中国人の亡命申請、４．１倍に急増 オーストラリア
（ＣＮＮ） オーストラリアで亡命申請を行う中国国籍の人数が４倍に急増していることが１２日までに
わかった。政府の統計で明らかになった。通常の移住ビザの取得が難しくなるなかで、亡命申請制度が
悪用されている懸念も出てきている。
オーストラリア移民国境警備省によれば、２０１７～１８年度にビザの「オンショア申請」を行った
中国人の数は９３１５人。これは前年度の２２６９人と比較すると４．１倍と急増している。
この数字は、飛行機などでオーストラリアに到着した中国人や、すでにオーストリア国内に滞在している
中国の学生や観光客が亡命を申請したことを意味している。同期間で比較すると「オンショア」による
亡命申請が中国人より多かったのはマレーシア人だけだった。申請数は９３１９件。
豪州難民評議会の幹部はＣＮＮの取材に対し、申請数が増えている背景について、「学生や観光客など、
さまざまな理由からオーストラリアを訪れる中国人の人数が全体的に増えていること」が影響している
可能性があるとの見方を示した。
一方で、申請数の急増は、未登録の業者が顧客の代わりに不当な申請を行っていたり、顧客に対して
亡命を申請するよう促していたりする可能性がある。一部の中国人は、オーストラリアの亡命申請の
手続きが遅いことから、これを利用して滞在期間を延ばそうとしている可能性もある。
不正利用の可能性があるにしても、政治的もしくは宗教的に迫害を受けたという本物の申請も中には
あるという。
１７～１８年度に中国人からの申請が認められた割合は１０％にとどまる。国籍別でみると最も低水準だが、
申請が認められなかったとしても、必ずしも不正な申請だったというわけではない。
地元メディアによれば、亡命申請の理由は多岐にわたる。中国の厳しい産児制限に違反したとする人や
禁止されている宗教に関連したとする人、性的少数者のコミュニティーのメンバーだという人もいたという。
地元メディアによれば、こうした人々による申請は全て却下された。