日印首脳会談
平成29年7月7日 首相官邸
1 安倍総理は,7月7日15時05分から15時40分までの間,G20出席のため訪問中のドイツ・ハンブルクにて,ナレンドラ・モディ・インド首相との間で会
談(両首脳間で9回目)を行いました。
2 冒頭,モディ首相より,国際会議の機会のたびにお会いでき嬉しく思う,2014年以来の日印のパートナーシップは大きく開花しており,
安倍総理のインド訪問を心待ちにしていると述べました。これに対し,安倍総理から,昨年日本でお会いして以来,再会できて嬉しい,日印の戦略的な対
話は進んでおり,本年のインド訪問を楽しみにしていると述べました。
3 安倍総理より,モディ首相と共に「日印新時代」を更に大きく飛躍させ,インド太平洋地域と世界の平和と繁栄を主導していきたい,来るインド訪問にお
いては,「自由で開かれたインド太平洋戦略」と「アクト・イースト」政策の連携を具体的に示したい,と述べました。これに対し,モディ首相より,日印両国
は民主主義や法の支配の秩序作りの上で大きな役割を果たす、日印の連携を更に一層強化していきたいと述べました。
4 その後,両首相は,政治・安全保障,高速鉄道,経済・経済協力等の日印間の主要課題,さらに地域情勢について率直な意見交換を行いました。
(1)安倍総理より,来週の日印米海上共同訓練マラバールは日印防衛協力,日印米協力の象徴であると述べ,モディ首相からも日本との防衛協力,日
印米三か国による具体的協力を更に進めていきたいと述べました。
(2)安倍総理より,日印原子力協定(PDF)の早期発効及び原子力協力の具体化への期待を表明し,モディ首相より日本側取組への謝意が表明されました。
(3)両首相は,ムンバイ・アーメダバード間の高速鉄道についても,具体的成果を早期に示せるよう着実に進めていくことで一致しました。
(4)両首相は,地域の諸課題について,首脳間での率直な議論が重要であることで一致するとともに,北朝鮮をめぐる問題等について更に情報交換を行
い,国際社会による制裁が実効的なものとなるよう緊密に連携していくことを確認しました。
日・トルコ首脳会談
平成29年7月7日 首相官邸
7月7日午後3時53分から約40分間,安倍晋三内閣総理大臣はG20出席のため訪問中のドイツ・ハンブルクにおいて,レジェップ・タイップ・エルドアン・
トルコ共和国大統領(H.E. Mr. Recep Tayyip ERDOGAN, President of the Republic of Turkey)と首脳会談を行ったところ,概要は以下のとお
りです。
1 冒頭
安倍総理から,昨年のクーデター未遂を克服し,困難な時期に憲法改正国民投票の実施に踏み切り,国民の支持を勝ち取ったエルドアン大
統領の決断力に改めて敬意を表する,先日のチャヴシュオール外相訪日では両国間の歴史的な友好関係に基づいた多層的な二国間関係の
構築で一致しており,我々首脳間の絆も益々強くしていきたい旨述べました。
エルドアン大統領から,安倍総理と再会できて嬉しい,クーデター未遂事案が発生した際にトルコに対して支援を表明してくれた最初のリー
ダーとして改めて感謝する旨述べました。
2 二国間関係
(1)安倍総理から,様々なレベルで両国民間の交流を深めていきたい旨述べたほか,日本企業のトルコへの関心の高さに言及しつつ,更なる
貿易・投資拡大に向けEPAや社会保障協定の交渉を進めたい,宇宙分野における協力促進を含め,今後もトルコにおけるインフラ事業への日
本企業の参画を期待する旨述べました。
また,安倍総理から,トルコ・日本科学技術大学設置法のトルコ国内での発効を歓迎し,未来に向けた両国間協力の重要な基盤となる同大
学設立に向けた協力を再確認しました。
(2)これに対し,エルドアン大統領から,日本との協力を重視しており,さらなる両国間の経済関係の発展のためにもトルコへの日本人観光客
を増やしたい,トルコ・日本科学技術大学は優秀な研究者や学生を一堂に会させる重要なプロジェクトである旨述べました。
3 地域情勢
このほか,両首脳は,北朝鮮や中東情勢について意見交換を行いました。
日・シンガポール首脳会談
平成29年7月8日 首相官邸
本8日,午前10時50分から約30分間,安倍晋三内閣総理大臣は,G20に出席するため訪問中のドイツにおいて,リー・シェンロン・シンガ
ポール首相(H.E. Mr. LEE Hsien Loong,Prime Minister, the Republic of Singapore)と会談したところ,概要は以下のとおりです。
会談には,野上内閣官房副長官他が同席しました。
1 冒頭,安倍総理から,リー首相の訪日,タン大統領の国賓訪日を含め,昨年は両国外交関係樹立50周年を大いに盛り上げることができ
た,次の半世紀も,協力関係を一層発展させたい旨述べました。これに対し,リー首相からは,九州の洪水についてお悔やみを述べるととも
に,昨年の外交50周年における様々な成果を基礎に,さらに二国間関係を進化させたい旨述べました。
2 マレーシア・シンガポール高速鉄道計画について,リー首相より,年末までに入札手続きを開始するので,強力な提案をお待ちしている旨述
べたところ,安倍総理から,シンガポールの要望に沿った提案を行うので,新幹線の導入を強く期待する旨述べました。
3 安倍総理より,日EU・EPAの大枠合意に達したことを紹介し,両首脳は,TPPの早期実現及び質の高いRCEPの早期妥結を目指し緊密に
連携することを確認しました。
4 両首脳は,南シナ海をめぐる問題や北朝鮮についても意見交換を行い,緊密に連携していくことを確認しました。また,安倍総理大臣から
拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求め,支持を得ました。
日・ノルウェー首脳会談
平成29年7月8日 首相官邸
現地時間7月8日12時40分から約35分間,G20ハンブルク・サミットに出席するためドイツ・ハンブルクを訪問中の安倍総理は,
ソールベルグ・ノルウェー首相と日ノルウェー首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 総論
(1)両首脳は,海洋における法の支配の徹底や北極等の幅広い分野で,協力関係を一層発展させていくことで一致しました。
(2)安倍総理から,捕鯨分野での良好な協力関係を維持したい旨述べました。
2 二国間関係
(1)両首脳は,親密な皇室・王室関係を基礎として,女性の活躍やイノベーション等の幅広い分野で協力を促進していくことで一致しました。
(2)安倍総理から,本年も「国際女性会議WAW!」を東京で開催予定である旨紹介し,両首脳は,世界でのジェンダー平等達成のため,今
後とも協力していくことを確認しました。
3 地域情勢
(1)東シナ海・南シナ海情勢について,両首脳は,法の支配に基づく国際秩序の維持のため,引き続き緊密に連携していくことで一致しまし
た。また,中国との二国間関係についても意見交換を行いました。
(2)北朝鮮については,両首脳は,7月4日の北朝鮮による弾道ミサイル発射も踏まえ,北朝鮮への圧力強化が必要であることを確認しまし
た。また,安倍総理から,拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求めました。
(3)ロシアについては,安倍総理から,最近の日露関係について説明し,ソールベルグ首相からもロシアとの関係について説明がありました。
4 英国のEU離脱
両首脳は,英国のEU離脱による企業への影響を最小化するべく,英国及びEUへの働きかけにおいて緊密に連携していくことで一致しました