イエメン内戦、西部ホデイダで戦闘激化 住民数千人が避難
2018.06.17 Sun posted at 14:23 JST CNN
(CNN) 内戦が続くイエメンで、サウジアラビア主導の有志連合が反政府武装組織「フーシ」からの奪還を
目指す西部ホデイダでの戦闘が激化し、空港周辺の住民数千人が避難を強いられている。
避難民の正確な人数は明らかでない。しかし地元の活動家や匿名の当局者によると、16日朝の時点で同市から
北部へ向かう車数百台の列が確認された。
有志連合によるホデイダ奪還作戦は13日から始まった。フーシの治安担当者3人が語ったところによると、
数百人の有志連合部隊が空港付近を包囲し、ゲートで衝突が起きている。
サウジの政府機関、国際通信センターはツイッター上で、有志連合が空港内に入ったと発表したが、
フーシ側の3人はこれを否定している。
人道支援NGOのノルウェー難民委員会(NRC)は16日、ホデイダでの戦闘が人口密集地に迫り、
現地の人道団体はほぼ全面的な活動停止を余儀なくされたと報告した。同市南郊では多くの人が負傷したり
家を失ったりしているとみられるが、人道団体はこの地域に近付くこともできない状態だという。
NRCの担当者は、これまでに国内のほかの地域から着の身着のままホデイダへ流れ込んだ数万人の避難民に
食料や飲料水を届けることもできないとして、「深い懸念」を示した。
国連からはイエメン担当のグリフィス特使が16日に首都サヌアに到着し、各方面と接触して自制を呼び掛けている。
同国では2015年、フーシが親米派のハディ暫定大統領を追放してから内戦状態に突入。
ハディ氏を支援する有志連合と、イランの支援を受けるフーシの攻防が続いている。
イエメン内戦、米がUAEの支援要請を拒否 港湾奪還作戦で
2018.06.15 Fri posted at 14:41 JST CNN
(CNN) イエメン内戦でサウジアラビア主導の有志連合軍が暫定政権を支える作戦を開始するなか、
米国が連合軍に加わるアラブ首長国連邦(UAE)からの支援要請を拒否していたことが15日までに分かった。
米国とUAEの当局者がCNNに対し明らかにした。
イエメン内戦で米国がUAEの支援要請を拒否していたことがわかった
UAEの当局者がCNNに語ったところによると、米国は諜報(ちょうほう)、監視、偵察といった活動への支援を拒否。
また掃海艇の使用に関する要請も断ったという。
有志連合は、イエメンの港湾都市で物資輸入の最重要拠点となっているホデイダの奪還を目指しているが、
イランの支援を受けて同市を制圧する反政府武装組織フーシは沿岸部に機雷を設置。奪還を実現するには掃海艇による
機雷の排除が必要な状況となっている。
UAEの当局者は、現在、掃海艇1隻がフランスから到着するのを待っていると明らかにした。
米当局者は、実際に掃海艇への要請があったこと並びにそれを拒否したことを確認した。
UAEの当局者は、米国から要請を拒否した理由の説明はなかったと述べた。ただ作戦により民間人が死傷するとの
懸念から、米議会が協力に反対したのではないかとの見方を示した。
ホデイダの奪還作戦については数十万人の生命が危険にさらされるとの推計もあり、ここ数日にわたり複数の
米議員が公の場で批判していた。
イエメン内戦ではこれまで住民ら数千人が死亡。フーシは2015年、国土の多くを制圧し、
有志連合が軍事介入に踏み切っていた。現状は中東の主導権をめぐるサウジ、イランの代理戦争の様相も呈している。