「しるけの多いぬかみそづけ」。国語辞典の「どぶ漬け」の説明で
ある。「どぶづけ」は大阪では「どぼづけ」とも言われる。
社会に出て工場の設備の仕事をするようになって「どぶづけメッキ」
を覚えた。亜鉛を溶かした槽に鋼材を浸けて防錆処理をする、いわば
「簡易メッキ」である。
だから、「揚げたての天ぷらを、どぶづけのお酒で楽しむ」という
文言も、「湯を張った槽に徳利を入れた燗酒」だろうと推察する。
どぶづけメッキを知らないと「どぶづけのお酒」は「?」であろう。
(参考:朝日土曜版「街のB級言葉図鑑」)
一方、今朝の一面記事に「『いぶりがっこ』がピンチ」とある。
煙で燻した大根のぬか漬けで、秋田の名物である。なぜ、ピンチか。
食品衛生法の強化で、各地の手作りの漬物の「生産」が大きな影響を
受けるということらしい。衛生施設の整備が必要になり、国際的な衛生
管理手法である「HACCP(ハセップ)に則って、衛生管理の実施状況の
記録と保存が必要になる。
10年前、札幌の高齢者施設などで「浅漬け」の食中毒が起き、8名が
O157で死亡した。同じ樽で何度も野菜を消毒したため消毒液の濃度
不足が引き起こした事故だったのが規制強化の理由と言う。
秋田県では「いぶりがっこ」の生産農家の1/3が販売から撤退する。
曇りの日の暗い花たち