インド太平洋戦略実現へ共同文書…日メコン首脳
2018年10月09日 13時01分 読売新聞
日本・メコン地域諸国首脳会議であいさつする安倍首相(9日午前、東京・元赤坂の迎賓館)
日本と東南アジアのメコン川流域5か国による「日メコン首脳会議」が9日午前、
東京・元赤坂の迎賓館で開かれた。安倍首相が掲げる「自由で開かれたインド太平洋戦略」の実現などを
盛り込んだ共同文書「東京戦略2018」を採択した。
首脳会議には、安倍首相のほか、タイのプラユット暫定首相、ベトナムのフック首相、
カンボジアのフン・セン首相、ラオスのトンルン首相、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問が
参加した。
安倍首相は冒頭のあいさつで、「メコン地域は東アジアと南アジアを結ぶ回廊であると同時に、
太平洋とインド洋等を結ぶ陸の橋でもある」と述べ、日本として今後も経済支援を続けていく
方針を表明した。
共同文書は、中国が南シナ海で人工島の埋め立てを進めていることなどを念頭に、
「緊張を高め、平和と安定を損ない得る、地域における埋め立てや活動を含む南シナ海の状況への懸念に留意」
と表明。
北朝鮮に非核化に向けた具体的な行動をとるよう求め、日本人拉致問題解決に対処することの重要性も
確認した。
メコン地域の5か国は近年、急速な経済成長を続けているが、ミャンマーなど一部の国の人権状況などに
欧米諸国から懸念が出ている。日本は経済支援で関与を続けるとともに、各国に民主化を促していきたい
考えだ。
日メコン首脳会議は2009年から毎年行われ、今年は3年ぶりに日本で開かれた。