アメリカを訪れている安倍総理大臣は日本時間の20日朝、アメリカ大統領選挙の民主党の候補、 ヒラリー・クリントン前国務長官と会談し、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の早期発効を目指す考えを示したのに対し、TPPに反対の考えを表明して いるクリントン氏は同様の考えを伝えました。
この中で安倍総理大臣は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定について、基本的価値を共有する各国が経済の絆を深めていくことは地域の安定にも資するなどとして意義を強調し、早期発効を目指す考えを示しました。
これに対し、「雇用を奪うあらゆる貿易協定を阻止する」などとして、TPPに反対する考えを表明しているヒラリー・クリントン前国務長官は同様の考えを伝えました。
TPPをめぐっては、オバマ大統領は来年1月までのみずからの任期中に、アメリカ議会の承認を目指す考えを示しています。
一方、安倍総理大臣は「アジア太平洋地域の安全保障環境が厳しさを増している中で、日米同盟の重要性はさらに高まっている。地域や世界の平和と安定に貢献していくうえにおいて、さらに日米同盟を強化したい」と述べました。
これに対し、クリントン氏は「日米関係はアジアのみならず、世界において平和と繁栄を実現していくうえで必要な要素だと考えている」と述べ、両氏は地域や世界の平和のために日米同盟は重要だという認識で一致しました。
また、クリントン氏は各地でテロが相次いでいることに触れ、「テロ対策への努力を倍増しなければならない」と指摘しました。
日本政府高官によりますと、会談ではこのほか、北朝鮮情勢や海洋の安全保障をめぐっても意見が交わされたということです。
米大統領選挙の民主党候補ヒラリー・クリントン氏は、国連総会に出席するためニューヨークを訪問中の安倍首相と19日に会談することで合意した。
共同通信によると、両氏は会談で、東アジアでの領土紛争や北朝鮮のミサイル・核プログラムをめぐる状況などを含む東アジア情勢について意見交換する。 また共同通信によると、会談はクリントン氏側が申し入れたという。クリントン氏は、アジア太平洋地域における米国の重要な同盟国としての日本との緊密な関係を強調したい考えとみられる。
日経新聞より抜粋
11月の大統領選を控え、日本の首相が特定の候補と会談するのは異例。
両氏は2014年9月にも国連総会を利用し、女性関連イベントで対談している。クリントン氏は内閣改造などで積極的な女性起用をしている首相を「有言実行の人だ」と評価していた。