朴槿恵被告、リッチな獄中生活と他の受刑者との待遇差
歴代大統領が次々と投獄されてきた韓国でも、前代未聞の事態である。“初の女性大統領”の栄誉に浴した朴槿恵が、
実刑判決を受け初の「女性刑務所に収監された元大統領」になろうとしている。彼女は、刑務所でどんな生活を
送るのか--。
4月6日、ソウル中央地裁は、朴槿恵に対して実刑判決を言い渡した。“親友の占い師”こと崔順実(チェスンシル)と
共謀し、韓国ロッテ・グループから約7億円の賄賂を受け取った収賄罪をはじめ、複数の財閥から約77億円を崔順実の
財団に拠出させた職権乱用罪など起訴内容の多くが有罪となった。
“青瓦台のプリンセス”を待つのは、約18億円の罰金と24年におよぶ獄中生活だ。在韓ジャーナリストの
藤原修平氏が、その一端を明かす。
「現在、朴氏が暮らしているのは、四畳半に満たないソウル拘置所の独房です。中には便器と洗面台、小さな座卓、
据え付けテレビと荷物棚だけ。布団はなく、折り畳み式のマットレスと毛布が支給されます。
拘置所での最初の食事は、食パンとチーズだったそうです」
一審判決を受けた朴槿恵の次の移送先として有力視されるのが、清州女子矯導所だ。地下1階、地上4階建ての
韓国唯一の女性専用刑務所である。
「清州の独房を覗いたことがありますが、狭くて暗く、話し相手がいないとキツそうでした」
かつて、麻薬密輸の罪で同刑務所に約2年間服役し、その経験を『韓国女子刑務所ギャル日記』(辰巳出版)という
本にまとめた仲河亜輝さんはそう振り返る。彼女は外国人8~9人用の雑居房に収監されていた。
「床暖房があるので、冬は大丈夫なんですけど、夏は冷房がないから辛い。それなのに、お風呂は夏でも週に2回だけ。
看守の目を盗んで、洗面台からバケツに水を汲んで、部屋のトイレでこっそり水浴びしたり、濡らしたタオルで身体を
拭いたりしていました」
清州女子矯導所では、多くの囚人が刑務作業に従事する。
「刑務所内にはいくつかの工場があって、私は縫製係でした。毎日、朝の8時から夕方5時まで、週5日間働いて、
月給(作業報奨金)が1万円ぐらいにしかなりません」
これまで“セレブ生活”を謳歌してきた朴槿恵が、こんな獄中生活に身をやつすことになるのか……。
◆特別な独房が用意される
ところがそんな心配は、朴槿恵には当てはまらないらしい。今までの話は庶民の場合で、実は韓国では、塀の中でも
“沙汰はカネ次第”という。
一般に刑務所では、受刑者の資産を「領置金」という形で施設が預かる。日本では「嗜好品は購入不可」など
厳しい制限が課されるが、韓国では1日の使用金額に上限があるだけで、菓子や化粧品も購入できる。刑務作業も
義務ではない。「領置金」に余裕があれば、コーヒー片手に本や雑誌を読みふけりながら過ごすこともできるのである。
費用は自己負担だが、パーマは3か月に1回、染髪は2か月に1回、刑務所を訪問する美容師にやってもらえるという。
朴政権で文化体育観光部長官を務め、後に職権濫用で逮捕された趙允旋は、刑務所内で毎日、領置金の
上限額(1日約4000円)を使い切り、拘置所での1か月で、約11万円も散財したという。朴槿恵にとって11万円など、
小遣いの足しにもならない額だろうが、日本では考えられない“リッチな獄中生活”を送ることができる。
加えて、朴槿恵にはこんな特別待遇も約束されている。
「韓国では、これまでも全斗煥や盧泰愚といった大統領経験者が収監される際、あからさまな特別扱いがなされて
きました。たとえば、広い雑居房を改造して独房にしたり、房に応接室や接見室をつけたり。一般の囚人は“
煎餅布団”で寝ているのに、彼らには特別なベッドが支給されていました。
朴氏が清州に移送されたら特別な独房が新しく設置され、優雅に暮らせるような環境が整えられるという話も
出ています。朴氏はさっそく腰の状態が良くないと主張して、“特別ベッド”を要求するとみられています」(韓国紙記者)
2018.4.17 16:25 Newsポストセブン