欧州がWHOの不足金を負担=欧州委員会上級代表
2020年04月17日 10:38 SPUTNIK
欧州連合(EU)の政策執行機関として知られる欧州委員会(EC)のジョセップ・ボレル・
フォンテジェス外務・安全保障政策上級代表は、米国が世界保健機関(WHO)への財政
支出を停止したことを受けて、EUが追加で負担金を支払い、組織の活動を支援する考えを
示した。
フォンテジェス上級代表は16日、WHOのテドロス事務局長と電話会談を行い、
新型コロナウイルスの感染対策について協議を行った。その中でフォンテジェス上級代表
は、米国がWHOの負担金を停止したことに懸念を示し、EUが不足金を負担することで
その活動を支援するとした。また、トランプ大統領のWHO批判を踏まえ、ウイルスに
「国境はない」として、共闘する必要性を主張した。
先にEUはWHOの新型コロナウイルス対策に1億1400万ユーロ規模の財政支出を行っていた。
米国のトランプ大統領は14日、WHOへの財政支出を停止する考えを示した。
トランプ大統領は、WHOが中国が提供した新型コロナウイルスに関する信憑性の低い
情報を広め、パンデミックに拡大した時期に重要な課題に取り組まなかったとしてWHOの
対策を痛烈に非難した。
G7首脳がWHO改革を議論、米発表、日英加は連携強調
2020年 4月 17日 8:26 AM JST REUTERS
米ホワイトハウスは16日、G7首脳のテレビ会議で、WHOの組織機構の見直しや
改革を求める声が上がったと明らかにした。
[ワシントン 16日 ロイター] - 主要7カ国(G7)の首脳は16日、新型コロナ
ウイルスに関するテレビ会議を行った。米ホワイトハウスは、世界保健機関(WHO)の
組織機構の見直しや改革を求める声が上がったと明らかにした。
ホワイトハウスは声明で「G7首脳は今般の健康危機とそれに伴う人道的・経済的
惨事に対する強力かつ国際的な協調対応を確実にし、強く持続的な回復を実現するべく、
引き続きあらゆる必要な措置の実行を約束する」と表明。
その上で「G7諸国は年間で10億ドルを超える資金をWHOに拠出しており、
会議ではWHOの透明性欠如や新型コロナを巡る不適切な管理体制が議論の焦点となった」
と述べた。
日本の外務省によると、安倍晋三首相は会議で、強力な経済政策や緊急事態宣言の
拡大など日本の対応を説明するとともに、治療薬の開発および普及や医療保健体制の
脆弱な国々への支援の重要性などを訴えた。
カナダのトルドー首相は会議後記者団に、「われわれは引き続き、人々への支援や
危機後の景気回復のために、できることは何でもする決意だ」と表明。
また、G7はワクチン開発のための国際的な取り組みを支持していると語った。
トランプ米大統領がWHOへの資金拠出の停止を決定したことに他国が抗議したかとの
質問には直接回答せず、「国際的協調が必要となっており、WHOは連携・協調の
重要な一部だ。問題が提起されているのは認識しているが、同時に、協調を継続する
ことが非常に重要だ」と述べるにとどめた。
英政府は会議後に出した声明で、G7首脳は新型コロナの世界的な感染拡大を
止めるのに「治療薬とワクチンの迅速な開発と生産が極めて重要になるとの見解で
一致した」と表明した。
新型コロナ感染症から回復後に療養中のジョンソン首相の代理を務めるラーブ外相が
テレビ会議に参加。声明によると、「外相は国際的に協調した対応の必要性を強調した」
という。
一方、メルケル氏は新型コロナへの対応には国際連携が欠かせないとの認識を表明し、
WHOを全面的に支持する立場を示した。フランスのマクロン大統領も同様の立場を
強調した。
安倍総理大臣は、新型コロナウイルスの特別措置法に基づく「緊急事態宣言」の
対象地域を全国に拡大したことや緊急経済対策など、日本の取り組みを説明しました。
そのうえで安倍総理大臣は、ウイルスによる感染症への治療効果が期待されている
「アビガン」について、希望する国に無償で供与し、臨床研究を拡大していく考えを示し、
世界の英知を結集して治療薬の開発と普及を進めていくべきだと強調しました。
また安倍総理大臣は、アフリカや東南アジアなど、保健システムがぜい弱な地域への
支援や、世界全体の感染症予防体制の強化、危機に強い経済を構築する必要性を訴え、
各国からは賛同が得られたということです。
そして、各国首脳らは、感染が終息したあと、経済活動を安全な形で再開するための
準備が必要だという認識で一致しました。