朴槿恵前大統領の実刑を破棄。韓国最高裁、審理差し戻し
ソウル=武田肇 2019年8月29日19時04分 朝日新聞
韓国の前大統領、朴槿恵(パククネ)被告(67)=収賄罪などで二審で懲役25年、罰金200億
ウォン(約17億4千万円)の実刑判決=ら3人が起訴された事件で、韓国大法院(最高裁)は29日、
3人に対する二審判決をそれぞれ破棄し、審理をソウル高裁に差し戻した。金命洙・大法院長は、
一、二審には量刑などについて誤りがあると理由を述べた。
ほかの2被告は、朴前大統領と共謀した罪に問われた支援者のチェ・スンシル被告(63)=二審で
懲役20年、罰金200億ウォンの実刑判決=と、贈賄罪などに問われたサムスングループ実質トップの
サムスン電子副会長、李在鎔(イジェヨン)被告(51)=二審で懲役2年6カ月執行猶予4年の
有罪判決。
大法院は、李副会長が無罪を主張したチェ氏の娘への馬の提供や、チェ氏の親族が設立した
「韓国冬季スポーツ英才センター」への資金提供について、前大統領への不正な請託に対する見返り
だったと認定。二審判決はこれらの賄賂性を認めず、賄賂額を約36億ウォンとしたが、大法院の判断を
踏まえると、賄賂額が約50億ウォン増える可能性がある。
韓国で執行猶予付き判決は、懲役3年以下の場合に出される。賄賂の範囲が広がったことで、韓国の
法曹関係者は「差し戻し審では李副会長に実刑判決が出る公算が大きい」と指摘した。
李副会長が実刑判決を受ける可能性が出てきたことを受け、韓国財界を代表する経済団体
「全国経済人連合会」(全経連)は「サムスンの経営活動の萎縮が韓国経済に多大な影響を与える
のではないかと憂慮する」との論評を出した。
朴槿恵前大統領の支持者ら、ソウルの最高裁前で釈放求めるデモ
2019年8月29日 22:43 発信地:ソウル/韓国 AFP
【8月29日 AFP】韓国・ソウルの大法院(最高裁)前で29日、前大統領の朴槿恵(パク・クネ、
Park Geun-Hye)被告の支持者らが集まり、釈放を求めて抗議デモを行った。