社会人になった時、工場の設備部門に配属された。設計係、
保全係に若手が多く、仕事以外でも徒党を組んでヤンチャを
繰り返していた。
品質管理の小集団活動である「QCサークル」は製造部門を
中心行われていたが、ヤンチャな設備部門の若手にもやらせろ
という工場長の鶴の一声でQCサークルを組まされた。
皆、「なんでや」という思いで「何故QCサークルが必要か」
をテーマにした。数回の討議の結果「品質管理は世のため人の
ため、会社のため、そして自分のため」という結論に達した。
工場発表会前の練習を聞いた上司はホットしたことだろう。
以降のテーマは、技術的なアプローチで設備の品質と製品の
品質の関連を取り上げて何度か優秀賞を取った。
こんなことを思い出したのは、稲盛盛和氏が京セラの創業
間もない頃、賃上げ要求の団体交渉で三日三晩討議した結果、
あの有名な社是を思いついたという逸話による。
「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、
人類、社会の進歩発展に貢献すること」
小集団での経営意識こそ会社の基礎という「アメーバ経営」
に結びついたのである。
京都市南部、京セラ本社ビルは毅然と建つ。
今朝は全天曇り、少し川霧が出ている。昨夜の三日月も
雲の中だった。
明日はもう九月、ここに彼岸花が咲くの日も近い
土手下に建設中のマンション、戸総戸数は200戸ほどか