EU、IT大手の規制強化へ。 新法案を発表
【12月16日 AFP】欧州連合(EU)は15日、グーグル(Google)やアマゾン・ドットコム(Amazon.com)、
フェイスブック(Facebook)などのIT大手に対する規制を強化する2法案を発表した。EUはこれら
企業の大きな支配力が競争を阻害するのみならず、民主主義に対する脅威にもなるとの見解を示している。
提案されている新規則では、特に重大な違反行為に対して総売上高の最大10%に相当する罰金が
科され、場合によっては解体を命じられる恐れもある。また、「欧州市民の安全を危機にさらす
ような深刻な違反が繰り返された場合」には売上高の6%の罰金や欧州市場からの一時締め出しを
科す内容も盛り込まれている。
「デジタル・サービス法(Digital Service Act)」とそれに付随する「デジタル市場法(Digital Markets
Act)」の両法案は、偽情報とヘイトスピーチ(憎悪表現)の拡散抑制やIT大手の支配力抑制を目指し、
EU域内で事業を行う条件を厳格化するもの。
欧州委員会(EC)関係筋によると、計10社が「ゲートキーパー(門番)」企業に指定され、
市場支配力の制限を目的とした規制の対象となる。10社の内訳は、フェイスブック、グーグル、
アマゾン、アップル(Apple)、マイクロソフト(Microsoft)、スナップチャット(SnapChat)の
米6社と、中国のアリババ(Alibaba、阿里巴巴)とバイトダンス(ByteDance、字節跳動)、
韓国のサムスン電子(Samsung Electronics)、オランダのブッキング・ドットコム(Booking.com)。
グーグルは、法案の内容は今後慎重に検討するとした上で、「一握りの企業に標的を絞ったものと
みられる」と苦言を呈した。
法案は長く複雑な承認手続きを経る必要があり、最終的な内容はEUの加盟27か国や欧州議会、
関係各社や業界団体のロビー活動によって変更される可能性がある。