今日のタイトル「喜びも悲しみも幾年月」が灯台守を描いた映画の
タイトルと判る人はかなりの御年輩だろう。67年前に木下恵介監督が
高峰秀子、佐多啓二の主演で、25年間の灯台守の生活を描いた。
実在の灯台長の妻の手記「海を守る夫と共に20年」が元である。
人里離れた灯台官舎、出産に産婆が間に合わず夫が取り上げた。
「すべてが一体となったような夫への信頼を改めて感じて、恵まれる
ことの少ない私どもでなければおそらくわからないであろう妻の幸福を
しみじみと知った」。
この映画から半世紀後の2006年、長崎県の絶海の孤島、女島(メシマ)の
灯台を最後に無人化が終わり、灯台守は姿を消した。件の手記を書いた
灯台守の妻と夫も赴任した灯台である。
現在、GPSの発達で灯台が減りつつあり、光源もLEDに換わりつつある
という。フランスの物理学者フレネルが、凸レンズの曲面を同心円状に配置
して軽量化した「フレネルレンズ」が姿を消すとういうことになる。
その一方でLEDとフレネルレンズと組合せも検討されているという。
(今朝の朝日土曜版be「サザエさんをさがして」から)
写真は10年前、房総半島を旅した時の野島埼の灯台風景である。