欧州全土でサイバー攻撃、大手企業に被害広がる
2017 年 6 月 28 日 02:02 JST THE WALL STREET JOURNAL
欧州を中心に世界的な大手企業で27日、コンピューターシステムへの大規模なサイバー攻撃が発生した。デンマーク
の海運・石油大手 APモラー・マースク や広告世界最大手の英WPP、ロシアの国営石油大手 ロスネフチ などが被害を
報告している。
複数の攻撃を巡る感染経路や関連性は明らかでないが、欧州全土で同時にサイバー攻撃が広がった。
在米企業の一部にも障害があったと伝わっている。今年5月には世界的なサイバー攻撃が発生したばかりだ。「ワナク
ライ(WannaCry)」と呼ばれるランサムウエア(身代金要求ウイルス)が主に欧州の企業や組織に被害をもたらした。
ロイター通信が報じたところでは、ウクライナの内務省顧問がこの日、政府のコンピューターシステムがワナクライの
一種に感染したと明らかにした。だが政府はその直後、同国の最重要システムは感染していないと発表した。
各企業が被った被害の規模は不明だ。
世界最大の上場石油企業であるロシアのロスネフチは、深刻な被害が発生する可能性のある「大規模なハッカー攻
撃」にさらされたと発表。ただ石油生産には影響していないと述べた。
同社は当局に通報済みだとしたが、27日時点で同社ウェブサイトは閲覧できなくなっており、サイバー攻撃については
ツイッターの公式アカウントを通して情報を広めた。
デンマークのAPモラー・マースクの広報担当はこの日、複数部門のコンピューターシステムがサイバー攻撃を受けて
ダウンし、状況把握に努めていると話した。
ロンドンを拠点とする広告代理店グループのWPPは、傘下の複数企業で情報システムに「サイバー攻撃とみられる」
影響が出たと述べた。
身代金要求ウイルス、世界各地のサーバーで被害
[モスクワ/キエフ 27日 ロイター] - 世界各地のコンピューターサーバーが27日、身代金要求ウイルス(ランサムウェア)攻撃の被害にあった。
被害は当初、ロシアとウクライナで報告され、ルーマニアやオランダ、ノルウェー、英国へ急拡大、数時間中に世界中に広がった。
デンマークの海運・石油大手、モラー・マースク(MAERSKb.CO)は、ロサンゼルスのターミナルなど、世界中のコンピューターシステムがストップしたと明らかにした。
ウクライナのメディア企業ではコンピューターがブロックされ、ファイルへのアクセス復旧の見返りに、300ドル相当のビットコイン支払いを要求されたという。
マースクのロッテルダムオフィスなどでも、同じメッセージが画面に流れた。
米医薬品大手のメルク(MRK.N)も、世界的なハッカー攻撃でネットワークに影響が出たと説明した。
スイス政府機関も、インドでコンピューターシステムに影響が出たと報告した。
ロシア国営石油大手のロスネフチ(ROSN.MM)や、フランスの建材メーカー、サンゴバン(SGOB.PA)、広告世界最大
手の英WPP(WPP.L)なども、サイバー攻撃被害にあったことを明らかにした。同一のウイルスが原因かは分かっていな
い。