中国、宇宙実験室「天宮2号」打ち上げに成功
[北京 15日 ロイター] - 中国の無人宇宙実験室「天宮2号」が15日夜、内モンゴル自治区の酒泉衛星発射センターから打ち上げられ、予定の軌道に乗ることに成功した。2022年ごろまでに独自の宇宙ステーションを建設する計画の一環。
中国は2011年9月に最初の宇宙実験室「天宮1号」を打ち上げた。「天宮2号」はその後継機で、現地時間15日午後10時(1400GMT、日本時間午後11時)に打ち上げられ、その様子は国営テレビで生放送された。
10月には2人の宇宙飛行士を乗せた宇宙船「神舟11号」が打ち上げられ、軌道上で「天宮2号」とドッキングする。
宇宙飛行士らは「天宮2号」に1カ月前後滞在し、将来の宇宙ステーション運用に向けたシステムの試験や各種の科学実験などを行う。
中国の宇宙開発計画の当局者は今年4月、2022年の運用開始を目指して、2018年ごろから独自の宇宙ステーションの建設を始める計画を明らかにしている
Live Launch of TianGong #2, 2016-9-15
中国は独自(ロシアとの協力はあったと思うが)で宇宙開発を行ってきた。財力といい、技術発展の速さといい凄いと思う。
軍事力を強大にしアジアを脅かしている。宇宙で米国、ロシをリードする時がきたら中国はどうなるのか。
宇宙でも覇者になり中華思想を繰り広げそうだ。
数百年先のことだろうから、中国の存在もわからない未知の危惧でしかないが。
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<参考>
「中国外し」の宇宙開発には限界
The US-China Space Rivalry
NASAが中国と協力することは禁じられているが、存在感を強める中国を無視し続けるのは難しい
昔なら現実離れしたストーリーに思えただろうが、今は違う。中国は宇宙開発大国として急速に台頭しつつある。
中国がフロンティアのそのまた先を目指すのは、最近に始まったことではない。かつて中国人は世界で最も意欲的な探検家だった。空の星を頼りに航海
に乗り出した明の時代の探検家である鄭和は、コロンブスより早く北米大陸に到達し、マゼランより早く世界一周を成し遂げた可能性もある。中国は再びフ
ロン ティアに挑み始めた。今度は空の星に頼るのではなく、そこに到達することを目指している。
中国は来年、アメリカのアレシボ天文台(プエルトリコ)を上回る世界最大の電波望遠鏡を完成させる予定だ。世界最大の太陽望遠鏡の建設も計画して
いる。その大きさは、アメリカが現在ハワイに建設中のものの倍近くに達する。
先月には独自の火星探査機をお披露目し、来年には宇宙ステーション「天宮2号」を打ち上げる。22年頃には有人宇宙ステーションを稼働させたいと、
中国当局は考えている。
中国の宇宙開発に対するアメリカの姿勢は一貫しない。9月には、米国務省と中国国家航天局が民生部門の宇宙対話を始めたが、NASA(米航空宇
宙 局)とホワイトハウスの科学技術政策局(OSTP)は現在、連邦政府の資金を使って中国の政府および企業と協力することを一切禁じられている。中国
政府関 係者をNASAの施設内に通すこともできない。
禁止措置は一時的だと、NASAのチャールズ・ボールデン長官は述べている。「有人宇宙飛行を望む国はどこであれ、人員を宇宙に送り込んでくれる国
があるのなら、いかなる国の力も借りる」というのが理由だ。
コストという「共通の敵」
近く、中国がその国になるかもしれない。中国は宇宙開発で目覚ましい前進を遂げてきたし、そのことに誇りを感じてはいるものの、20世紀の米ソの 宇
宙開発競争と違ってライバルへの激しい敵意は抱いていない。中国人初の宇宙飛行に成功した楊利偉(ヤン・リーウェイ)は、宇宙船内で中国国旗と国連
旗を 一緒に掲げた。
中国はこれまで、ブラジル、ドイツ、フランス、イタリア、ロシア、スウェーデン、欧州宇宙機関(ESA)と協力してきた。嫌でも目につくのは、アメリカが含ま
れていないことだ。
どうして、アメリカは中国との宇宙協力を避けるのか。米海軍大学校のジョアン・ジョンソンフリース教授(国家安全保障問題)の言葉を借りれば、それは
「政治的パフォーマンス」の産物なのかもしれない。
下院歳出委員会商業・司法・科学小委員会のフランク・ウルフ前委員長が11年のNASA歳出予算法案に、中国との協力を禁じる条項を盛り込んだの
は、中国の人権問題が理由だった。ウルフは、中国をナチスになぞらえたこともある対中強硬派だ。この条項により、中国人の科学者は国際宇宙ステー
ション (ISS)に搭乗できない。
ウルフは昨年引退したが、後任のジョン・カルバートソン小委員長も、「赤い中国をわが国の宇宙開発プログラムから排除」し続ける意向を示している。
もっとも、これにより人権問題に関する中国の姿勢が変わることはないだろう。アメリカ以外の国が同調していないからだ。
アメリカの一部の情報機関当局者の間には、技術交流を行うと中国に軍事利用されるのではないかという懸念もある。根拠のない懸念ではない。中国
は07年1月、自国の気象衛星を標的に用いて衛星破壊実験を成功させている。
当時の劉建超(リウ・チエンチャオ)中国外務省報道局長は、「脅威を感じる必要はない」「宇宙空間で軍拡競争をするつもりはない」と述べていた。 しか
し、米中経済安全保障調査委員会(米議会の諮問機関)が最近発表した報告書によれば、中国は衛星破壊ミサイルを含む「広範かつ強力な」宇宙兵器
の開発 を進めているという。
意図がどうあれ、中国の宇宙開発は大半の国を圧倒している。清華大学(北京)の宝音賀西(パオイン・ホーシー)教授(宇宙工学)に言わせれば、こ の
見方は過大評価だ。「中国は途上国だ。産業と技術の基盤はまだとても弱い。宇宙開発でアメリカを追い抜くのは、何百年も先だろう。そもそも、そんな日
が 来るのかも定かでない」
それでも、宇宙開発を力強く前進させている中国を含めた国際協力体制を構築することには大きな利点がある。それは資源を節約できることだ。「共通
の目的は、宇宙を理解すること。共通の敵は、複雑性とコスト」と、ISSの船長を務めたカナダの元宇宙飛行士クリス・ハドフィールドは述べている。国際協
力を行えば、貴重な時間と予算を節約できる。
アメリカと中国が宇宙空間で「共通の敵」と戦うために手を結ぶ日は、訪れるのだろうか。
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