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世界最大の学会が「Huaweiの科学者による論文査読を禁止する」と決定

2019-05-31 01:41:19 | 資源・技術・知的財産・開発研究

世界最大の学会が「Huaweiの科学者による論文査読を禁止する」と決定

2019年05月30日 11時30分  Gigazine

アメリカ・ニューヨークに本部を置く米国電気電子学会(IEEE)は通信・電子・情報工学とその

関連分野を対象とし、世界160カ国以上に42万3000人以上の会員を抱える世界最大規模の学会です。

中国の電子機器メーカーHuaweiがアメリカの大統領令によって排除される動きが強まる中、

IEEEは「Huaweiの科学者による論文査読を禁止する」ことを決定しました。


IEEE, a major science publisher, bans Huawei scientists from reviewing papers | Science | AAAS

https://www.sciencemag.org/news/2019/05/ieee-major-science-publisher-bans-huawei-scientists-reviewing-papers



IEEEは電気・電子工学および計算機科学の分野で世界の30%以上の文献を発行している上に、

多くの査読付き論文誌を出版しています。公開前の論文の査読には世界中の科学者らが協力しており、

論文の内容に誤りや矛盾がないかといった点を精査しています。

 

2019年5月28日、IEEEは「Huaweiに所属する科学者を技術的論文の査読者として採用し続ける

ことには、重大な法的影響のおそれがある」と、およそ200ものジャーナルの編集者に対して通達。

Huaweiの科学者らは今後も学会の一員として編集委員会に協力することが可能ですが、

アメリカによる制裁措置が解除されるまで査読前の論文を取り扱うことはできないとのこと。

アメリカではHuaweiが製造するスマートフォンには安全保障上のリスクがあるとの見方が強まり、

排除の動きが急速に進んでいます。Androidを開発するGoogleのほか、IntelやQualcommといった

サプライチェーンもHuaweiとの取引を停止しました。

 

IEEEは「制裁措置の中でも、Huaweiの科学者たちはさまざまな学会活動に参加できる」としています。

Huaweiの科学者らはIEEE主催の会議に出席してプレゼンテーションを行い、ジャーナルに記事を

投稿し、所属するさまざまなグループに出席可能だそうです。


しかし、Huaweiの科学者は自分以外の人間が提出した査読前の論文に記載された、技術的情報に

アクセスすることが禁止されるとのこと。査読が終了してジャーナルで出版するためにIEEEが

受理した論文については、編集委員として活動するHuaweiの科学者もアクセス可能ですが、

Huaweiの科学者らは論文の査読者としては活動することができません。

IEEEの決定はHuaweiの科学者だけでなく、中国国内の科学者らに反発を巻き起こしています。

北京大学のHaixia Zhang氏は、「私はIEEEが電子工学の世界的学会だと認識していたので、

博士号学生としてIEEEに参加しました」「しかし、今回のメッセージは私の科学者としての誠実さに

反するものです。科学者としての誠実さが回復されるまで、私はIEEEで所属している2つの

編集委員会での活動を止めることにしました」と述べ、IEEEの決定に抗議しました。

 
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