京都東本願寺の飛地庭園である「渉成園」、いよいよその庭園に入る。
順路は庭園南口③から。
都会の庭園にビルが見えるのは止むを得ない。
日本の有名な庭園はどこも「池」が中心となる。ここの池は「印月池」。
東山に上る月を美しく水面に映すことから名付けられた。広さは1,700坪。
因みに渉成園全体は凡そ200メートル四方で一万坪強である。
その一番奥に見える九重塔は、「光る君」の主人公のモデルの一人と
言われる「源融(ミナモトノトオル)」の供養塔⑧。渉成園は源融が営んだ六条
河原院の跡という説もある。
左に目を転じると「侵雪橋⑨」。渉成園の「十三景」を選んだ頼山陽が
雪を冠したこの橋を愛でて名付けたという。上品な「反り」である。
池の右手、庭園に入ってすぐ右に見える「漱沈居④」。池に乗り出す
ように建てられる。足元は何らかの工事中で近寄れない。
池を背にして眺めるとこの庭園のメインの建物とも言える「閬風亭⑤」
(ロウフウテイ)。明治天皇が休憩した碑が脇に立つ。大広間は畳を上げると
能舞台にもなるという。
庭園のほゞ中央に立つ「傍花閣⑫」は2階(楼門造り)で、桜の脇に
建つので「傍花」である。階段の屋根、丸い脇壁などユニークな佇まい。
階上の四畳半から見晴らして庭園の花々を楽しむところなんだろう。
次回は続きの後半を。