中国、極秘に核実験の可能性 米国務省が報告
北京でのパレードに参加した対戦車ミサイル部隊(2019年)
2020 年 4 月 16 日 04:12 JST WSJ By Michael R. Gordon
米国は、中国政府があらゆる核実験を禁止する国際条約を厳格に順守していると
主張しているにもかかわらず、爆発力を極めて低く抑えた極秘の核実験を実施している
可能性があると懸念している。国務省が公表予定の新たな軍縮報告で明らかになった。
報告書は中国が条約順守の約束に違反している証拠を示していないものの、あらゆる
規模の核実験を禁じる「ゼロイールド」に中国政府が順守していない可能性について
「懸念を想起させる」一連の行動を指摘している。
懸念の根拠となっているのは、新疆ウイグル自治区のロプノール実験場で急速に
進む活動状況だ。現地で大規模な掘削が行われているほか、爆発を抑制する特殊坑道を
中国が使用しているとされる。
米国が疑念を強めているもう一つの要因は、放射線や振動を検知する中国領内の
測定局でここ1年、データ通信が妨害されていることだ。
トランプ政権は軍縮条約の国際的な順守に関する年次評価で、機密扱いとされない
要約部分にこうした指摘を盛り込んだ。これにより、中国による新型コロナウイルスの
感染拡大への対応や南シナ海の軍事拠点化、貿易摩擦を巡る緊張が一段と高まる可能性が
高い。
Bloomberg News 2020年4月16日 17:05 JST
中国外務省の趙立堅報道官は北京での16日の記者会見で米国側の主張に反論。
中国政府は国際的な約束を守っており、米国が国際軍備管理を妨害していると主張。
米国は他国への非難をやめるべきだと述べた。
原題:U.S. Says China’s Nuclear Site Activity Raises Concerns、China Rebuffs U.S. Accusation on Nuclear Site Activity(抜粋)