国内外を問わず企業をどんどん買収して、いや今も買収
し続ける日本電産。そのトップの永守重信会長兼CEOの
インタビュー記事から。
ハードディスクなどのIT用、自動車用など時流を得た
特殊小型モーターを軸に発展を続ける日本電産。ブランド
は「Nidec」である。どこかで見た覚えもあろう。
京都赴任時代、同じ京都にある日本電産とは仕事でも
付き合いがあった。「中小企業は大手の倍働かなければ
生き残れない」という永守社長の猛烈ぶりを耳にした。
また、懇意にしていた京都の機械メーカーなども日本
電産に買収された。皆戦々恐々としていた。故郷信州の
三協精機も傘下に入った・・・。
しかし、インタビュー記事から紹介するのは、そんな
猛烈振りではない。
一つは「テレワーク」について。大部屋で机を並べて
仕事をする日本人は、何かあれば上司にお伺いを立てる。
日本人にはテレワークは向かないと思っていたそうだ。
しかし、テレワークなら上司の顔色を見て仕事をする
こともないので「指示待ち型人間」が変わるかもと期待
する。日本人が苦手な自主管理が進むという訳である。
もう一つは若い世代への期待。休校中の学生は授業が
ない不安を感じていると言う。今の若い世代は人生100年
の時代。半年や1年、どうということはない、やることは
何でもある。この間に英語がペラペラになるでもいい。
永守会長が、京都商業高校を前身とする「文系」の京都
学園大学の理事長になったのが2年前。京都先端科学大学
と名を変え、130億円もの私財を投じて工学部を創設した。
これからの日本には、指示待ち型ではなく一芸に秀でる
「とがった人間」が必要だ。今の教育界にはびこる偏差値
と大学ブランド信仰をなくす。大人や先輩が作ったレール
に乗ろうと思うな、会社を起こせと発破をかける。
結局、会社運営も猛烈だが、大学運営、教育にも猛烈で
あった。
ここ何日か天気がすっきりしない。雨上がりの散歩から
近くの公園の緑を。