日本カビが世界的流行 海外で強毒化し死者も、上陸警戒
2017.10.8 05:00 産経新聞
通称「日本カビ」と呼ばれる真菌カンジダ・アウリス(槇村浩一教授提供)
平成21年に日本人研究者が「新種」として世界で初めて報告した真菌(カビ)「カンジダ・アウリス」(通称・日本カビ)が、欧米や
アジアで真菌感染症として初めてのパンデミック(世界的流行)を引き起こしていることが分かった。抵抗力の弱い入院患者が
死亡する事例も報告され、警戒が必要だ。
日本カビは、帝京大大学院医学研究科の槇村浩一教授が17年に70歳の女性患者の耳漏(耳だれ)から発見した。
このとき見つかったカビは病原性が低く、抗菌薬に対する耐性も示さなかった。ところがその後、韓国やインド、パキスタン、英国、
米国、南アフリカなど海外でも同じカビが発見され、23(2011)年には韓国で患者が敗血症で死亡する事例が報告された。
米国でも今年122例(昨年7例)の感染が報告され死者も多く出ており、英国でも8月までに200例以上の感染が確認された。
日本から広がったのではなく、もともと各国に同種のカビがあったとみられる。
懸念されるのが、治療薬が効かない耐性化だ。米国では9割以上の株が、最優先で選択される治療薬への耐性を獲得。
半分の株は2種類以上の抗菌薬に耐性を持っていた。全抗菌薬が効かない株も4%あったという。韓国やインドでも耐性化が
確認されている。 槇村教授は「日本では明らかな耐性化は認められていないが、海外で強毒耐性化した真菌が、健康な人の
体にすみ着いて日本に持ち込まれる可能性は高い」と話している。
■アメリカでは9割以上の株が、一番使用される治療薬への耐性を持っていることが確認される。
■半分の株は2種類以上の抗菌薬に耐性を持っていたことも確認される。
■全抗菌薬が効かない株も4%あったことも確認される。
■その他の国、韓国やインドでも耐性化が確認される
カンジダ・アウリス(日本カビ)に感染しやすい方は、、
■外科治療を受けたばかりの人
■糖尿病患者
■治療のため広範囲に抗生物質、抗真菌剤を使用した方
■中心カテーテル使用者
予防法は
手洗い、うがい、体や衣服を清潔に保つ。バランスよい食事で体の抵抗力を保つ。と基本的なことの励行でしょうか。