七尾城跡
秋草文
閃きを写し取った秋草文は 珠洲焼と云って能登半島に かってあった文様を持つ陶器で ヘラで粘土を引っ掻く 傷跡は線刻され永遠化する 高温で焼かれ美しい陶器となって・・
この珠洲焼を閲して見ると 石川歴史博物館に何点かあるらしい その陶芸を見たいものだと 珠洲焼探訪の旅に出た。
金沢市へは温泉の行った道々で通りすぎるのに 立ち寄ったくらいであり 久しぶりと云うより 始めて来たに等しいところであった。
行ってみると 石川県立博物館は赤レンガの陸軍弾薬庫跡地であって 何棟かあるレンガ造りの壮観な建物 をリニューアルしたもので 常設展の中に一点が秋草文とは違ったモノで珠洲焼があった かなり大きな水瓶で 一抱えくらいは十分あるだろう 直径50~60㎝ 高さ50~60㎝くらいであろう リズムある景色(ヘラのアト)を持って堂々たる表情をして 胡坐を組んだように座っていた 想像していたものを超えるでき栄え と大きさに感激の対面となった おそらく水瓶であろう。 400年前に滅んだという1100度の高温で焼かれ 須恵器の系譜を持つ 幻の土器にわたしの目は満ち足りた。
係の女性は気の毒そうに
「イマ出しているのはこの一点だけなのですが・・・」
わたしはこの一点で十分であった。
外には両手を広げたくらいの幅を持つ 6000年前の栗の木の柱 弥生の土器 この弥生土器の素晴らしいのに会うことが出来た。
落ちついた街並み 木々の霜葉フラリと入った古本屋。
わたしは以前からここの住人のように思えた。