香港デモで初起訴、警官暴行や器物損壊罪で 当局が摘発強化
2019年7月5日 22:05 発信地:香港/中国 AFP
香港の警察本部に向かって卵を投げ付ける男性(2019年6月21日撮影)
【7月5日 AFP】香港の著名なストリートアーティストが5日、反政府デモに参加した際に警察に対し
卵を投げ付けるなどしたとして、警官暴行と器物損壊の罪で起訴された。
先月から異例の大規模デモに揺れる香港で、デモ参加者が起訴されたのはこれが初めて。
中国本土への容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」改正案をめぐり、香港では市民が大規模
ながらも平和的な集会を3度実施。その一方で、若者の強硬派は市民的不服従行動や暴力行為に及び、
警察本部を包囲し、1日には立法会(議会)に突入した。
当局は、半自治権を有し中国政府を後ろ盾とする香港政府を危機に陥れた一連の混乱を招いた者らを
摘発していくと宣言。
今回起訴されたアーティストの男性(31)は5日、先月21日の警察本部の包囲をめぐる容疑で出廷。
6時間にわたった包囲の最中に、警察本部に向かって卵を投げ付けた乱暴行為でも起訴された。
その後再勾留されたこの被告は、有罪と認められれば10年以下の禁錮刑に処される可能性がある。
デモ隊が突入した議会の壁には、「香港は中国ではない」などのスローガンが書かれ、檀上には
英植民地時代の旗が掲げられた。鑑識班が指紋やDNA鑑定の材料となり得るものの徹底採取に
乗り出しており、議場荒らしに加わったデモ参加者らの特定が進められていくとみられている。
香港の警察本部に向かって卵を投げ付ける男性(2019年6月21日撮影)
香港の警察本部で、男性が投げる卵から身を守る警察(2019年6月21日撮影)
デモ隊が突入した香港の立法会(議会)で、演壇に掲げられた英植民地時代の旗(2019年7月1日撮影)
デモ隊が突入した香港の立法会(議会)の柱に書かれた「香港は中国ではない」という意味の文字(2019年7月3日撮影)