「手帳があるから、無理しないでも就職できる」
ある日、SSTで子どもが言っていたことです。
「(福祉枠を使えるから)自分は無理して就職活動をしなくてもいい。
でも今の友達に、そのことは知られたくない」
という、複雑な心境を素直に語ってくれました。
「他の子より何か劣っているから特別支援学級に在籍していた。
クラスでは仲間外れにされ、友だちもできなくて辛かった」
過去のつらい体験として残っている記憶を消し去ることは難しいかもしれません。
しかし、手帳があれば楽に就職できるわけではない、ということも理解してもらわないといけません。
嫌な思いをしたくない、無理をしたくない、
散々嫌な思いや無理をして来た、だから楽なほうに進みたい、
でもそれでは、糧になるものは得られないのです。
手帳を使えば本当に楽になるのか?
そもそも自分のしたいことは何?
自分にできることは?生きがいに思うことは?
まわりばかりを気にしてやって来たために、自分が思う(すりこまれた)価値基準にとらわれているのではないか。
「選択肢は一つに決めなくてもいい」
いろいろな選択肢があることを、これからは先生方と一緒に考えていきます。