広島のアーチ型の原爆慰霊碑は、建築家丹下健三の設計で
ある。しかし、彼は彫刻家のイサム・ノグチ(1904-1988)が
設計した慰霊碑を推薦した。
しかし、日本人の父とアメリカ人の母の間に生まれ、父は
妻子を残し日本に帰ってしまったイサムはアメリカ国籍。
何を好き好んで原爆を落としたアメリカ人の設計した慰霊碑
など建てるものか、あり得ないと平和委員会などの反対で採用
されなかった。まだ「世界の広島」ではなかった。
イサム・ノグチの原爆慰霊碑、上部(黒)が地表、下部は地下
父を追って母子で来日するなど、日本文化に接したイサム・
ノグチは、特に石と砂で島と海を模す「枯山水」に感嘆する。
花崗岩を知り尽くした石工と知り合ってからは「石」を材料
にした作品が多いという。
ユネスコ本部の庭園
IBM本社庭園
晩年のイサム・ノグチ
(NHKテレビ「イサム・ノグチ 幻の原爆慰霊碑」より)