甲子園の決勝は予想通りの手に汗握る好試合となった。
履正社の初盤の3ランが大きかったが、その前に四球で
出塁した二人の打者に感心した。
ファールで粘り、ボールになるスライダーをしっかり
見極めた。大会を通じて、各校多くの打者がこのボールを
空振りした。好打者と言われる選手でも、である。
履正社の憎たらしいほどの強さは大阪桐蔭から学んだ。
昨夏の大阪予選で九回二死から逆転された時、際どい球を
ファールし、ボールを見極める大阪桐蔭の打者の執念。
敗戦の窮地に立っているとは思えない「圧」があった。
昨日、星稜のエース奥川君もこの「圧」に圧倒された
のだろう。
その昨日の午後、突然、救急車のサイレンが鳴り拡声器
が何かを叫ぶ。やがて隣の図書館の屋根を掠めるように
バリバリとヘリコプターが降りて来る。
ドクターヘリだ。今日は本番か訓練か。カメラを掴んで
飛び出すと、既に隣の小学校の校庭に着陸済み。
やがてパトカーも入って来るが、なかなか「患者」が
ヘリに運ばれない。井戸端会議となった奥さんたちに、
「今日も訓練ですかね」と私が言うと、近くの交差点で
事故があったらしいと言う奥さんもいる。
救急車から台車が降ろされるが、その後がない。
やはり訓練だろうと家に入って数分後、ヘリが飛び立った。
結局、本番、訓練、どっちだったんだろう。