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日本にすり寄る豪州 ターンブル首相18日訪日、政権テコ入れ 中国離反、米とは関係悪化

2018-01-20 11:17:14 | 外交・海外支援

日本にすり寄る豪州 ターンブル首相18日訪日、政権テコ入れ 中国離反、米とは関係悪化

2018.1.18 07:51   産経新聞

 【シンガポール】オーストラリアのターンブル首相が18日に訪日する。2015年9月の“党内クーデター”で安倍晋三首相の

盟友だったアボット前首相を追い落とし、有力視されていた日本の「そうりゅう型」潜水艦導入を退けた。親中派の元実業家として

知られ、経済立て直しに中国との関係強化を掲げたが、中国の“内政干渉”もあって結局は頓挫。同盟国の米国との関係もギクシャクする

なか、日本からの支援を取り付け、政権基盤のテコ入れを図る姿勢だ。


 豪公共放送(ABC)は16日、在キャンベラの中国大使館が昨年10月に最大野党・労働党の議員十数人を夕食に招き、

豪政界への政治工作疑惑の払拭に努めたと報じた。その数日前、豪政府幹部は国内の学生に対し、中国共産党の影響力に備えるよう、

異例の呼びかけをしていた。


 豪政府は先月、中国を念頭に、外国人から影響を受けた国内組織や政治献金の監視を強化する措置を法制化。中国との癒着が

指摘された労働党のダスティアリ上院議員が辞職表明に追い込まれるなど、豪中間のつばぜり合いは激化している。


 中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報が先月発表した「2017年の最も中国に非友好的な国」調査によると、

1位は6割の豪州で、2位のインド、3位の米国、4位の日本を引き離した。ネットユーザー向けに初めて実施された同調査は、

豪中の離反が民間でも強まっていることを浮き彫りにした。

 

 一方、豪州の同盟国である米国との関係は冷え切ったままだ。初の電話会談を「最悪だった」と酷評したとされるトランプ大統領と

ターンブル氏との関係が改善する兆しはみられない。2016年9月に駐豪州米大使が帰任してから15カ月以上、同席は空席のまま。

豪州では「外交上の侮辱行為の一歩手前」(フィッシャー元副首相)などといらだちが募る。


 国内では、二重国籍問題で議員の辞職が相次ぎ、かろうじて過半数を維持する保守連合の政権が揺らぎ、首相の支持率も低下して

いる。


 こうした中、注目されているのがターンブル氏の訪日だ。

有力紙オーストラリアン(電子版)は14日、「日本との軍事協定で中国の威力に対抗」と題した記事で、日豪首脳会談で議題に

なると予想される自衛隊と豪軍の共同訓練に言及。豪戦略政策研究所(ASPI)のピーター・ジェニングス所長は、

太平洋戦争で1942年に日本から攻撃を受け、現在は米海兵隊が巡回駐留する北部ダーウィン港に触れ、「3カ国演習の機会増加に

期待する」と強調した。


日豪首脳会議、晩餐会:安倍首相の冒頭挨拶 首相官邸

 「本日は、NSC特別会合にマルコムをお招きできることをうれしく思います。


 日本と豪州は自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値と、そして戦略的利益を共有する特別な戦略的パートナーです。


 日豪は、インド太平洋地域に位置する国として、この地域の平和と繁栄を確保していく重要な責務があります。特に、両国が海洋の安定化勢力として、」

インド太平洋を自由で開かれたものとするために、より一層、協力していくことが必要であります。

 本日は、マルコムを交えて、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた日豪の協力について、議論することを楽しみにしています。」

 

 その後、両首脳は共同記者発表を行いました。
 

 最後に、総理は総理大臣公邸で晩餐会を開催し、挨拶の中で次のように述べました。

 

「マルコム・ターンブル・オーストラリア首相の訪日を心から歓迎いたします。


 本日は北朝鮮の問題を始めとして、マルコムと充実した意見交換を行うことができました。この後はマルコムに和食でリラックスしたときを過ごして

もらいたいと思います。

 2018年、新しい年を迎えまして、いよいよラグビーワールドカップが来年に迫っています。日本はラグビーについてオーストラリアからたくさんの

ことを学んでまいりました。昨年、このワールドカップの予選、どの組に入るかを決める抽選会が京都で開催されたんですが、私はわざわざ京都まで

参りました。どの国がどのグループに入るかということを決める抽選を私はしたんですが、私が褒められたのはオーストラリアと同じ組にならなかった

ことであります。私は予言しておきますが、予選で必ず日本は勝ち抜いて、決勝戦でワラビーズと戦いたいと思っています。1点現実的に訂正させて

いただきたいと思いますが、決勝戦ではなくて決勝リーグでワラビーズと戦いたいと思っています。

 再来年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。本日、シドニーで金メダルを取った高橋尚子さんにお越しいただいています。

あのときの感動を多くの日本人が覚えています。東京でも数多くの感動が生まれることを期待しています。日本ではホストタウンがオーストラリアの

選手団を温かく迎えます。兵庫県の神戸市や西脇市などが手を挙げています。ホストタウンのおもてなしを力にして多くの金メダルを取っていただきたい

と思います。
 本日は両国の友好関係を、政治、経済、学術、芸術、スポーツ、草の根など多方面で支えておられる方々を御招待いたしました。皆様のおかげで極めて友好な日豪友好関係があります。この場をお借りいたしまして皆様に御礼申し上げますとともに、今後とも御協力いただきますようにお願いいたします。それではターンブル首相を始め、御列席の皆様の御健康と両国関係がますます発展していくことを祈念いたしまして杯を上げたいと思います。チアーズ。」

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豪、中国企業に北部ダーウィンの港湾を99年間貸与。海兵隊駐留の米国は反発。

2016.3.31 21:42   産経新聞

 

 米海兵隊が南シナ海をにらんで駐留するオーストラリア北部ダーウィンで、駐留拠点にほど近い港湾を中国企業に99年間貸与する

契約が締結され、米国と同盟国の豪との関係が冷え込んでいる。「アジア重視」を唱えるオバマ米大統領にすれば顔に泥を塗られた

形で、豪側に不満を表明。31日から米ワシントンで始まる「核安全保障サミット」で関係諸国との連携強化を目指すオバマ氏を

横目に、中国が米国の同盟関係にくさびを打ち込んでいる。

 


 豪北部準州は昨年10月、インフラ関連の中国企業「嵐橋集団」に、ダーウィン港の商業用港湾施設を約5億豪ドル(約430億円)

で99年間、貸し出す契約を結んだ。嵐橋集団は中国軍とのつながりもささやかれ、3月20日付の米紙ニューヨーク・タイムズ

(電子版)は「中国は米と豪の海軍活動をスパイする最前列を購入した」という専門家の見方を報じた。

 


 豪紙オーストラリアン(電子版)は3月上旬、米国務省がこの問題で、豪国内で秘密裏に世論調査を実施していたと伝えた。

港湾施設貸し出しについて、リスクが「大いにある」との回答が43%、「多少ある」が46%、「ない」は11%にとどまったと

している。


 秘密調査の報道は、豪側へのいらだちを募らせる米側のリークの可能性もある。オバマ氏は2011年、豪を訪れてアジア重視の

政策転換を表明し、ダーウィンを新たな米軍の拠点にすると発表。駐留は翌年から始まり、近く2500人規模になる見込みだ。


 昨年11月、ターンブル豪首相と会談したオバマ氏は「中国との契約は事前に相談してほしい」と不満を表明。ターンブル氏は、

安全保障上の問題はなく「新聞を読んでいれば分かった情報だ」と反論した。


 豪の安全保障専門家らは嵐橋集団について「中国軍のフロント企業」などと警告したが、政府はその後も態度を変えず、

経済効果を主張。「通常の商業活動」とする中国外務省と歩調を合わせる。豪財務相は3月、外国投資の審査を厳格化すると

発表したが、港湾の資産価値(3億9千万豪ドル)を大幅に上回る契約額に疑問の声も出ている。


 親日派とされたアボット前首相を昨年9月、党内クーデターで引きずり降ろしたターンブル氏は中国ビジネスで成功を収めた人物で、

豪が依存を深める経済を武器に、中国が同盟関係に割って入った格好だ。