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経済危機深まるパキスタン、一帯一路で泥沼に

2019-04-04 19:42:38 | 中共日本浸透工作・中共浸透工作・一帯一路・中国経済侵略

 経済危機深まるパキスタン、一帯一路で泥沼に

 

 中国の広域経済圏構想「一帯一路」は、同盟国パキスタンの経済を活性化し、双方に恩恵を

もたらすはずだった。


 ところが、パキスタンは今や経済危機に陥り、620億ドル(約6兆9100億円)規模の

中国関連プロジェクトは半分も進まないまま建設にブレーキがかかっている。中国による

インフラ構造物は全て中国国有企業が建設しているが、パキスタン政府は中国政府の融資に対する

返済保証を義務付けられている。


 パキスタンはここへ来て、異なる戦略の導入を中国に求めている。約10億ドルの開発支援金と、

中国民間企業による工場開設だ。

 

 パキスタンは先日も中国に21億ドルの緊急融資を要請したほか、サウジアラビアやアラブ

首長国連邦(UAE)からそれを上回る額の融資を取り付けた。国際通貨基金(IMF)に救済を

求める交渉を進める間、国際収支のひっ迫を乗り切る狙いがある。

 パキスタンは一帯一路の一環である「中国パキスタン経済回廊(CPEC)」の復活を目指すが、

その取り組みは今月北京で開かれる一帯一路に関する国際会議に向けて中国の指導部が求めて

いるような成功談とは言えない。もっとも、CPEC構想は、米国をパキスタンの主要同盟国の

座から追い落とす一助となった。


 パキスタンでは長年、強力な軍部が中国との戦略関係を管理し、政府がそれを表立って

批判することはほとんどなかった。だが、新たに就任したイムラン・カーン首相は、

ナワズ・シャリフ前首相が中国と手を組んだ多くのプロジェクトに批判的だ。


 カーン政権はCPECの残存プロジェクトの多くを人知れず中断。中国政府によると、これまでに

着工もしくは完工した道路や電力発電所、港湾プロジェクトは190億ドル相当にとどまる。


 パキスタン政府はCPECによる鉄道網増強など、さらなるインフラ構築推進を望んでいるが、

財源は明らかではない。


 カーン氏は自らの優先政策に沿って対中関係の重点を定め直し、とりわけヘルスケアや

教育といった分野で返済不要の従来型の開発支援を獲得したい考えだ。パキスタン政府は膨張する

債務を抱え、財政と国際収支の二重の危機に直面している。


 パキスタン政府の分析によると、これまでに実施したプロジェクトだけでも、向こう20年で

中国に400億ドルを返済しなければならない。パキスタンは足元の債務危機について、中国の

融資とは無関係だと述べている。

 パキスタン政府関係者は、おそらく北京での国際会議で、4億〜5億ドルの支援プロジェクトの

第一段階について中国と合意に至るとの見方を示している。中国政府は資金需要を判断するため

パキスタンに専門家を派遣したことを明らかにした。


 駐パキスタン中国大使のヤオ・ジン氏は先週、「両国はCPECの新段階を導入することで合意した」

とし、「協力範囲を広げ、産業部門や社会部門で協力を深める」と述べていた。

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