米アマゾン、中国でのネット通販から撤退 競争で苦戦続き
2019/0419/18:00 BBC
米インターネット通販大手アマゾンは18日、中国向け事業縮小の一環として、中国でのネット
通販から撤退する方針を発表した。中国国内企業との競争で苦戦が続いていた。
アマゾンは、今年7月18日に中国国内で第三者の商品をネット通販する「マーケットプレイス」
事業を停止する。中国の消費者は今後、アマゾンの海外プラットフォームで引き続き商品の購入が
可能となる。
中国向けのクラウド事業は今後も継続する。
アマゾンはこれまで、中国ネット通販大手・アリババや電子取引サイト大手・京東商城
(JDドットコム)などのライバル企業との厳しい競争に直面してきた。
ロイター通信が最初に報じたところによると、今回の撤退計画は、海外の商品販売やクラウド
サービス事業など、より利益を上げられる事業に重点を置くためのもの。
アマゾンの広報担当は声明で、「スムーズに移行できるよう、そして可能な限り最高の顧客体験の
提供を継続するために、出品者と緊密に連携」していると説明した。
撤退の背景
アマゾンは2004年、中国の書籍・ビデオ・音楽販売サイトの卓越ドットコムを7500万ドル
(約83億9000万円)で買収した。2007年には社名を卓越ドットコムからアマゾン中国
(Amazon.cn)に変更した。
しかし、JDドットコムやアリババの「天猫(Tモール)」などの中国国内の主要ネット通販企業
との競争に苦しんできた。
米ブルームバーグによると、アマゾン中国を利用する消費者は7月18日以降、海外のプラット
フォームで商品を閲覧できる。
アマゾンは現在、将来的な収益を見込んでインドに巨額の投資をしており、今後は世界第2位の
経済大国である中国からインドへと軸足を移すこととなる。
同社はインド国内のEコマース(電子商取引)に55億ドル(約6155億7600万円)を投資することを
約束している。インドでの競合相手は、Eコマース最大手のフリップカート(Flipkart)。
昨年には、インド国内で何百万人もの新しい顧客を獲得するため、携帯電話用ウェブサイトと
スマートフォンアプリのヒンディー語版を立ち上げた。
(英語記事 Amazon plans to shut online store in China