「やり残しのある人生こそ、素晴らしい人生だ」
山口雅俊(ドラマ脚本)
今朝の「折々のことば」(鷲田清一、朝日新聞一面コラム)
からである。更に、
「きれいに使い切ろうと思うな。無駄の排除ばかり考えて
ると大事なものを見失う。人生は必ず途中で終わる。ぴたり
収支が合うことなどない」。
人生が終盤に差し掛かっても断捨離や終活が進まない私に
とって、ちょっと救われる感じがする言葉である。
思うようには行かなかったこの人生、最後も思うようには
行かないだろうと思えばいいのかも知れない。
テレビドラマ「科捜研の女」(主演:沢口靖子)が23年間の
幕を閉じた。ドラマとしては最長寿記録と言う。
そんなに熱心に観ていたわけではないが、京都赴任時代の
事務所があった研究所がこのドラマのロケに使われていたので
気になるドラマではあった。
ある土曜日、珍しく休日出勤したら総務から「今日はロケが
あるから屋上には出ないように」と連絡があった。
屋上や正面玄関、ロビー、長い廊下などが「科捜研の女」
のロケに使われていることは知っていたが、ロケのある日に
出勤したのは初めて。
中庭を挟んで屋上が見える最上階に事務所があったので、
真っ赤なセーター姿の沢口靖子がチラチラと見えた。
最終回の最終場面、主任である沢口靖子と所員のお別れ
シーンが、京都タワーや五大送り火を望むことが出来るその
屋上だった。