瀬取り容疑の韓国船籍タンカー、北朝鮮に4300トンの軽油を供給か
2019/04/04 10:07 朝鮮日報
韓国船籍のタンカー
2017年9月に東シナ海の公海上で北朝鮮のタンカーに軽油を違法に積み替え
国連安全保障理事会による北朝鮮制裁決議に違反した容疑で韓国船籍のタンカーが
釜山港内の甘川港に抑留されているが、この貨物船は違法な洋上取引(瀬取り)によって
少なくとも4300トンの軽油を北朝鮮に供給してきたことが3日までに分かった。
韓国船籍のタンカーが北朝鮮に石油製品を違法に提供した容疑が確認されたのは今回が初めて。
日本の外務省が公開した北朝鮮船舶の不法積み替え疑い様子。(出典=外務省ホームページ)
韓国政府当局によると、韓国船籍のタンカー「Pパイオニア」は2017年9月、東シナ海の
公海上で北朝鮮のタンカー2隻にそれぞれ1820トンと2500トン、合計4320トンの軽油を
積み替えたとして南北交流協力法違反などの容疑で抑留されている。
韓国海洋警察は先日、船長の男(71)らを起訴相当との意見を添えて検察に送致した。
このタンカーは2000年に日本の福岡造船で建造され、現在は韓国国内の海運会社が
所有しているが、17年9月よりも以前にフィリピン企業に貸し出されたという。
Pパイオニアは入出港関連書類を偽造して追跡から逃れてきたことも分かった。大量の軽油を
運搬すると、積み替えた後は船が軽くなって喫水線が上昇するため、人工衛星などによって
摘発される可能性があることから、当初から最大積載量(7849トン)よりもはるかに少ない
量しか運搬しなかったようだ。韓国政府は米国からの情報提供に基づき、これまで6カ月に
わたりこのタンカーを抑留している。
韓国外交部(省に相当)の関係者は「抑留からすでに6カ月以上過ぎたので、今後の対応に
ついて米国や国連安保理と協議中だ」と明らかにした。このタンカーによる瀬取りの事実が
最終的に確認されれば、基本的には船を借り受けている企業が責任を負うが、調査結果に
よっては本来の所有主である韓国企業も国連制裁の対象になることも考えられる。
現時点で違法な瀬取り行為により韓国国内に抑留中の船はこのタンカーを含めて4隻で、
残り3隻はいずれも外国船籍だ。
米財務省が先月発表した「違法積み替えへの関与が疑われる船舶」のリストに韓国船籍
として初めて記載されたタンカー「ルニス」は3日に麗水港に入港した。
韓国の保守系野党・自由韓国党の兪奇濬(ユ・ギジュン)議員は「ルニスは2017年以降、
韓国国内で合計27回にわたり16万5400トンの石油精製品を積んで出港したが、当初予定
された目的地ではなく中国周辺の公海上に2週間停泊するなど、怪しい動きを示してきた」
と指摘した。