ドゥテルテ大統領、CIAを挑発「失脚させたければやってみろ」
2016年10月08日 10:32 発信地:ダバオ/フィリピン AFP
フィリピン・マカティのベイト・ヤコブ・シナゴーグで演説するロドリゴ・ドゥテルテ大統領(2016年10月4日撮影)
【10月8日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は7日、就任100日目を記念するスピーチで、米中央情報局(CIA)を挑発し「失脚させたければやってみろ」と述べた。また自らが率いる「麻薬撲滅戦争」を批判する欧米の人々を「動物」と呼び、麻薬取引関連の犯罪者をさらに殺害していくと宣言した。
ドゥテルテ大統領は地元の南部ダバオ(Davao)で行った演説で「私を失脚させたいか?CIAを使いたいか?やってみろ」と述べた他、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領をはじめとする批判者たちをののしった。
ドゥテルテ大統領は9月、CIAによる自身の暗殺計画があったと非難したが、詳細については語っていない。
ドゥテルテ氏は7日にも、フェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)大統領を失脚させた1986年の「人民革命(People Power Revolution)」を引き合いに出してドゥテルテ氏に警鐘を鳴らした現地紙のコラムニストに言及し「勝手にやればいい。好きにしろ」、「私が失脚? (そうなれば)それも運命だ。運命にはさまざまなことが付き物だ。私が死ぬなら、それも運命だ。大統領とは暗殺されるものだ」などと述べた。
公式統計によると、6月30日のドゥテルテ氏の大統領就任以来、警察により1523人が殺害された他、状況不明の状態で1838人が死亡している。
ドゥテルテ大統領の暗殺計画
ドゥテルテ氏は9月にも「CIAに命を狙われている」と演説で漏らしている。同氏の麻薬犯罪対策を批判する米国が暗殺を計画しているのではないか、と警戒しているようだ。
麻薬犯罪撲滅を掲げるドゥテルテ氏を狙った暗殺のうわさは根強くある。就任前の6月には地元紙が、麻薬密売の元締たちの間で「ドゥテルテ氏の首にかけた懸賞金が10億ペソ(約21億3千万円)まで跳ね上がっている」と報じた。
地元報道によると、ドゥテルテ氏の発言を受けてロレンザーナ国防相は7日、「(暗殺計画について)駐比米国大使にも確認したが、『そんなことはしない』と聞いた」と話した。
ドゥテルテ氏が秩序を壊して病巣に切り込むのに拍手を送っている間に、気づけば民主制度や人権を軽視する政治がはびこる社会になっていることもありうる。国民が大統領の暴走をただせるかどうかにかかっている」と話す。
朝日新聞より抜粋