今月から「新・プロジェクトX」が始まった。18年4か月ぶりの
復活である。72歳になった中島みゆきもテーマ曲「地上の星」を
新たに吹き込んだ。語り手は田口トモロヲが継続。
事前のPR番組では、名司会だった国井雅比呂が熱く語った。
彼も75歳になっている。そして司会者は新しくなった。
復活第一回は「東京スカイツリー天空の大工事」。前のシリーズ
でも21作目で東京タワー建設が取り上げられたが、半世紀以上前
とはいろいろな面で様変わりである。
完成から12年の東京スカイツリー、過去色々な角度からドキュ
メンタリー番組が放送されたが、「主題は人なんです(国井)」の
プロジェクトXでは、設計者、施工監理者、鳶(トビ)職人たちを
取り上げた。中でも鳶職人たちの奮闘ぶりがメインとなった。
3本の脚部の組み立てはそれぞれ3つの会社の鳶たちが受け持った。
その一つは橋梁の組立が得意な鳶たち。それでなくても特殊な東京
スカイツリーの構造に戸惑った。他の二つの組の鳶たちに遅れた。
工程の足を引っ張る事態も起き辛辣な言葉を浴びた。それを救った
のは3社共同の「花見」だった。最初はギクシャクしながらも酒を酌み
交わした。打ち解けた。素直に言い合えるようになった。
「盗みに来たな」と言いながら、教えを乞えばノウハウを教えて
くれた。同じようなスピードで進むようになった。
完成間近の2011年。あの東日本大震災が襲った。特殊な工法で
最上部の長い筒を押し上げている時だった。地上600mにいた鳶たち
は「死ぬ」と思った。下方の安全なところまで避難した。
しかし、押し上げるために外したクランプが作業途中だった。
俺たちがやる、といって再び上って行ったのは橋梁を得意とする
あの鳶たちの組だった。
昨日の嵐で満開の桜も吹き飛んだ。3日前の近所の桜風景。