人体標本展を中止、拷問死した中国人の可能性 。スイス
2018年10月17日 14:50 発信地:ジュネーブ/スイス AFP
ホンジュラスの首都テグシガルパで開催された、解剖学者グンター・フォン・ハーゲンス氏による人体標本の展示(2012年11月8日撮影)
【10月17日 AFP】スイスのローザンヌ(Lausanne)で行われている人体標本などの展覧会で、
中国で拷問され処刑された受刑者らの遺体が含まれている可能性があるとして、同市当局は16日、
展覧会を中止する決定を下した。
保存された人体標本の展覧会「リアル・ヒューマン・ボディーズ(Real Human Bodies)」は、
これまでにオランダ、ベルギー、スイスの首都ベルンを巡回してきた。この展覧会について
ローザンヌ市当局は声明を発表し、キリスト教団体「拷問に反対するキリスト教徒行動
(Action by Christians Against Torture、ACAT)から苦情の申し立てがあったことを
明らかにした。
ACATは「同展で出展されている人体標本は、中国国内で非合法化されている気功集団、
法輪功(Falun Gong)のメンバーで拷問死した人々のものである可能性が高い」と発表した。
ベルン当局は展覧会の主催者側に、標本として展示されていた遺体の由来に関する証明書と、
標本となった本人または遺族からの同意書を提出するよう要請していた。それらの書類がないまま、
当局は今月19日から21日にかけてローザンヌのコンベンションセンターで予定されていた同展の
開催を禁止した。
この展覧会は、人体の組織や臓器の保存を可能にする技術「プラスティネーション」を用いた
人体標本を使用している。