習主席、技術分野での協力をチリ政府に要請 「一帯一路」構想の早期実現へ
アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は18日、2日目を迎えた。中国の習近平国家主席は
チリのセバスティアン・ピニェラ大統領と会談を行い、両国間の技術分野における協力、
および広域経済圏構想「一帯一路」の実現に向けた関係強化の必要性を訴えた。
習国家主席は「チリは中国と国交を樹立した最初の南アメリカの国だ。両国における相互協力関係の
さらなる進展に期待している」と述べた上で、技術分野における両国関係の深化に向けた用意があることを
明らかにした。
チリは1970年12月、中国と国交を樹立した。
中国の新華社通信は「チリは中国とラテンアメリカ諸国の関係の発展過程において多くの『ナンバーワン』を
創り出し、中国・ラテンアメリカの協力を推進する先駆者」だと評価している。
習国家主席はまた、「中国・チリ両国は『一帯一路』構想に関する政府間協定に調印した。
両国は同構想の早期実現に向け重要分野ならびにプロジェクトを策定する必要がある」との考えを示し、
チリ政府に対し一帯一路構想の推進に向けた関係強化を要請した。
一方、ピニェラ大統領は「両国の関係は信頼できる強固なものだ。われわれは貿易、投資、インフラ、
テクノロジー分野における対中関係を深化させていく用意がある」と強調した。
APEC首脳会議はパプアニューギニアの首都ポートモレスビーで開催中。日本、米国、オーストラリアの
3カ国は先に、インド太平洋地域におけるインフラ協力強化に向けた共同声明を発表している。
<APEC>APECの舞台裏で攻防 防衛ラインの第2列島線めぐり日米豪と中国 / 日米豪共同声明、インフラで協力。太平洋地域、中国に対抗
米国は中国の投資方針への批判を強め、アジア太平洋地域におけるインフラ投資を進める考えだ。
この背景には「一帯一路」構想を通じて影響力の拡大を図る中国に対抗する狙いがあるとされる。
習近平国家主席がチリのピニェラ大統領と会談
習近平国家主席は17日、パプアニューギニアの首都ポートモレスビーでチリのピニェラ大統領と会談した。
新華社が伝えた。
習主席は、「中国とチリは『一帯一路(the Belt and Road)』政府間協力協議をすでに結んでおり、
今後は重点分野とプロジェクトを決定し、早期での成果実現を手にしていかなければならない。
そして両国の協力メカニズムの役割を十分に発揮し、中国とチリの自由貿易協定のアップグレードを
契機として、両国の貿易規模の拡大を推し進め、貿易構造の最適化を図り、投資協力を深化させ、
重要なコネクティビティプロジェクトをしっかりと推し進めていく必要がある。
さらに2020年の中国・チリ国交樹立50周年を迎えるにあたり、両国は共同で一連の祝賀イベントを
行う必要がある。
中国側はチリ側と科学技術や南極といった分野での協力を強化させていきたいと望んでいる。
また、中国側はチリが来年開催するアジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会議を支持し、
共にアジア太平洋自由貿易区の建設を推し進めていく」とした。
一方のピニェラ大統領は、「チリは中国と上層部の緊密な交流や貿易投資の深化、インフラ建設、
科学技術等の分野における協力を望んでおり、共に『一帯一路』を建設し、共に自由貿易を維持し
、開放型の世界経済を構築していくことを望んでいる。またチリは中国側とのコミュニケーションと
協調を保ち続け、来年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会議において積極的な成果を
あげたいと期待している」とした。