モンサントの除草剤、がん発生の「事実上の要因」
米で陪審評決
2019年3月20日 13:56 発信地:サンフランシスコ/米国 AFP
農薬大手モンサントの除草剤「ラウンドアップ」(2018年7月9日撮影)
【3月20日 AFP】米農薬大手モンサント(Monsanto)の除草剤「ラウンドアップ(Roundup)」を
長年使用し、喉に悪性リンパ腫を患った男性がモンサント側を相手取って訴えていた裁判で、
米カリフォルニア州地方裁判所の陪審は19日、ラウンドアップががんを発生させた「事実上の要因」
だったとの評決を下した。
エドウィン・ハードマン(Edwin Hardeman)さん(70)は1980年から2012年にかけ、
カリフォルニア州北部ソノマ(Sonoma)郡の自宅でラウンドアップを定期的に使用。その後、がんの
一種である非ホジキンリンパ腫と診断された。
ラウンドアップには環境保護運動家や専門家が長年発がん性を指摘しているグリホサートが含まれており、
陪審はハードマンさんががんを発症した大きな要因がグリホサートだったのかどうかについて判断を
求められていた。
連邦裁でラウンドアップの発がん性について争われた裁判はこれが最初で、米国内では現在、同様の
訴訟が数多く進められている。
カリフォルニア州では昨年8月、末期がんと診断された男性ががん発症はラウンドアップが原因だと
訴えていた裁判で、モンサント側に2億8900万ドル(約320億円)の賠償命令が出された。
しかし、賠償額は後に7800万ドル(約87億円)に減額された。