ライダイハン、文在寅大統領にDNA型鑑定と謝罪求める
2019.6.10 15:28
「韓国政府は、戦争のごみとされた私たち混血児の存在を認めて欲しい」と文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対して、公開書簡を出した
トラン・ダイ・ナットさん=平成31年1月、ロンドン市ウエストミンスター
ベトナム戦争に派遣された韓国軍兵士が現地の女性を性的暴行などして生まれた「ライダイハン」と
呼ばれる混血児たちが韓国の文在寅大統領に国連人権委員会の調査と親子関係を確定するDNA型
鑑定に応じ、公式謝罪を求める公開書簡を出した。
ライダイハン問題を追及する英国の民間団体「ライダイハンのための正義」によると、書簡は
ライダイハンのトラン・ダイ・ナットさんら3人が5月28日付けで、在ロンドンの韓国大使館を
通じて文大統領に提出した。
ナットさんは、書簡の中で「韓国政府は、韓国軍兵士がベトナム女性に性暴力を行っていたことを
認め、国連人権委員会の実態調査に協力し、血液検査する50人の『ライダイハン』のデータと
父親とみられる韓国軍兵士らとの親子関係を確認するDNA型鑑定に応ぜよ」と主張。
さらに、「調査の結果、父子関係が確定すれば、韓国軍兵士による性暴力の犠牲になった子供たちに
公式謝罪してほしい」と訴えている。
同団体は今年1月、英議会内で開いた会合で、ナットさんと母親や、2018年ノーベル平和賞を
受賞したクルド民族少数派ヤジド教徒のナディア・ムラドさん、英政府の性暴力防止イニシアチブ
(PSVI)を設立したウィリアム・ヘイグ元外相らを招き、ライダイハン問題に連携して取り組む
ことを確認した。
「ライダイハン像」ロンドンで11日に公開へ
2019.6.10 15:03
英国人彫刻家、レベッカ・ホーキンスさんが制作した等身大の「ライダイハンの母子像」
英国の民間団体「ライダイハンのための正義」は6月11日、ロンドンで開く集会で、
英国人彫刻家のレベッカ・ホーキンスさんが制作した「ライダイハン像」をお披露目する。
集会にはイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の性暴力を告発して2018年
ノーベル平和賞を受賞したナディア・ムラドさんや英議会関係者らを招く。
ライダイハンは、ベトナム戦争に派遣された韓国軍兵士が現地の女性に性的暴行などして生まれた
混血児たち。ブロンズ製の像(高さ230センチ、重さ700キロ)はライダイハンとその母親を
描いたもので、翌12日から7月27日までロンドンのギャラリーで公開される。
その後、ロンドン中心地の屋外に展示される予定だ。
同団体の「国際大使」を務めるジャック・ストロー元英外相は「『ライダイハン像』は韓国政府に
長期間、無視されてきたライダイハンと母親に哀悼をささげるものだ。あまりにも長期に犠牲者たちは
社会から忘れ去られた。像が性暴力の恐怖とライダイハンの正義をアピールする存在になることを
期待する」と話した。
https://www.sankei.com/column/news/190610/clm1906100002-n1.html