のあるすべての人が、
その人らしく、安心して、普通の暮らしができる社会を
実現するという願いを新たにしました。
「世界ダウン症の日」が、この願いを共にし、
そのために行動する人々をつなぎ、
その輪を広げていくシンボルとなることを望みます。
そして、3月21日という日が、
近い将来、この願いが実現したことを記念する日となることを目指して、
みんなで一緒に前へ進んでいきたいと思います。
新しい障がい者法制度への期待
障がい者にかかわる法制度は
大きな変革の時を迎えています。
障害者基本法が改正され、
現在は自立支援法に代わる立法作業の努力が続けられています。
これにかかわる
すべての政府関係者、政党、障がい者団体の皆様方の努力に対し、
心からの感謝と連帯の気持ちを表明します。
私たちは、新しい法制度が、すべての障がい者が、
その人らしく、安心して、普通に暮らしていける
社会をつくりあげていく礎となるように、
大きな期待と希望をもって見守っています。
以下、ダウン症のある人にとって、特に必要と考えることを述べます。
1.意思決定支援の重要性について
(1)個人の尊重
“その人らしく”暮らしていくということは、
障がいの有無にかかわらず、
その人個人が尊重されるということです。
個人が尊重されるためには、
その人の意思が尊重されることが不可欠です。
しかし、現状は、残念ながら、彼ら・彼女らの
意思が十分に尊重されているとは言えません。
(2)意思決定支援の重要性
ダウン症のある人の中には、
意思決定の前提となる情報や知識を
十分に得ることが難しい人がいます。
また、決定した意思を伝えることが
得意ではない人も多くいます。
ダウン症のある人が
個人として尊重され、
“その人らしく”暮らしていくためには、
教育、就労、生活といった各場面での
具体的な支援が必要です。
しかし、それだけではなく、
具体的な支援を受ける前提として、
どこで、だれと、どのような暮らしをしたいのかといった、
その人本人の意思の決定に支援が必要です。
本人の意思決定の前提となる情報や知識を補い、
本人の意思を汲み取る支援です。
意思決定に支援が必要なことが理解され、
十分な支援がなされる体制が構築されるよう求めます。
2.具体的支援についての要望
(1) 教育について:インクルーシブ教育の実現と通常学級への支援
ダウン症のある人が
“その人らしく”“普通の暮らし”をしていくために、
教育の果たす役割は重要です。
障害者権利条約第24条は、
締約国は、
「障害者が、他の者と平等に、
自己の生活する地域社会において、包容され、質が高く、
かつ、無償の初等教育の機会及び中等教育の機会を与えられること」を
確保しなければならないと定めています。
しかしながら、障害者基本法では、
「可能な限り障害者である児童及び生徒が
障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮する」
と定められており、
日本では障害者権利条約が求めている
インクルーシブな教育が保障されているとは言い難い状況です。
就学先の決定は、
本人・保護者の意思に反しないことを原則とし、
通常学級に進学した場合でも、
合理的配慮や必要な支援がなされることを求めます。
(2) 就労について:職場での配慮とジョブコーチの充実
ダウン症のある人の多くは、
働きたいと思っています。
ところが、意思の疎通がうまく図れず
人間関係でつまずく場合もあります。
職場における環境への配慮と、
ジョブコーチの充実を望みます。
(3)生活について:生活の場と支援のネットワークの充実
ダウン症のある人が、
どこで、だれと生活するかということは、
大変重要な問題です。
ダウン症のある人が“その人らしく”“安心して”“普通の暮らし”を
していけるような生活の場と、
それを本人が選択できるように意思決定を支援してくれる専門家、
そして毎日の生活の中で
共に考え受け止めてくれる友人のような身近な支援者が必要です。
本人と家族の希望や状況に応じて選択できる
生活の場と支援のネットワークの充実を求めます。
よりよい明日のために、みんなで一緒に前へ進んでいきましょう!
2012年3月20日
参加者一同
大阪・梅田スカイビルの会場では、
3月20日午後、
世界ダウン症の日を記念する式典と
ミニコンサートが行われました。
演奏に先立ち、JDS日本ダウン症協会大阪支部の玉井浩支部長が、
開会のあいさつにたち、
JDSからのアピール
「だれもがその人らしく、安心して暮らしていける社会に」を紹介しました。
障害者基本法が改正され、
自立支援法に代わる立法作業の努力が続けられるなかで、
ダウン症児者にとって、
特に必要と考えることが書かれたアピール文が、
会場に配られました。
このアピール文は
東京や奈良の「世界ダウン症の日」行事でも
発表されました。
その全文を掲載します。
日本ダウン症協会からのアピール
「だれもがその人らしく、安心して暮らしていける社会に」
3月21日「世界ダウン症の日」が
国連によって正式に認定されたことを、
皆様ととも に心から喜びたいと思います。
私たちは、ここに、ダウン症のあるすべての人が、
その人らしく、安心して、普通の暮らしができる社会を
実現するという願いを新たにしました。
「世界ダウン症の日」が、この願いを共にし、
そのために行動する人々をつなぎ、
その輪を広げていくシンボルとなることを望みます。
そして、3月21日という日が、
近い将来、この願いが実現したことを記念する日となることを目指して、
みんなで一緒に前へ進んでいきたいと思います。
新しい障がい者法制度への期待
障がい者にかかわる法制度は
大きな変革の時を迎えています。
障害者基本法が改正され、
現在は自立支援法に代わる立法作業の努力が続けられています。
これにかかわる
すべての政府関係者、政党、障がい者団体の皆様方の努力に対し、
心からの感謝と連帯の気持ちを表明します。
私たちは、新しい法制度が、すべての障がい者が、
その人らしく、安心して、普通に暮らしていける
社会をつくりあげていく礎となるように、
大きな期待と希望をもって見守っています。
以下、ダウン症のある人にとって、特に必要と考えることを述べます。
1.意思決定支援の重要性について
(1)個人の尊重
“その人らしく”暮らしていくということは、
障がいの有無にかかわらず、
その人個人が尊重されるということです。
個人が尊重されるためには、
その人の意思が尊重されることが不可欠です。
しかし、現状は、残念ながら、彼ら・彼女らの
意思が十分に尊重されているとは言えません。
(2)意思決定支援の重要性
ダウン症のある人の中には、
意思決定の前提となる情報や知識を
十分に得ることが難しい人がいます。
また、決定した意思を伝えることが
得意ではない人も多くいます。
ダウン症のある人が
個人として尊重され、
“その人らしく”暮らしていくためには、
教育、就労、生活といった各場面での
具体的な支援が必要です。
しかし、それだけではなく、
具体的な支援を受ける前提として、
どこで、だれと、どのような暮らしをしたいのかといった、
その人本人の意思の決定に支援が必要です。
本人の意思決定の前提となる情報や知識を補い、
本人の意思を汲み取る支援です。
意思決定に支援が必要なことが理解され、
十分な支援がなされる体制が構築されるよう求めます。
2.具体的支援についての要望
(1) 教育について:インクルーシブ教育の実現と通常学級への支援
ダウン症のある人が
“その人らしく”“普通の暮らし”をしていくために、
教育の果たす役割は重要です。
障害者権利条約第24条は、
締約国は、
「障害者が、他の者と平等に、
自己の生活する地域社会において、包容され、質が高く、
かつ、無償の初等教育の機会及び中等教育の機会を与えられること」を
確保しなければならないと定めています。
しかしながら、障害者基本法では、
「可能な限り障害者である児童及び生徒が
障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮する」
と定められており、
日本では障害者権利条約が求めている
インクルーシブな教育が保障されているとは言い難い状況です。
就学先の決定は、
本人・保護者の意思に反しないことを原則とし、
通常学級に進学した場合でも、
合理的配慮や必要な支援がなされることを求めます。
(2) 就労について:職場での配慮とジョブコーチの充実
ダウン症のある人の多くは、
働きたいと思っています。
ところが、意思の疎通がうまく図れず
人間関係でつまずく場合もあります。
職場における環境への配慮と、
ジョブコーチの充実を望みます。
(3)生活について:生活の場と支援のネットワークの充実
ダウン症のある人が、
どこで、だれと生活するかということは、
大変重要な問題です。
ダウン症のある人が“その人らしく”“安心して”“普通の暮らし”を
していけるような生活の場と、
それを本人が選択できるように意思決定を支援してくれる専門家、
そして毎日の生活の中で
共に考え受け止めてくれる友人のような身近な支援者が必要です。
本人と家族の希望や状況に応じて選択できる
生活の場と支援のネットワークの充実を求めます。
よりよい明日のために、みんなで一緒に前へ進んでいきましょう!
2012年3月20日
参加者一同
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