菅井滋円 作品集

絵を始めて半世紀以上の歳月が流れた 絵に向かう時何時も満たされないモノがある その場がここになりつつある。

落ち穂拾い4

2015年09月11日 | 菅井滋円 作品集

落ち穂拾い 4
九月九日は「重陽」(ちょうよう) あるいは「九重」(きゅうちょう)の日である  九という文字が重なることにもとづいている 節句なのである 秋の到来を愛でた日であり 故人達の多くは高いところに登り 知己たちと酒を酌み交わし 長寿を賀し祝う文人たちの集いで その席で詩を賦して楽しみ祝ったという。
わたしもまた故人に倣いたいと思うのだが 重なる病に酒も飲めなくなった それにしても来春の一月には八十歳という 思いもよらない年齢を重ねることになった せめて「落ち穂拾い」をして自らを祝うこととしよう。

そこで若き日に描いた絵の一枚だが このよう作品を何枚も描いていた だが若い日は二度とは来ないのだ いまは気負ったこの絵に残る若さが眩しい。