香港に首相「深く憂慮」。中国へ厳しい態度迫られた政権
2020年6月9日 21時05分 朝日新聞
衆院予算委が開かれる第1委員室に入る安倍晋三首相=2020年6月9日午前8時52分、
中国が香港での反体制的な言動を取り締まる「国家安全法制」の導入を決めたことに
ついて、安倍晋三首相は9日の衆院予算委員会で「深く憂慮している」と述べ、日本の
立場を改めて強調した。茂木敏充外相も9日の記者会見で主要7カ国(G7)と
「適切なメッセージの発信を行っていく」と述べた。
首相は予算委で「香港は緊密な経済関係や人的交流を有する重要なパートナーだ。
自由で開かれた体制が維持され、民主的・安定的に発展していくことが重要だ」と語った。
外務省幹部によると、日本政府は中国に対し、香港の「一国二制度」維持を求める
G7外相による共同声明を近く出す方向で、議長国の米国に働きかけている。
ただ、新型コロナウイルスの感染拡大で、中国の支援を受けたイタリアが慎重姿勢をとる
可能性もある。
政府、香港問題でG7外相共同声明を検討=関係筋
2020年6月8日 / 22:32 / REUTERS
政府は、中国による香港への国家安全法制導入に関して、主要7カ国(G7)外相会談で共同声明を出す方向で検討を始めた。関係者が8日までに明らかにした。2019香港デモ(2019年 ロイター/TYRONE SIU)
[東京 8日 ロイター] - 政府は、中国による香港への国家安全法制導入に関して、
主要7カ国(G7)外相会談で共同声明を出す方向で検討を始めた。関係者が8日
までに明らかにした。
同関係者は「G7で何らかのメッセージを出したい」と語った。経済制裁などの具体的
行動は現時点で俎上になく、あくまでメッセージによって、国際社会の懸念を表明
するのが狙い。
今後関係各国と調整する意向だ。中国へのけん制に加え、習近平国家主席の国賓としての
来日を控え、日本が中国に配慮しているとの国際社会の見方も払拭する狙いがある。
安倍晋三首相は8日の衆院本会議で、香港に対する国家安全法制の導入に関し、
「香港の情勢を深く憂慮している」と指摘。香港は「わが国にとって緊密な経済関係、
人的交流を有する極めて重要なパートナーであり、一国二制度のもとに、従来の自由で
開かれた体制が維持され、民主的・安定的に発展していくことが重要であるというのが
わが国の一貫した方針」と強調した。「中国側に適切な対応を求めており、引き続き
状況を注視し、関係国と連携し適切に対応する」と語った
安倍総理「全人代での香港に関する議決に深く憂慮してる。香港は重要なパートナーであり、従来体制が維持され、民主的・安定的発展が重要で、中国に適切対応を求めてる。また中国の尖閣侵入は遺憾で厳重抗議してる。領土・領海・領空を守り抜くべく対処する」
— Dappi (@dappi2019) June 8, 2020
中国の言動を批判する安倍総理#kokkai pic.twitter.com/h0sbLCOeY6