じんべえ時悠帖Ⅱ

暉峻淑子の「新・人権宣言」

 バブル絶頂期に、豊かさを踏み間違えた日本は砂上の楼閣のように

崩れていくと予感して「豊かさとは何か?」を著した暉峻淑子(イツコ)。

体験したドイツとの豊かさの違いを分析した。

 予感通りにバブルがはじける過程で明らかになった政治・経済・社会

の病理は、バブルを招いたのと同じ原理・方法で解決を図ったため国民

の生活は押しつぶされ不況の出口を塞ぐと「豊かさの条件」で書いた。

 そして約20年後、96歳になった暉峻淑子が、混迷する日本を救う道を

「承認」をキーワードにして示したのが「承認をひらく」である。

 三郷市の図書館が朝霞市から取り寄せてくれたので借り出しの延長が

できず、かなり読み込み不足であるが恥ずかし気もなく概要を示す。

 この間、時の権力者は森友問題の公文書の改ざんを「承認」して

担当者に押し付け自死に至らしめる。憲法に抵触しそうな事案でも

閣議決定という身内の「承認」でゴリ押しする。

 逆に一部の学術会議メンバーの推薦を「不承認」と言う形で思想

判断する暴挙を行う。引き継いだ岸田首相も「もう決まったこと」と

言い放ち「追承認」する。

 高速道路高架下の高齢者施設、公園隣接地の建築物高さ制限の撤廃

など自治体(区)が申請し、その自治体長が任命する審査会が「承認」

して無理が通っていく。

 多くの都民、国民の寄付で森が出来た明治神宮外苑は、東京五輪に

名を借りた高さ制限撤廃でバカ高い国立競技場が都の審査会で「承認」

され、続く再開発で更に樹木が伐採され高層ビルが計画される。

 一方で、格差社会から「承認されない」と感じての犯罪が増えている。

氷河期での就職困難、非正規雇用の増大などの社会的問題が自己責任と

斬って捨てられる

 この間為政者は資本、企業の安定化だけを画し、国民は二の次の施策

に徹して来た。結果、この国は経済的にも社会的にもどうしようもない

「泥沼」に嵌っている。しからばどう抜け出すのか。

 民主主義の基本は「相互承認」、個人の尊厳から出発し社会的な相互

承認と社会参加を促す活動が個人にも為政者にも求められると、96歳の

暉峻淑子は方向づける。副題の「新・人権宣言」はこれを意味する。

 

今朝の日の出は不発、街中の花たち

あれ、ピントはずれ

 

 

 


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る